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企画ライブ主催の体験談

10年くらい前に運営してたサイトに乗せてたテキストのバックアップがあったので、noteで復活させてみました。

企画ライブを主催した事が何度もあります。今回はそのうちで一番印象に残ったライブを主催した時の体験談、苦労談を紹介します。ブッキングライブもいいですが、自由な形でライブを行える企画ライブというのはとても楽しいものです。ぜひやってみたいという人に少しでも参考になればと思います。

▼会場探し

企画ライブを行う際に一番最初にやる事は会場となるライブハウス探しです。この時のライブは私自身が主催するライブとしては4度目でしたが、1~3度目に使用したライブハウスには立地面、音響(機材)面で不満がありました。お客さんを呼びやすい立地という事と、ある程度機材面で満足いくという事は、せっかく出てくれる主演バンドさんに対しての礼儀だと思います。

ネットで出来るだけ情報収集し、3軒のライブハウス、ライブバーを実際に観に行きました。お店の人とも話をした結果、東京都台東区のとあるライブバーに決定しました。決め手は料金とお店のきれいさ、置いている機材の良さでした。ラディックのカッコイイドラムスセットがとても気に入った事を覚えています。立地的にも比較的都心に近く、集客面でも問題なさそうです。

▼出演バンド・日程を決める

日程についてはライブハウス側で空いている日と、出演バンドにとって都合の良い日を見てバランスを取る必要があります。この時のライブについては、自分以外の出演バンド4つのうち3つまでが1~3回目の企画ライブに出演してもらった気心の知れたバンドばかりだったので割とスムースに行きました。日々のライブ活動や、ライブを観に行った際のコミュニケーションで色々話せるバンドを作っておくとこういう時に助かるんです。

社会人バンド中心でしたから、土曜日の午後~夜という日程で組みました。ちなみに、ライブを企画・主催する場合はライブ後の打ち上げの事も考えに入れておくべきです。それを踏まえて、ライブ終了時刻があまり遅くならないように考慮して打ち上げではゆっくり飲めるようにスケジュールしました。

▼具体的なライブの骨組みを作る

会場を借り切れる時間、全体でかかる費用、お店側でやってくれるサービスの内容がはっきりしていますので、ここから先はそれを踏まえて具体的な計画を練る必要があります。

借り切り時間を出演バンド数で割って、それに転換(バンド交代、セッティング)時間を考慮して1バンドあたりの持ち時間を決めます。会場借り切りという事は、イベント全体で時間オーバーしてしまう事だけは絶対にアウトですから、少し余裕をもったスケルジュールを組む事が大切です。

また借り切り費用を元に1バンドあたりの負担(チケットノルマ)を設定しました。お金に関する事ですから、できるだけ安くする事も大切ですが、もっと大切なのは金額を前もって明確にするという事です。だいたいいくらくらい…ではなくて、ズバリいくら!と決めてしまうのがいいです。少し高めに設定して、余ったお金を打ち上げで還元するという形がベストです。

その費用を元にチケット代を設定して、各バンドに配布してお客さんに売ってもらいます。チケット代に関しては一応の定価は決めますが、いくらで売るかについては各バンドに任せるようにするのがいいです。当たり前か。

ノルマ以上売ってくれたバンドに関しては、100%バンドにバック(利益として取ってもらう)形にしました。基本的に企画ライブの場合はいつも100%バックでやっています。企画ライブでお金儲けをしてやろうなんていう考えはありませんから。

▼その他ライブハウスとの話し合い

今回の場合はちょっと特殊で、豪華?お食事つきライブという企画でした。ビール、ソフトドリンク飲み放題、バイキングで料理も食べ放題というものです。ライブハウスのマスターが料理自慢で、いつも一手間かけた料理を出しているんだそうです。

料理の内容もこちらの予算に合わせてやってくれるそうなので、メニューなどの相談をしました。チケット代は通常のライブよりも少し高くなってしまいましたが、なかなか面白い試みだったと思います。

▼チラシなどの作成

チラシとチケットの印刷もライブハウスとは関係なく自分たちで行いました。チラシは絵の上手な知り合いに手書きで書いてもらい、私が印刷用ソフトのAdobeのIllustratorを使えますからその絵をデザインの中に配置したデータを作りました。

それを街の印刷屋さんに持ち込んで印刷してもらいました。データ持ち込みなら、コピーに毛が生えたような金額で印刷してもらえますから安く上がります。いわゆるオンデマンド印刷というものです。

同様にチケットも印刷しました。チケットの場合は、チケットサイズに断裁(カット)する事と、切り取りのミシン目をつけるとかなり高くつきます。ですから今回はミシン目はナシ、断裁はカッターナイフを使って自前でやりました。ライブハウスの席数が詰めても70席くらいですから、その丁度の枚数だったら手で切ったところで大した手間ではありません。

▼プチ問題発生

こうして準備は完了し、後は当日を待つばかりだったのですがちょっと面倒な問題が発生しました。

出演バンドの中で、どうしてもギターアンプを持ち込みしたいというバンドが現れたんです。それもヘッド+キャビネットのデカイやつです。会場が狭かったので、できるだけ店にある機材を使ってくれと頼んだのですが、どうしても持ち込みしたい!と言って聞きません。内心は「めんどくせぇ!」と思いましたが、そこは主催者の自覚と責任で店側と連絡を取り合って、どうにか持ち込みの許可を得ました。

▼ライブ当日

当日は演奏するだけじゃなくて、当然お客さんの対応もしなくてはいけないです。当日券で入る人もいますから、つり銭、釣り札も用意しないといけませんし、チケットのモギリもやらないといけません。こういった作業は、気心の知れたバンドが多かったので各バンドにお願いして交代で担当しました。何でもかんでも自分でやろうとすると死にかけるので、頼める事はどんどん頼んじゃうのがいいです。
 
とまあ、こんな具合ですからハッキリ言って大変です。企画ライブを主催した後は例外なく「こんな面倒な事、もう二度とやらない!」と思うんですが、楽しいですからノド元過ぎればなんとやら、またムクムクと企画ライブをやりたい欲求が湧いてきてしまうんですよねぇ。

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