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ガチ勢の存在が文化を衰退させる
なんかエライ大げさな表題になってしまってちょっとビビってます。
高校生の頃体育の授業でサッカーをやった時の話ですが、全国ドンくさい連合会会員の方には共感していただけると思います。
別にやりたくもないのに授業だから参加しなくてはいけないサッカーですが、ヘタはヘタなりに頑張ってみようとはするわけです。しかしサッカー部員を中心とした体育のサッカーなのにガチ連合会会員の方々からの圧がすごいんです。
「逆サイド!」とか叫ばれても、こちとらその逆サイドの意味がわからないです。いや、グラウンドの反対側という意味だろうとは思いますが、逆側に向かって走っていけなのか、ボールを逆に向かって蹴れなのか、そこまで言ってくれないと。
たまにボールに触るチャンスがあっても、上手に蹴れない上にどこへ蹴っていいのかよくわからんものだから、蹴ったあとに「あ~あ」みたいな顔をされ、ふとしたタイミングで私の近くにボールが飛んできて、こりゃどえらいチャンスだ、ごっつぁんと思って意気揚々とボールを取ったら「ピー!オフサイド!」で何やってんだの顔をされ。
そんな顔するくらいだったら、ちゃんと指示をくれよ。それを遂行できるとは限らないけど。いや、邪魔してゴメンねの気持ちはあるけども、こっちだって好きで参加してるわけじゃないんだからその辺は多目に見てくれないと。
そんなこんなで、体育のサッカー中はできるだけボールが飛んでこないところを探してプレーに関わらないように、隅っこで地面に靴でドラえもんの絵描き歌をやるようになるんです。この時点で私の中でサッカーなんか一生やるもんかということになってしまうわけです。
これは蛇足ですけど、運動部の中でもサッカー部員って我々に対する冷たい対応が多い傾向があったように思います。野球部員は野球やソフトボールをやってても割と優しいんですよ。エラーしても笑ってくれるし。バスケ部員は我々みたいなのにもパスを出してくれたりするんですよ。何なんですかサッカー部員は!(善良なサッカー部員の方ごめんなさい)
それはさておいて、ガチ勢の態度がそのスポーツや文化を衰退させるっていうところがあると思うんです。
立場を入れ替えて、私が比較的上級者に近い方のことがらで考えてみます。私は長いこと趣味としてバンド活動やっており、演奏技術はないけれどベテランなんです。ライブも過去に数え切れないほどやっています。バンドにおいては私の方がガチ勢側です。
だからこそ、初めてライブを経験する初心者バンドの人には親切にしないといけないなと思うわけです。優しくするとなるとなかなか難しいことですが、少なくとも馬鹿にしたり邪魔に思ったりしたらもう、あの時のサッカー部員と同じになっちゃう。
バンドを組んだばっかりで不安の中初ライブという日に、ガチ勢に冷たくされたり馬鹿にされたらもう、ライブなんてコリゴリだとうことになってもおかしくないです。こちら側からしても、せっかく仲間が増えるチャンスなのにそれを逃すことになりますし、バンド活動という文化全体で見ても人口が減ってしまうことになるわけです。
また蛇足を書きますが、そういう態度の上級者バンドの連中ほど、演奏は上手だろうと聴いてもクソ面白くない音楽をやっています。
体育のサッカーとか、素人バンドのライブとか、言ってみればそれ「ごとき」のことで初心者をないがしろにしたりニワカ扱いで邪険に扱うような自称クロウト、これはそのスポーツや文化においてマイナスになる存在です。
俺の方が詳しい、俺の方がウマい、とでも言いたいのかもしれませんが、趣味を嗜むにあたって、詳しいとかウマいとかよりも、どれだけ素直に楽しめているかの方が大事だということ、それは誰でも最初は持っていた気持ちのはずです。ガチ度が高まるとなぜかその気持ちを忘れてしまい、結果的にそのスポーツや文化に害をなしてしまうという残念なことが起こりうるという話です。
自分の好きな趣味について、知識や技術や熱心度合いに差があろうとも、ガチだろうとニワカだろうと、仲間同士楽しくやろうやということです。よく考えたら当たり前のことなんですけど、自分がガチ側に近づいたときには気をつけた方がいいですね。