いかにしてギターを弾けるようになったのか~その2
続きです。
500円で買ったクラッシック・ギター(ガット・ギター)でコードジャカジャカ演奏がなんとなくできるようになって楽しくなってきちゃった、というのが前回までのあらすじです。
憧れのエレキギター
ちなみに、憧れのエレキギターは高校生になってから、親にお金を借りてやっと買うことができました。時給560円のバイトでそのお金を返済するのはそれはもう大変でした。あまりに安い時給は時代だからってことでもなくて、当時としてもクソ安かったです。
買ったのはフェルナンデスのフロイド・ローズ的なブリッジがついてるヘビメタ用(?)ギターでした。ビートルズのジョン・レノンに憧れてるのにヘビメタ用?だって、アームでギュインギュインやりたかったんですもの。
バンドやろうぜを読んで知識を得る
いわゆる教則本は読んだことがありませんが、当時中高生のバンドキッズのうち、どっちかってと初心者寄りのキッズたちに人気だった雑誌「バンドやろうぜ」を買っては読んでました。
時々、奏法だのテクニックだのが載ってたように思います。今と違ってネットなんてありませんでしたから、貴重な情報源でした。あの曲のあの音はこうやって出すんだ!みたいな発見、これって本当に楽しいことです。
相変わらず基礎練習みたいなことはほったらかしで、ピックスクラッチとか、ピックアップセレクターをガチャガチャやってピ・ピ・ピ・ピってやるとか、簡単にできる小技のネタを仕入れては遊んでました。
そういう小ネタだけじゃなくて、チョーキングは指で上げ下げするんじゃなくてドアノブをひねるように手首を使って!とか、弦を押さえるときはフレットの近くを押さえるべし!とか、実際に役立つテクニックもけっこう仕入れることができたと思います。
TAB譜を買ってコピー演奏に挑戦
コードジャカジャカだけの演奏だけでは物足りなくなって、いよいよ原曲のギタープレイ通りの演奏にチャレンジです。コピーというやつですな。というわけで奮発して、ビートルズのバンドスコアを買ってきました。
ギターパートのTAB譜というヤツを見れば、とりあえずどう押さえてどう弾けば原曲通りの演奏ができるかが判明するはずです。はたしてその通りだったんですが、コードジャカジャカと比べるとコピー演奏はスンナリ弾ける曲と難しい曲の差が激しいです。曲によってはどうしても思うように弾けないものも。
私が最初にけっつまずいたのは「へルタースケルター」という曲のサビ部分のリフでした。
16分音符で下がっていくフレーズ、どうにも右手のピッキングが追いつかないんです。それなりに速いフレーズですからピッキングを上下交互に行うオルタネイト・ピッキングという奏法が必要だったんです。しかも弦をまたいで移動しながらのオルタネイト・ピッキングです。
こんなの一生できなそうだと思いつつも、なんとか弾いてみようと試み続けたんですが、正直まったく手応えなし。こりゃ無理だと思っていたんですが、これがビックリ、ある日朝起きたら簡単に弾けるようになってました。
繰り返し練習すると、ある日突然弾けるようになる。これってギターにおいてはけっこうあるんです。ちょっとずつ弾けるようになるという場合もありますが、突然ウソみたいに弾けるようになるっていうパターン。
ただ、面白くもない反復練習では続けるのは大変ですから、やっぱり大好きな曲で楽しみながら練習するのが良いんでないかな、そう思いますよ。大好きな曲だったら、練習という意識もなく自然と楽しく反復できると思います。
リード・ギターに挑戦
バッキングとかリフも良いですが、やっぱり憧れるのはリード・ギターです。華麗なギターソロを披露すればモテモテになれるかもしれませんから。
これもバンドスコアだよりですが、初めて弾けるようになったのは「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」という曲の間奏部分のギターソロでした。たまたまですが、いい曲を選んだと思います。
この曲は解放弦を多用する分左手の運指が楽ですし、しかもそんなにフレット上を大きく移動することもなくって、初心者向けだったんですね。
ただ、ビートルズのギターソロ(主にジョージ・ハリスンが弾いていたもの)って実はけっこう独特で、決して初心者向けってこともないと思います。アイ・ソー・ハー以下略がたまたま初心者向けだったわけで、運よく良い練習曲を選べました。
アドリブのギターソロに挑戦
アドリブでギターが弾けたらどんなにモテることでしょうと思ってはいたんですが、さすがに初心者にはハードルが高くてどうやったらマスターできるのか皆目見当がつきませんでした。
アドリブの真似事をしてみても、弾いたことのあるフレーズの断片をかき集めてみるだけ、そのネタも少ないですから、モテモテフレーズはなかなか弾くことができませんでした。
ところが、当時好きだった(今でも好き)ユニコーンの有名な曲「服部」のギターソロをコピーしてみたら、気づいたらペンタトニック・スケール(ブルースっぽいフレーズを鳴らせる魔法のパターン)のさわりくらいですが、わかっちゃいました。アドリブもイケました。
これってそんなに長いギターソロじゃないんですけど、ベタで典型的なペンタトニック・スケールで弾かれてますし、非常に汎用性と完成度の高いフレーズなんです。はっきり言って、初心者に超おすすめの練習曲です。特にユニコーンが好きであれば。
常にギターを持って生活
「服部」以降、たとえばテレビで流れている曲にもアドリブっぽく合わせてフレーズを弾いたりできるようになりましたから、楽しくなって家にいる間はほとんどギターを抱えて過ごしていたように思います。練習しているという意識はまったくなくって、ただ楽しいから弾いていただけです。
さすがに今は常にギターを持って暮らしているなんてことはなくって、数日ギターを弾かないなんてこともありますが、いつでもサっと手に取れる場所にギターはあります。当時の延長線という感じで日々ギターに触って楽しんでいます。習慣みたいなものですね。
ギターが弾けるようになるには、好きな曲を弾く、楽しい、楽しいからもっと弾く、もっと弾けるようになる、もっと楽しい、楽しいからもっと弾く、というサイクルがキモだと思っています。
だから、もしも初心者とかこれからギターを始めようという人に、どうやって練習したらいいのかと聞かれたら、「好きな曲を弾こうとするところから始めるべし」と答えます。