木村伊量の新作

画像1 『三酔人文明究極問答 私たちはどこから来たのか 私たちは何者か 私たちはどこへ行くのか』『遥かなるリコ』に続く木村伊量の第三作『遠い波頭 忘じがたき日本人の肖像』が出た。前二作の思索的な作品と趣を異にする近現代史小説。 第二次世界大戦の端緒を文化の爛熟した大正時代に見出す作者は民衆、ジャーナリズム、政治、軍部の未熟に列強の醜悪な思惑が絡んで破滅へとひた走る時代の相を描き出す。ジャーナリストの「わたし」が語り部となり、四人の幼馴染の男たちが時代の奔流に抗いつつも流されてゆく姿を活写している。

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