宇宙業界ニュースまとめ 【2023/8/20〜26】
みなさん、こんにちは。
以下、2023/8/20〜26の宇宙業界でのニュースを振り返りたいと思います。
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それでは本題に入りましょう!
🇯🇵 日本の宇宙開発に関するニュース
H-IIA 47号機 8/28に打上げ延期へ
JAXAと三菱重工業は、H-IIAロケット47号機の2度目の打上げを延期し、2023年8月28日9時26分22秒に予定していると発表。
XRISMは「ひとみ」の後継機として、NASAやESAとも協力して開発された科学衛星。
一方、SLIMは月面への高精度着陸技術を検証する探査機で、特徴的な着陸方法を持つ。
🚀 ロケットに関するニュース
Rocket Lab Electronのエンジン再使用に成功
Rocket Labは、Electronのエンジン再使用に成功し、ロケットブースター全体の再利用に向けて前進。
この打上げは、ニュージーランドの射場から行われ、Capella Spaceの衛星を軌道に投入した。
同社は2023年に15回のElectron打上げを予定。
SpaceX Starshipのブースターテストに成功
SpaceXはStarshipのブースターテストに成功。
前回より良好だが、FAAの承認待ち。
Elon Musk CEOは次回の成功率を60%と予想。
さらに、打上げ車両や発射台には多数の改良が加えられている。
SpaceXのTransporter-8 72のペイロードを太陽同期軌道に展開
SpaceXのTransporter-8は、72のペイロードを太陽同期軌道に展開。
しかし、Starfish SpaceのOtter Pupは打上げ後にトラブルを経験し、ミッションの継続が困難に。
小型衛星の需要が増加する中、SpaceXが業界で支配的になってきている。
👩🚀 有人宇宙開発に関するニュース
民間宇宙飛行ミッション Polaris Dawn 2024年以降に遅延か
宇宙企業SpaceXと提携する億万長者Jared Isaacman氏によると、民間宇宙飛行ミッション「Polaris Dawn」の開始は2024年以降に遅延する見込み。
当初は2022年第4四半期に計画されていたが、ミッションの準備や他のCrew Dragonミッションのスケジュールにより遅れが生じた。
また、新しい宇宙服の開発が遅れたことも遅延の原因とされる。この新しい宇宙服は、月や火星での活動に不可欠とされている。
Polarisプログラムは、SpaceXのStarshipの初の有人飛行を最終目標としている。
NASAは10年間の宇宙研究計画「Thriving in Space」を発表予定
NASAは10年間の宇宙研究計画「Thriving in Space」を発表予定。
この文書は、ISSでの研究方向性と、その後の商業ベースの後継プラットフォームへの移行について示す。
NASAの生物学・物理学 (BPS) 部門は、ISSから商業プラットフォームへの移行計画を進めており、「CERISS」という商業宇宙飛行士プログラムも展開中。
JAXA 古川宇宙飛行士 ISSへ
8月26日、SpaceXのFalcon 9は1日遅れで国際宇宙ステーションへの有人ミッションを打上げた。
このミッションには、NASA、欧州宇宙機関、ロスコスモス、そしてJAXAの古川聡さんも含まれており、約6ヶ月の滞在が予定されている。
🛰️ 人工衛星に関するニュース
Sierra SpaceとRedwireが提携
Sierra SpaceとRedwireが商業宇宙モジュール「LIFE」のための、独自のバイオテクノロジー研究プラットフォームで提携。
この10年以内の打ち上げを目指し、革新的な製薬ソリューションへの一歩となる。
パートナーシップは、製薬業界のニーズに合わせた研究開発に注力。
NOAAの支援でMyRadarがcubesatsを導入予定
NOAAの支援でMyRadarは気象・環境データのためのcubesatsを導入予定。
高度な画像技術とオンボードAIを搭載。
2022年にはHORIS コンステレーションを目指しプロトタイプを打上げ、様々な環境モニタリングに活用予定。
Viasat所有のInmarsat衛星が予期しない異常に
Viasat所有のInmarsat衛星が予期しない異常に見舞われた。
これは2回目であり、宇宙保険業界に懸念が浮上している。
Airbusとの調査が進行中。Viasatの株はNasdaqで5%下落しており、52週安値に近づいている。
低地球軌道(LEO)の衛星事業者は大型衛星へシフト
低地球軌道(LEO)の衛星事業者は、次世代の大型衛星へシフト。
SpaceXのStarlink V2は2,000kgで、大型化がコスト効率と性能の向上をもたらす一方、静止軌道(GEO)では小型化の動きも。
🌕 惑星探査に関するニュース
ロシアのLuna-25 不具合で墜落
ロシアのLuna-25が月への接近中に不具合で墜落。
この事故は、中国が主導する国際的な月探査計画にも打撃。
対照的に、インドのChandrayaan-3は着陸へ好調に進行中(当時)。
さらに、JAXAの月面ミッションSLIMが近日中に打上げを予定。
インド Chandrayaan-3が月面への着陸成功
インドのChandrayaan-3が無事に月面への着陸を果たし、インドはこれで月面着陸を達成した4か国目に。
Vikramランダーは月の南極付近に降り立ち、Pragyanローバーが月面探査を開始予定。
2019年のChandrayaan-2の試みの失敗後、この成功は大きな前進。
🪖 防衛に関するニュース
SDA ノースロップ・グラマンとロッキード・マーチンに合計$1.5Bの契約
Space Development Agency(SDA)は、ノースロップ・グラマンとロッキード・マーチンに合計$1.5Bの契約を締結。
72機の軍事衛星を製造予定。
両社はそれぞれ$733M、$816Mで36機を生産。これは2026年9月の打上げを予定しているTranche 2 Transport Layerの一部。
SDAは商業モデルに似た方式で技術を段階的に導入。
SDA Mynaricを光学地上端末を設計者に選定
Mynaricは、低軌道の衛星とのレーザー通信のための光学地上端末を設計するためにSpace Development Agency (SDA) に選ばれた。
Mynaricはこの2年間のプロジェクトのために300万ドルの契約を獲得。
大気との干渉の課題はあるが、SDAの軍事衛星ネットワークの通信能力の向上が期待されている。
米国国家情報局 商業リモートセンシングデータ供給者の課題を調査
米国国家情報局が、商業リモートセンシングデータ供給者の課題を調査中。
業界は成長しているが、政府との取引で障壁があるとの声多数。
政策の改善と最適化を目指し、効果的な協力関係の構築を求めている。その他のニュース
米空軍 レーダー衛星事業者のUmbraと125万ドルの契約を締結
米空軍が、地上の動く目標を宇宙から追跡する技術を試験するため、レーダー衛星事業者のUmbraと125万ドルの契約を締結。
Umbraはカリフォルニアに拠点を置き、高解像度のレーダー衛星6機を運用。
従来の地上目標追跡用のJSTARS航空機の役割を終了させ、Umbraは新たに宇宙ベースでの監視能力の開発を進める方針。
米宇宙軍 新たな取り組み「Tactically Responsive Space Challenge」を開始
米宇宙軍が新たな取り組み「Tactically Responsive Space Challenge」を開始。
緊急時や対立時に24時間以内に衛星を展開するための技術や戦略を募集中。
これには、ペイロードセンサーやロケットなど、多様な分野での提案が求められている。
Sedaro デジタルツインを使った宇宙船設計を実施
スタートアップのSedaroが宇宙軍との契約でデジタルツインを使った宇宙船設計を展開。
デジタルツインは実物のデジタル模倣で、リアルタイムデータを基に分析・最適化が可能。
Orbital Primeプログラムの下、1.5百万ドルでISAM技術の進化を目指す。
DIU 即時打上げのミッション提案を募集
防衛革新ユニット(DIU)は、24時間以内の打上げ通知を受けてペイロードを打上げる「戦術的即応宇宙」ミッションの提案を求めている。
このミッションは米宇宙軍との共同プロジェクトで、2023年秋に契約が予定されている。
DIU: アメリカの国防総省(DoD)の組織で、シリコンバレーに拠点がある。その主な目的は、商業技術を軍のプログラムに取り入れること。 これにより、国防総省が新しい技術やイノベーションを迅速に採用して、国の安全保障のニーズに応じることができる。
💡 その他のニュース
Axiom Space 3億5000万ドルの資金調達
Axiom Spaceは、サウジアラビアのAljazira Capitalと韓国のBoryung Co.をはじめとする投資家から3億5000万ドルの資金調達を実施。
この資金は、商業宇宙ステーションの開発をさらに推進するためのもの。
ヒューストンを拠点とする同社は、2026年までに国際宇宙ステーションに商業モジュールを導入し、独自の宇宙ステーションを設立する計画を進めている。
NASAとの宇宙服開発の契約も獲得。
Eutelsat OneWebの買収を最終承認するための株主投票を予定
9月28日、EutelsatはOneWebの買収を最終承認するための株主投票を予定。
すでにEutelsat株の49.4%を持つ主要株主は、34億ドルの評価での合併を支持。
OneWebは、LEOの634機の衛星で年末までに地球全域カバーを予定し、Eutelsatと共に2028年用の40億ドルの第2世代ネットワークを構築中。
この合併は、UK-EU間の潜在的な対立のため、EutelsatのIRIS²衛星プロジェクトへの入札に影響を与える可能性がある。
Eutelsatは、7年連続の売上減少後、この拡大で成長を目指す。
Sidus Space Exo-Spaceを買収
Sidus SpaceはAIを活用した宇宙観測のスタートアップ、Exo-Spaceを買収。
この買収により、Sidusの能力は単なる宇宙データ提供から、具体的な解析結果を提供する方向へと進化する。
Exo-Spaceは地球観測データにAIを適用するプラットフォームを持っている。この取引の効果として、Sidusの2025年までの契約が拡大する見込み。
目指すのは、顧客に対してより柔軟でカスタマイズ可能な衛星ミッションを提供すること。
オーストラリアのスタートアップHEO 8百万ドルのシリーズA資金調達
オーストラリアのスタートアップ、HEOが8百万ドルのシリーズA資金調達を完了。
以前は「HEO Robotics」として知られていが、商業軌道検査と宇宙状況監視に特化することを反映して名前を変更。
Airtree Venturesを筆頭に、Salus VCやY Combinatorなどが投資。
HEOは、衛星同士の撮影を専門とし、他社の衛星にソフトウェアを搭載。
現在、39のセンサーデータを利用し、宇宙デブリ等を把握する技術を展開。
米国司法省 SpaceXが亡命者・難民の雇用差別を行ったとして訴訟
米国司法省はSpaceXが亡命者・難民の雇用差別を行ったとして訴訟。
SpaceXは国際武器取引規制(ITAR)を理由に米国市民・永住者のみの雇用を主張。
しかし、司法省は亡命者・難民も米国人として認められるべきだと反論。
以上
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