アニアーラ~映画の話
8,000人乗ってる宇宙船が遭難という話なんで、こんなもん面白いに決まってるじゃないですか。
ネタバレしますけど、むしろ知った上で見た方が良さげな映画です。映画通でもないんで、単なる感想文です。
楽しい映画ではないんですけど、別にダメ映画とも思いません。私が勝手に期待していた展開とあまりに違ったんでちょっと戸惑いました。思ってたのと違ったんです。オデッセイとかインターステラーとかゼロ・グラビティ的なエンターテインメント性を期待しちゃったのが間違いの始まり。
さあ遭難しましたよっていうところまでは、その後のワクワクドキドキの展開がありそうな感じがするんですけど、そうはならないタイプの映画だったんです。
8,000人宇宙船ごと宇宙で遭難、これがどうなるかっていうと普通に全員アウトでしたという話で、ストーリー的にはそれだけです。
遭難が判明、食料や酸素は積んでる藻を大事に育てればなんとかなって、生きてはいけるという設定で、そっから何十年も特に何も起こりません。いや、一応色々起こるんですけど、その結果何がどうなるってわけじゃなくて、滅亡へ向かい続けるだけです。
・癒し用AIを積んだレクレーション用の機械がみんなの負の記憶でオーバーフローして壊れる
・船内でカルト宗教が発生して、信者はエロいことばっかりする
・無人ロケットが漂流してるのを見つけて、そっから燃料確保して助かるかもと思ったらダメでした
・真っ暗な窓にスクリーンを作ってきれいな映像を流してみる
つまり、人々がこのまま宇宙船の中でただ生き続けるだけしかないという状況に閉じ込められたら、こんなことが起こるんじゃないかっていうことが坦々と描かれるだけで、ラストは500万年後(だっけ?)、朽ち果てた宇宙船が地球っぽい感じの星の上を惰性で飛んでる(もちろん生存者などいるわけもありません)っていう映像で終わり。
そうと知った上で見れば、人々の反応にもリアリティを感じますし坦々と進む映画を坦々と楽しめるんじゃないかと思います。普通の映画みたいに起承転結やどんでん返し、クライマックスみたいなことを期待しちゃうと、確実に途中で寝ます。
そういう映画だと知った上でなら、見て大損するってことはないし、もしかしたら好きな人は超好きなのかもしれません。おすすめはしませんが、ダメ映画ではありません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?