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Manhattan
マンハッタンはとにかくモノクロで映える。
特に夜景。普通の街だったら、「黒」にすべてがすっぽりと包まれて、街と空との区別がつかなくなる。全てが同一化してしまうのだ。そこにはただの「黒」がある。
でもマンハッタン。無数のライトが高いビルディングを縁取って、マンハッタンを暗闇から浮き上がらせる。きらきらに縁取られた幾つもの建物は、まるでクリスマスツリーの大バーゲンセールだ。特大サイズから、つつましい部屋にも似合うような小さなものまで何でも取り揃えてある。
ウディアレンの世界はモラルというものを「ふふん」と鼻であしらってしまう。浮気、未成年との恋、なんでもあり。マンハッタンも例に漏れず。普通から逸脱した色恋沙汰を、面白おかしく、上品かつ下品に、キレイな色のリボンでくるくるとラッピングして観客に提供する。
彼の映画は恐ろしくワンパターン。大体流れは読めるし、眠気を誘われる事も少なくない。でもこのワンパターンの中毒性は侮れない。暫くすると、「ウディアレンの世界」にまた帰りたくなってきてしまうのだ。