ギターの音作りのミもフタもない話
ギターの音作りって深くハマると底なし沼で、ギターを弾く人なら誰でも凝った時期があると思います。
こないだのライブでも、ものすごいエフェクターボードを足元に置いてる人がいて、この人も沼にハマっておるなあと思いました。
もっと好みの音にしたいと思って新しいエフェクターを足したり、足してたら今度はノイズの対策をせねばならんみたいな感じで無限地獄に陥るわけです。
アンプまで自分のやつを持ち込んでライブとなるともう究極ですが、多くの場合はスタジオやライブ会場に備え付けのものを使いますから、どんな機種のアンプだろうと自分好みの音が出せるようにその準備をと考えるとまたこれも沼。
とりあえず満足いく音になったと思っても、もっともっとって感じで本当に終わりがないものです。
確かに、凝れば凝るほど、手間を費用をかければかけるほど、好きな音に近づいていったり、また新しい音を作れたりして、そこに楽しさを感じて沼にハマっていくものです。
そんなこんなで素晴らしい音ができたと満足して、満を持してステージに上がるわけですが、ここでミもフタもない話。別に誰も聞いちゃいねえっていう(笑)。
観客はほとんどギターの細かい音色なんて聞いちゃいません。聞いてる人は、他の出演バンドのギターの人で沼にハマり中の人くらいじゃないでしょうか。
ちょっと憎まれ口を叩いちゃうと、ものすごいボード組んでる人はよく見かけますが、いい音出すなあって人の割合は、直結とかエフェクタ1個だけみたいな人とたいして変わんない気がするんですけど。
それから、個人的にはエフェクターに凝って色んな音作りすることも良いですが、ギター本体のツマミを回しての音作りを模索した方が費用もかからず良い音が見つかるような気すらしてきています。
とは言え、音作り沼にハマることが無駄って言ってるわけじゃないです。それ自体を楽しむこともギターの楽しみのひとつですから。
でも実際のところは、多くの場合自分が満足するためのものであって、必ずしも観客のためとはならないということです。
私の場合は幸運にも沼から早い段階で抜け出すことができて、ここ15年ほどは、ほぼアンプ直結です。その場にあったアンプでなんとかなるという考えに至りました。
マーシャルのJCM900か2000があれば言う事なしですが、よく演奏するようなライブバーだとちっちゃいアンプが多いので、別にどんなアンプでも良いです。
強いて言えば歪ませて弾くことが多いので、JC(ジャズコーラス)はちょっとイヤくらいの感じです。
エフェクタを使うこともありますが、使う理由はアンプのところまで歩いていかなくても音の切り替えができるからっていうのがひとつ。もうひとつはワウ好きなので、ワウペダルはよくつなぎます。
やってる音楽ジャンル的に直結では厳しいという人も多いでしょうから、エフェクタに凝るというのは必然的なことだと思います。私と同じく切り替えを足元でできるラクさという部分もありましょうし。
でも、ある一定ラインを超えちゃうとそれはもう自分が楽しむためで、観客のためではなくなるっていうのは認めようが認めまいが事実だと思います。
よっぽど耳の肥えたものすごい観客ばっかりの会場でライブするってのなら話は別かもですが。
この話って、もしかしたらイラっとするギタリスト諸兄もおられるかもしれませんが、エフェクターとかに凝ることを批判・否定するものじゃないことはわかってくれますよね。