宇宙業界ニュースまとめ 【2023/9/3〜9/9】
みなさん、こんにちは。
以下、2023/9/3〜9/9の宇宙業界でのニュースを振り返りたいと思います。
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それでは本題に入りましょう!
🇯🇵 日本の宇宙開発に関するニュース
H2Aロケット47号機 打上げ成功
JAXAと三菱重工業は7日、鹿児島の種子島宇宙センターから「H2A」ロケット47号機を打上げた。
ロケットには日本初の月面着陸を目指す無人探査機「SLIM」や新しい天体観測衛星「XRISM」が搭載。
JAXA理事長と岸田首相は、この成功を日本の宇宙開発の新たなステップとして称賛。
SLIMは来年初めに月面に着陸する予定。
日本政府 JAXAに約100億円の補助金を供給し、宇宙ビジネスを活性化する方針
政府が2024年度にJAXAに約100億円の補助金を供給し、宇宙ビジネスを活性化する方針を発表。
長期的な資金供給のためにJAXA法も改正予定。
これにより、先端技術開発に取り組む企業や大学に資金が供給される見込み。
🚀 ロケットに関するニュース
中国のGalactic Energy 海上打上げに初成功
中国のGalactic Energyが海上打上げに初成功。
搭載された4つの衛星は、Guodian Gaoke社が構築中のIoT衛星ネットワークに加わる。
これは、中国が宇宙へのアクセスを広げ、多様化している一例であり、今後の商業宇宙産業の発展が期待される。
FireflyとL3Harris 3回の打上げ契約を締結
FireflyがL3Harrisとの間でAlphaロケットで3回のミッションを打上げる契約を締結。
L3Harrisは2億2500万ドルの米国政府契約の下で、これらの衛星を設計・製造。
Fireflyはテキサス州にある製造施設を拡張し、ロケット開発を進行中。
Ariane 6ロケットのコアステージの燃焼試験が成功
欧州宇宙機関(ESA)とArianeGroupは、Ariane 6ロケットのコアステージの燃焼試験が成功したと発表。
この試験は、初の実飛行の日程を決定する前に2回行われる予定。
次回の試験は10月3日に行われる計画。
成功すれば、2024年内に初飛行が可能とされている。
Relativity Space Apollo時代のテストスタンドをリース
ロケット会社のRelativity Spaceは、NASAのStennis宇宙センターにあるApollo時代のテストスタンドをリースして、Terran Rロケットの開発を進める。
7年間276万ドルでリースし、最大10年の延長オプション。
GAO SLSのコストが非常に高額になる可能性があることを危惧
Government Accountability Office(GAO)はNASAに、SLSロケットのコストが手の届かない価格になる可能性があることを危惧し、コスト透明性を求めている。
NASAはコストを50%削減する目標で、BoeingとNorthrop Grummanとの契約を計画。
SpaceXのStarship 二度目の打上げはまだ未許可
FAAはSpaceXのStarshipの初めての打上げに関する調査を終えたが、二度目の打ち上げをまだ許可していない。
原因は複数あり、SpaceXは63の改善措置を完了させる必要がある。
二度目の飛行の準備を進めているが、いつ許可が下りるかは不明。
👩🚀 有人宇宙開発に関するニュース
複数国の宇宙飛行士が地球に帰還
Crew Dragonのエンデバー号が9月4日未明、フロリダ沖に着水し、アメリカ、UAE、ロシアのクルーが6ヶ月間のISS滞在後に地球に帰還。
遅延していた帰還は、問題なく完了。
エンデバー号は、2024年2月にCrew-8ミッションで再使用される予定。
Redwire ISSで人間の膝の半月板を3Dプリントに成功
Redwireが国際宇宙ステーションで人間の膝の半月板を3Dプリントに成功。
これは、重力の影響を受けずにより自然な組織を作成できる可能性を示しており、将来的には医薬品開発や臓器移植治療への道を開く可能性がある。
Virgin Galactic 3人の民間飛行士を乗せた宇宙飛行を実施
9月8日、Virgin Galacticは3人のプライベート宇宙飛行士を乗せた宇宙飛行を実施。
米国ニューメキシコのスペースポートアメリカから午前10時34分に離陸し、88.6kmまで到達後、午前11時36分に帰還。
次の「Galactic 04」飛行は10月初めに計画。
🛰️ 人工衛星に関するニュース
Vodafone AmazonのKuiperネットワークと連携
Vodafoneが来年、AmazonのKuiperネットワークと連携し、ヨーロッパとアフリカでの携帯電話ネットワークを拡充。
このパートナーシップで、地上網が難しい地域にも4Gと5Gを提供。
初のサービスは2024年末に企業顧客向けに開始予定。
Terran 7種類の新しい衛星バスを発表
Terran Orbitalが標準化された7種類の新しい衛星バスを発表。
重量は14~1000kgで、様々なミッションに対応可能。
Pentagonや商用、研究目的にも適用でき、コスト削減と機能向上を実現。
Terran 衛星バスの製造期間を大幅に短縮
2024年末に、カリフォルニア工場を拡張する予定のテラン・オービタルは、自動化と標準化によって衛星バスの製造期間を現在の1年以上から30〜60日に短縮。
この取り組みは商業・政府顧客双方に訴求し、納期の早期化でニーズに迅速に対応する。
ルビコン・スペース・システムズ 600万ドルの契約を獲得
ルビコン・スペース・システムズはNASAと空軍研究所からASCENT推進剤を用いたプロジェクトで600万ドルの契約を獲得。
非毒性のASCENTは「推進技術の聖杯」とも言われ、高い推力と効率を兼ね備えている。
Viasat UKとOxford Space Systems 軽量な高速通信端末を開発中
Viasatの英国子会社とOxford Space Systemsが協力し、従来よりも50%軽量な高速通信端末を開発中。
同端末は15kgで、低コスト・低電力で運用できるよう設計されており、Kaバンドの衛星通信システムを利用。
まだ初期段階であり開発期間は未定。
🌕 惑星探査に関するニュース
インド 近日中に月の南極付近を探索予定
インド宇宙研究機関(ISRO)の月探査車「プラギャン」は、近日中に月の南極付近を探索予定。
地球からの遠隔操作で、様々な実験を実施予定。
実績としては、安全な月面着陸を成功させ、月面での移動や科学的実験のデモンストレーションを完了。
中国 「宇宙資源利用ネットワーク」 構築計画を発表
中国の科学者が、2100年までに太陽系全体の「宇宙資源利用ネットワーク」構築計画を発表。
プロジェクト「Tiangong Kaiwu」では、鉱鉱と水氷を燃料として利用、供給ルートも確立予定。
当面は月に水氷リソース開発施設を建設し、燃料として水を分解する計画。
インドのChandrayaan-3の技術的成功は、国際舞台でのインドの地位向上にも寄与
インドの月面着陸ミッション、Chandrayaan-3の技術的成功は、国際舞台でのインドの地位向上にも寄与する可能性が。
将来の月探査計画を後押しするだけでなく、インドが他の国と良い関係を築く「ソフトパワー」を高める可能性がある。
南アフリカ 国際月面研究ステーション(ILRS)プロジェクトに参加
南アフリカが中国主導の国際月面研究ステーション(ILRS)プロジェクトへ正式に参加。
2030年代に月面基地の建設を目指すこのプロジェクトは、NASAのアルテミスプログラムと競合する形で進められる。
🪖 防衛に関するニュース
米SDA 23基の衛星を軌道に展開
米 Space Development Agency(SDA)が23基の衛星を軌道に乗せ、今後数か月で軍事活動をサポートする宇宙データネットワークのデモフェーズを開始。
このネットワークは、地球上や宇宙でのデータ送信を最小限の遅延で行うことを目的とする。
Chance Saltzmanu米宇宙軍大将が新しいミッションステートメントを発表
Chance Saltzmanu米宇宙軍大将が新しいミッションステートメントを発表。
新しいスローガンは「我が国の宇宙における利益を保全する」。
この簡潔な言葉は、宇宙軍が米国の宇宙資産を保護し、全軍と同盟国が常に衛星機能を利用できることを意味している。
米国 低コストの自律型プラットフォームの大量生産を目指す
米国が中国の軍事拡大に対抗する新戦略では、低コストの自律型プラットフォームの大量生産を目指す。
国防総省は伝統的なプラットフォームへの投資を続ける一方で、大量の自律型システムで対抗。
商業宇宙産業の成長により、米国は宇宙競争で優位を保っている。
MAG AerospaceとSASがパートナーシップを結成
MAG AerospaceとSASが、米宇宙軍のデータ分析契約に獲得に向けてパートナーシップを結成。
両社は、クラウドベースのAI分析で既存の契約者であるPalantirに挑戦する。
追跡レーダーやその他センサーから収集されたデータを効果的に活用する方法を探求。
SDA 54基の人工衛星の入札を公開
SDAが9月5日、全飛行段階でミサイルを追跡可能な赤外線センサーを搭載した54基の人工衛星の入札を公開。
これらは低軌道に配置され、複数のベンダーに分割して発注予定。
既にSpaceXやL3Harrisから衛星を調達。
2027年に最初の衛星群を打上げ予定。
RAND Corp.宇宙軍の調達アプローチを見直すべきと提言
RAND Corp.は、宇宙軍の商用衛星通信の調達アプローチを見直すべきと提言。
統合された通信事業を創出するためには、個別プロバイダ契約を統合し一元化する必要があると指摘。
また商用サービスを利用するためには適切な地上設備が不可欠であるとも言及。
💡 その他のニュース
Eutelsat フランスのVCファームKaristaの宇宙技術ファンドに投資
utelsatがヨーロッパのスタートアップとの連携を強化する目的で、フランスのVCファームKaristaの宇宙技術ファンドに投資。
このファンドはこれまで7社に早期投資を行っており、Eutelsatは特にイノベーションを促進するパートナーシップを見込む。
英国 Copernicus地球観測プログラムへの再参加が可能に
EUと英国がCopernicus地球観測プログラムへの英国の再参加を可能にする合意に到達。
これにより、英国企業が契約に入札し、科学者がデータへのアクセスできるように。
現在、詳細は限定的。
以上
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