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Shoplifters

長いこと評判を耳にしていたけれども、なかなか手を出せずに出ていた「万引き家族」。
同作品を撮った是枝監督は、「そして父になる」を見てから何となく苦手になってしまっていた。
福山雅治演じる野々宮良多の家族の境遇が何となく私の家庭に似ていて、でも実際はあんなに素敵なお話にはなれないよなぁ、なんて少し卑屈な気持ちになってしまったのが正直なところ。
そんな訳で、気にながらも見れていなかった「万引き家族」だが、彼氏のお父さんが見たよ、というメッセージを送ってくれたので、私も見てみよう、という気になったのだ。

血のつながらない、バラバラの家族。はなから見たら、利害関係で繋がっているの?と思われるかもしれない、家族。
でもそこには恐らく多くの一般的な家庭が持っていない、愛ときずながある。
最後は社会のルールという不合理によって引き裂かれてしまう。
でも、この人たちはこの6人で暮らした思い出がある限り、ずっと大丈夫なのだろう。

是枝監督は、やっぱりどこかセンチメンタルで陳腐な空気感がたまに現れて、苦手。
しかし、この作品のテーマは陳腐ながらも、ちょっと私に響いてしまった。

私の家族はお金持ちで、周りから見たら幸せに見えるかもしれないけれど、めちゃくちゃ。私は去年家出をし、二度と帰らなかった。父親は特に反対もせず、私が何か報告をしようと電話をかけると、私に何が起きているかなんて聞きたくない、と拒絶される。母親は、心が弱り切って、昔のお母さんじゃない。

もちろん、私もそんなめちゃくちゃな家族の一員として、しっかり故障中。

唯一の救いは、一緒に住んでいる彼氏と、彼のご両親。そして家にいっぱい居るアーケードで見つけたぬいぐるみたち。

彼の両親は、面白くて、聡明で、物知りで、ちょっと(かなり?)ぶっ飛んでいるところもあるけれど、ちゃんと愛を知っていて、温かみを感じる。私のことも愛してくれてる、とおこがましくも感じる。
人種も違い、母国語も違う彼らを「家族」だと最近よく思う。思うっていうより、感じる、かもしれない。

「万引き家族」にも、家族というのは自分で選べるものだというメッセージが込められている。
ずっと一人ぼっちな気がしていた私が、私の「家族」を見つけた時の気持ちは、柴田家を見つけたゆりの気持ちと似ているのかな。


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