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18歳からの東京での生活

上京

あまり思い出したくない記憶も有りますが…。
18歳の秋に上京して来た私が最初に住んだのは、「風呂なし、トイレ共同(和式)、共同玄関、窓は閂窓」という昭和にタイムスリップしたような部屋でした。
窓の外には毎朝カラスがとまり、カァーと鳴き、深夜には天井裏でエレクト〇カルパレードが開催され、流しの下にはゴキ〇リが跋扈し、畳の隙間からムカデが這い出てくるという…。
今文章を打っているだけでも、フラッシュバックで鳥肌が立って止まらないです。

まぁ、それはさておき上京したての私は右も左も分からず、小鼓の手組を並べる事しかできない人間でした。
生意気で、不調法ものの私に楽屋での作法や、立ち振る舞い方を先輩方に教えて頂きました。

19歳の頃、国立能楽堂二階にて

東京に出てきて嬉しかった事

福岡に居た時に自分と一番年の近い方は、笛の今村徳和さん(現 森田光次さん)でした。
舞台の時によくご一緒させて頂いたのは森田光次さん、白坂保行さん、吉谷潔さんの御三方でした。今でも皆さんの事をお兄ちゃんだと思って接しています 笑
東京に出てきた時に、自分と近い年代の皆さんと初めて会いました。
何より嬉しかったのは「能の話が出来る同年代」地元の同い年の友人とは、能の話を出来なかったのです。

まず大阪へ先生の手伝いに伺っていた時から大倉慶乃助さん(4つ上)と親しくさせて頂き、杉信太朗さん(1つ上)、亀井洋佑さん(2つ下)、佐藤寛泰さん(1つ上)と良く能の話をするようになりました。
皆さんは私よりも小さい時から能の世界に身を置いている方なので、右も左も分からない私には話がちんぷんかんぷんでした 笑
が、なんとか話について行こうと日々稽古を積み、勉強を始めました。
稽古会が終わると皆で「もっとここはこうだろ!」なんて芸談を朝方までしていた事もありました(私は一方的に注意され続けてました 笑)

今でもお酒の席などで、舞台の話になるとつい熱を帯びがちです 笑

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