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映画「仮面ライダー1号」の話

仮面ライダーエアポケット世代、つまり子供の頃にリアルタイムで放映されていた作品が少なく、平成仮面ライダーみたいなシリーズの頃にはとっくに大人になってて見てない世代なもんで、あんまり仮面ライダーについて知らない私が「シン・仮面ライダー」を見たら大変面白かったという話は前に書きました。

というわけで他の作品も見てみようと映画「仮面ライダー1号」をアマプラで見ました。映画通でも特撮通でもなく、まして仮面ライダーに詳しくない私のことですから、評論的なたいそうなもんじゃないです。

一応、藤岡弘が何十年ぶりに仮面ライダー1号、本郷猛を演じた映画があるということは知ってました。初代仮面ライダーを見ていた人にとってはきっと胸アツなことでしょうという感じで見始めました。

ネタバレですけど、話としてはこんな感じでした。

若い頃にショッカーをやっつけた本郷猛ですが、今なお世界中に飛んでショッカー残党退治をしていました。日本に帰ってきたらなんだかんだで、昔世話になった立花のおやっさんの孫娘や、後輩である平成仮面ライダーの2人と出会います。

孫娘が持ってる不思議なパワーをめぐって、ショッカー残党と小競り合いしていたら、ショッカーが内部分裂して生まれたノバショッカーという組織も出てきて三つ巴の状態に。色々揉めたけどなんだかんだで1号と平成ライダーたちの活躍で世界の平和は守られましたとさ。

とりあえず見始めてすぐ、大人の鑑賞に耐えられる話じゃないなと感じました。子供向けの話としてはシンプルでわかりやすいんでこんなもんでしょうが、藤岡弘の仮面ライダーを子供は別に喜ばないでしょうから、この映画は誰に向けて撮られたんだろうっていう。

話としては上に書いた通りでそんなに色んなことは起こらないんですが、90分が長い長い。色々描写を細かくして時間を使ってるとかじゃなくて、とにかくいちいち間が長いです。1時間以内くらいに詰めてくれたらもうちょっと見やすかったと思います。

ただ、面白かったところも色々ありました。

本郷猛のその後なんですが、仮面ライダーとして八面六臂の活躍をした後、何十年か経過したら本郷猛は藤岡弘という芸名で俳優をやっていた、みたいな感じに見えて面白いです。

仮面ライダー1号に変身した後も藤岡弘が中の人として演じているわけですが、現在の藤岡弘が入ってますから1号がなんかデカい。ギリギリのバランスでデザインされた仮面ライダースーツ、さぞかし苦労して作ったんだろうなと思います。

内部分裂したショッカーも、本家ショッカーが斜陽な感じで、ノバショッカーの方は「経済による世界征服」を謡うだけあって羽振りがよさそうというのも悲しくて良いです。

ノバショッカーの代表のキャラが、シン・ウルトラマンのメフィラスみたいな感じで、クールで冷静で優秀な感じなのに対して、旧ショッカーの地獄大使の落ちぶれた感じに笑いました。

全盛期の地獄大使
悲しみの地獄大使

一応旧ショッカーとて今でも世界征服を企む極悪組織ではあるんですが、本郷猛の方も若い頃ともに戦った戦友、なんなら同士みたいな雰囲気出しちゃって、そういう描き方は最高でした。

地獄大使の「我々が征服する予定の地球を汚すノバショッカーは許せん」みたいなセリフもGOOD。結局ラスボスも地獄大使と1号&平成仮面ライダーたちの共闘でやっつけますし。

戦闘終了後、傷つき死にかけた地獄大使に対して笑顔で「体を大事にしろよ」と、一応言葉だけでねぎらってサイクロン号で去る本郷猛。お互い若くないんだからみたいな感じで。いや、そこは介抱してあげろって。

盆休みでもない限り時間を使って見るに値する映画とは思えませんが、こんなところを楽しむ映画だと思います。

・若い平成仮面ライダーたちに対して大先輩として深そうで浅い名言もどきを、あの藤岡弘トーンで語る本郷猛。
・デカいけど頑張って作った1号スーツ。
・なんと言っても悲しい地獄大使と本郷猛のいちゃつき。

ただ、ストーリーが弱すぎて大人には厳しく、見どころが子供にとっては少なすぎるということで、ちょっとした変態向けの映画ということで、暇で暇で仕方ない時に余裕を持って見ないと厳しい作品でした。

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