宇宙業界ニュースまとめ 【2023/8/13〜19】
みなさん、こんにちは。
以下、2023/8/13〜19の宇宙業界でのニュースを振り返りたいと思います。
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🇯🇵 日本の宇宙開発に関するニュース
iQPS Rocket Labとの打上げ契約を締結
日本の衛星開発企業「iQPS」は、Virgin Orbitの破産後、Rocket Labとの打上げ契約を締結。
元々はVirgin OrbitのLauncherOneロケットでの打上げを予定していたが、Virgin Orbitが営業を停止。
Rocket LabのCEO Peter Beck氏は、この打上げがElectronの強みを活かすものだとコメント。 iQPSの大西CEOはRocket Labのサポートに感謝。
Rocket LabはVirgin Orbitの破産を受けて小型衛星の打上げ市場で急成長。
🚀 ロケットに関するニュース
NASA 次回のSLSの打上げに二次ペイロード を搭載するか未定
NASAは、次世代のSpace Launch System (SLS) 用に、大きなペイロードアダプタを開発中だが、次回のSLSの打上げに二次ペイロード (相乗り衛星) を搭載するか未定。
SLSの初飛行であるArtemis 1では、10のキューブサットが展開されたが、元々13のキューブサットが選ばれていた。キューブサットは以前よりも大きくなり、新しいアダプタは6U、12U、27Uのキューブサットを搭載可能。
Artemis 1のキューブサットの中には、部分的な成功や不具合が報告されたものもあった。
Rocket Lab 2024年に極地域のエネルギー監視のため2つのキューブサットを打上げ予定
2024年にRocket Labが地球の極地域のエネルギー監視のための2つのキューブサットを打上げることがNASAから発表された。
この打上げはPREFIREミッションの一環として、Rocket LabのElectronロケットでニュージーランドから打上げる予定。
キューブサットは、極地域のエネルギーの動きを詳細に分析し、それにより極地域の環境変化への理解が深まることが期待されている。
👩🚀 有人宇宙開発に関するニュース
ポーランドがESAと連携し、民間宇宙飛行士ミッションに関する合意を締結
ポーランドがESAと連携し、Axiom Spaceとの間でISSへの民間宇宙飛行士ミッションに関する合意を締結。
宇宙飛行士の詳細は明かされていないが、Sławosz Uznański氏が候補。これは、ヨーロッパ全体で宇宙飛行への関心の高まりを示す。
🛰️ 人工衛星に関するニュース
中国 合成開口レーダー衛星を世界で初めて静止軌道へ打上げ
中国、合成開口レーダー衛星を世界で初めて静止軌道へ打上げ。これにより、全天候型の中国及び周辺地域の監視能力が向上。
さらに、HEAD Aerospace向けの5機のAIS追跡衛星も打上げ。中国の2023年の宇宙ミッションはこれで36回目。
Intelsat Cバンド帯域を予定より早く利用可能
Intelsatは、アメリカの5G通信会社向けにCバンド帯域を予定より早く利用可能にし、今年後半に37億ドルの特別収入を得ると発表。
FCCは、2023年12月5日の期限前に帯域を利用可能にすれば、総額で約50億ドルの報酬を提供。
一方、SESもCバンド帯域の利用可能作業を完了し、今年後半に約30億ドルを受け取る見込み。
地球観測衛星 コストや制約の変化、顧客の要求の多様化
地球観測衛星が大型化。コストや制約の変化、顧客の要求の多様化が背景。
Capellaは新しいAcadia衛星を開発。高解像度、短い遅延が特徴。
Planetは日常の地球の画像収集を強化、Pelican衛星を導入予定。
Satellogicは世界の再マッピングを目指しMark Vを立ち上げ。
Spire Globalは衛星の大型化を進め、AI技術の導入で性能向上。
AST SpaceMobile $115Mを調達
AST SpaceMobileが$115Mを調達し、来年5つの商業衛星を打上げる計画。これに先立ち、$64Mの資金調達を完了。
2024年初頭に、5つの衛星を使ったサービス開始を目指す。世界中の40社以上のモバイル会社と提携し、24億のユーザーへのサービスを視野に入れている。
NRO 革新的な光学イメージング技術の提案を募集中
National Reconnaissance Office (NRO) は、先の契約でカバーされていなかった革新的な光学イメージング技術の提案を募集中。特に夜間、宇宙物体、多波長、動画、赤外線の撮影技術に注目。
この取り組みは、業界の新しい技術革新を取り入れるためのもの。また、NOAAによる最近の規制変更により、宇宙の商業イメージングが可能となり、企業にとって新しいビジネスチャンスが生まれている。
SkyWatch レーダーと光学画像を組み合わせた新しい画像製品を発表
カナダの衛星データ配信企業 SkyWatchは、レーダーと光学画像を組み合わせた新しい画像製品を発表。
プラットフォーム EarthCacheは、全天候型のSAR画像と光学画像を組み合わせた画像を提供。 さらに Umbraとの提携も発表。
True Anomaly 小型衛星の製造施設をColoradoに開設
Denver拠点のスタートアップ、True Anomalyは、宇宙物体の監視・偵察を目的とした小型衛星の製造施設をCentennial, Coloradoに開設。
彼らのJackalという衛星は、軍や情報市場向けに設計され、3つのカメラを装備して接近撮影が可能。
2024年初頭にSpaceXのTransporter-10で2つのJackalを打上げ予定。 CEOのRogers氏によれば、NOAAとFCCのライセンスを取得し、同施設でのJackal量産を計画している。
🌕 惑星探査に関するニュース
Intuitive Machines M-1の打上げ日を11月15日からの6日間のウィンドウとして発表
Intuitive Machinesが、初の月面着陸ミッションIM-1の打上げ日を11月15日からの6日間のウィンドウとして発表。
Falcon 9でケネディ宇宙センターの39A打上げ施設から予定。
IM-1は、NASAのCLPSプログラムの一部として、同社初の月面着陸ミッション。ただし、打上げ日は他のミッションの優先度などにより変更の可能性あり。
2Qの収益は1800万ドル、前年同期比で下落。
DARPA 月面インフラの枠組みを目指すLunA-10プロジェクトを開始
DARPAが次の10年の月面インフラの枠組みを目指すLunA-10プロジェクトを開始。
2035年までに統合システムの開発を目指し、NASAとも連携。
技術と経済の観点からの研究で、平和的利用を重視。2024年6月の最終報告を予定。
Luna-25 月探査ミッション 8月21日の着陸計画見直しか
ロシアのLuna-25 月探査ミッションが最近の機動中に緊急事態に直面し、8月21日の着陸計画に影響が出る可能性がある。
これは、1976年のLuna-24以来のロシアの試みである。
一方、インドのChandrayaan-3は8月23日に月に着陸を予定し、日本の「SLIM」は8月25日に打上げ予定で、数か月後に着陸を目指す。
🪖 防衛に関するニュース
米宇宙軍 南米演習で商業衛星を活用し違法漁船を特定
米国Space Forceは南米演習で、商業衛星を活用し違法漁船を特定。商業データの非機密性が国際的協力の鍵。
演習には米国や英国、ペルーなど複数国が参加。商業技術が戦略的情報提供の新たな手段として注目される。
米国宇宙軍 外国の宇宙活動監視を強化
米国宇宙軍は、外国の宇宙活動を監視し、突然の攻撃を避ける任務がある。既存の技術だけでは不十分で、プライベートセクターの支援が必要。
今年のHyperspace Challengeでは、宇宙保護に関連するイノベーションを持つ企業が参加を呼びかけている。 Space RCOは高速での技術的解決策を提供する機関で、今年のChallengeの共催者。
以前はスタートアップを対象にしていたが、2023年はより成熟した技術を求めている。
米宇宙軍 GSSAP2が運用停止
米宇宙軍のGSSAP2が最近運用停止になった。2014年から運用され、Northrop Grumman製の6つの衛星の1つ。
GSSAPプログラムは、米国の静止軌道での能力を示すために2014年に公開された。GSSAP 2は8年以上稼働し、予想寿命を超えた。
今後の衛星は給油可能とする提案があり、新たに2つのGSSAP衛星が発注された。
米宇宙軍 低軌道(LEO)衛星ネットワークの拡張に向けた研究を実施
SpaceX、Kuiper Government Solutions、Aalyria Technologiesが、米宇宙軍のSpace Development Agencyと協力して、軍の低軌道(LEO)衛星ネットワークの拡張に向けた研究を実施する。
この研究は、商業技術を利用してデータ通信を効率的に行う方法を探るもの。
米宇宙軍 宇宙物体追跡のDARCレーダーサイト2カ所の開発を単独発注予定
米宇宙軍は、ノースロップ・グラマンに宇宙物体追跡のDARCレーダーサイト2カ所の開発を単独発注予定。
2つ目と3つ目のサイトはヨーロッパとアメリカに建設予定。契約は2024年前半までに完了見込み。
米国情報機関 外国の情報機関から脅威を受けている状況を警戒
米国の宇宙関連企業が外国の情報機関から増加する脅威を受けていると、米国の情報機関は警戒を呼びかけている。 商業宇宙産業の米経済と国家安全保障への重要性が背景。
主に中国やロシアが関与しているが、他の国々も対象としている。
外国の情報機関はサイバー攻撃や戦略的投資を通じて接触を図っている。先日のルクセンブルクのサテライト会社に対する制裁がこれを象徴している。
その他のニュース
Rocket Lab Virgin Orbitの施設を取得
Rocket Labは、破産したVirgin Orbitの施設を取得してNeutronロケットの生産を拡大する予定。取得価格$16.1Mは、新規購入に比べ約$100Mの価値があると評価。
この施設は、エンジンや複合部品の生産に焦点を当てる。Neutronは、低地球軌道に最大13,000kgを投入可能な中型の再利用可能なロケットとして2021年に発表された。
Astra ロケット開発から宇宙船スラスター製造へPivot
Astraはロケット開発から宇宙船スラスター製造へと焦点を移しており、長期的な投資家を求めている。
Q2の収益は700万ドルだったが、EBITDAの損失を報告し、また4分の1を解雇した。
CEOのクリス・ケンプは顧客へのコミットメントを強調しつつ、Rocket 4の試験飛行の遅延を予告。財政的な課題は続いているが、スラスターの受注残高が7700万ドルとなっており、特に宇宙船エンジン事業の戦略的投資を積極的に模索中。
SmallSat Allianceが初の宇宙大学競技会を開催
8月15日、テキサス州オースティンでSmallSat Allianceが初の宇宙大学競技会を開催。
テキサス大学のチームが、植物成長や窒素不足土壌を監視するSANDS衛星で1位。
同大学の別チームは宇宙ごみを集めるBROOMで2位。
ノースカロライナ州立大学は宇宙デブリをキャッチするRACCで3位を獲得。
リバティ大学も宇宙デブリ解決策で特別賞を受賞。
イベントは、若者が世界の問題を解決する意欲を強調。
和歌山県 公立高校に宇宙専門コース開設
公立高校に宇宙専門コース開設へ、全国から生徒募集。
JAXAで勤務経験があり、カリキュラム作りなどに奮闘する男性は、「全国から多くの生徒が集まり、将来宇宙飛行士が誕生するかもしれない。そんな夢のあるコースにしていきたい」と話す。
Momentus コスト削減のために従業員を30%削減
Momentusはコスト削減のために従業員を30%削減し、資金調達の方法を探求中。
四半期収益は1.7百万ドルも、損失は1,880万ドルを記録。財政的難局にあるが、今後の展望は楽観的。
Deutsche Bankと連携し、新しい戦略的方向性を模索中。
BAE Systems Ball Aerospaceを$55億で買収予定
英国のBAE SystemsがBall Aerospaceを$55億で買収予定。Ballは宇宙関連のコンポーネントを製造。
この取引はBAEの米国での戦略を強化。取引完了は2024年上半期を予定。
Terran Orbital Rivada Spaceとの契約で300機の衛星を製造するため$180Mを受領予定
Terran OrbitalはRivada Spaceとの契約で300機の衛星を製造するため、今年$180Mを受け取る予定。
全契約は$2.4Bだが、資金調達の詳細は非公開。
RivadaのCEOは資金調達に関して米国の銀行との協議中であることを明らかにした。Terran OrbitalのCEOはRivadaの資金状況をよく把握している述べた。
同社は2025年までに衛星を打上げ始める計画で、合計で576機の打上げを目指している。
Wallaroo Labs 機械学習モデルの強化のため、米国宇宙軍から1.5百万ドルの契約を獲得
AIスタートアップのWallaroo Labsが、宇宙でのエッジコンピュータ向けの機械学習モデルの強化のため、米国宇宙軍から1.5百万ドルの契約を獲得。
New Mexico State Universityと提携し、SpaceWERXよりOrbital Primeプログラムの契約を獲得。
エッジコンピューティングにより、データ源に近い場所に計算能力をもつ。
http://Wallaroo.aiの目標は、宇宙でのさまざまなタスクの自動化を向上させるために、宇宙で機械学習を展開すること。
2023年のイベントカレンダー
8月16/17日: SpaceX Falcon 9ロケットが、フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地からStarlink衛星を打ち上げる。打ち上げ予定時刻は、日本時間8月17日の午前9時から13時。
8月17日: SpaceX Falcon 9ロケットが、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地からStarlink衛星を打ち上げる。日本時間17日の午後3時52分予定。
8月16日: 新月。日本時間16日の午後6時38分に到来。
8月23日: ロシアのソユーズロケットが、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から国際宇宙ステーションへProgress MS-24 (85P)貨物船を打ち上げる。
8月25日: SpaceX Falcon 9が、Crew Dragon宇宙船を打ち上げる。乗組員は、NASAのジャスミン・モグベリ、欧州宇宙機関のアンドレアス・モーゲンセン、日本の古川聡、ロシアのコンスタンチン・ボリソフ。国際宇宙ステーションに6ヶ月滞在する。日本時間25日の午後4時49分に打ち上げ予定。
8月25/26日: 日本のH-IIAロケットが、SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)ミッションとXRISM(X-Ray Imaging and Spectroscopy Mission)を打ち上げる。日本時間26日の午前9時34分予定。
8月24日: 月がアンタレスという明るい星の前を通過する。
8月26日: インドのPSLVロケットが、アディティヤL1ミッションを打ち上げる。アディティヤL1は太陽を研究するインド初の宇宙ミッション。
8月29日: United Launch Alliance (ULA)のAtlas Vロケットが、SILENTBARKER (NROL-107)ミッションを打ち上げる。これは、米空軍と国家偵察局の共同ミッション。
8月30日: 8月の2回目の満月、ブルームーン。日本時間31日の午前10時36分に到来。
9月14日: 新月。日本時間15日の午前10時40分に到来。
9月29日: 9月の満月、収穫の月。日本時間29日の午後6時58分に発生。
10月5日: SpaceX Falcon Heavyロケットが、NASAのPsyche小惑星ミッションを打ち上げる。日本時間5日の午後11時38分予定。
10月8日: ドラコニッド流星群のピーク。10月6日から10月10日の間に活動。
10月14日: 新月。日本時間14日の午後2時55分に到来。
10月14日: 北米、中南米を横断する金環日食が発生。
10月20日: オリオン座流星群のピーク。9月26日から11月22日の間に活動。
10月28日: 10月の満月、狩人の月。日本時間28日の午後5時24分に発生。
10月28日: 部分月食が発生。
11月4日: サザンタウリッド流星群のピーク。9月28日から12月2日の間に活動。
11月9日: 5時に東北東の空を見ると、月と金星の組み合わせが最も美しい。
11月11日: ノーザンタウリッド流星群のピーク。10月13日から12月2日の間に活動。
11月13日: 新月。日本時間13日の午後1時27分に到来。
11月17日: レオニッド流星群のピーク。11月3日から12月2日の間に活動。
11月27日: 11月の満月、ビーバームーン。日本時間27日の午後1時16分に到来。
12月12日: 新月。日本時間13日の午前7時32分に到来。
12月14日: ジェミニッド流星群のピーク。12月4日から12月17日の間に活動。
12月21日: 北半球の冬至、南半球の夏至。
12月21日: ウルシッド流星群のピーク。12月13日から12月24日の間に活動。
12月26日: 12月の満月、冷たい月。日本時間27日の午前8時33分に発生。
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