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修理の素人がプロのフリして・・・の巻

普通の会社にお勤めの方はおわかりにならないでしょうが、昨日今日はエグい激務でした。

日曜日は横持ち往復含めてのべ8箇所回るトラック運転手としての仕事、3時間寝て今日は穏やかな一日と思いきや夕方になって急遽出張修理が舞い込んで、日付が変わってようやく終了となりました。こう書くと運転や修理の技術を持っている風ですが、どっちもド素人というのが恐ろしい、これがブラック会社というものです。

今回はド素人による修理はいかにして行われているのかという話をしようと思います。

今日は取引先に出向いて精密機械の修理をやってきました。色んなケースを想定してカバン一杯に工具を詰めて持参したのですが、実際にはプラスドライバー1本で作業完了でした。結果的に想定の中で最も簡単なパターンの作業で済みました。

ド素人なんでもちろん中身の修理なんてド素人でできません。やることは大抵パーツ交換ですから、一見プロっぽい作業ですが実は誰でもできる作業なんです。

問題はほとんどの場合初めてバラす機械が相手ということです。カシメで封印されていない限り、どんな機械でも分解することは可能なんです。しかしビスで固定されているだけだったら楽なんですが、ツメをカマせてある場合はけっこうたいへんです。蓋を開けようとして力の入れ具合を誤るとジ・エンドの可能性がありますから。

どっちにしてもここかなと思えるビスを外し、ツメを外し、それでもフタが開かない場合はどの辺が効いていて開かないのかアタリをつけてその周辺にビスやツメがないかどうかを調べる、又はハーネスがつっぱって開かない場合はコネクターを抜いてみる、といった作業を壊さないように丁寧に繰り返すのみです。

このとき、後で組み立てることを考えて写真を撮っておくとか手順をメモするなどして、その逆をやれば元に戻せるよう準備しておくことも大事です。

機械をというものは大抵、ビス、ツメ、ハーネス、この3つで開かないようにしてあるもんなんです。また、メーカーによって固定の仕方にクセがありますし、開けて修理することに配慮されているなと感じるものもあります。

うまいこと開いたら、症状から原因っぽいところを推測して目視でわかる問題がないか調べます。基盤の一部が焼けてるとか、断線してるとか、コネクタが抜けてるとか。目に見える問題がない場合は当てずっぽうでパーツを交換、組み立てて通電してみて直ってればオーケー、ダメなら他を試してみるという繰り返しです。これで9割方大丈夫なんですからホント、誰でもできるんですよ。

しかし、ド素人なのにプロっぽく見せるといエンターテインメント精神は持っています。出張修理は客先での作業になりますから、誰でもできる感を出さずに熟練の技をもったプロの雰囲気を出しつつ作業を行うのがポイントです。謎に余ったビスがあったりしたら、こっそりポケットにしまうなどの早業も必要です。

誰でもできる作業をプロっぽく行うことによって、依頼した客は喜び、ウチの会社は儲かり、本当はないはずのウインウインの関係が生まれるという素晴らしさ。問題は私に入る手当てがクソ安いということ。

今日で言えば移動に往復3時間、修理作業は本当は5分で終わったけど一応雰囲気作りのために30分くらい粘って(マジです)、合計3.5時間で手当て3千円ですよ。ウインウインの中で私だけ負けてる感ハンパなし。(ちなみに作業開始時間が23時以降という指定があり、待ち時間も入れると4時間以上です)

こんなご時世、仕事があるだけ良いという考え方もありますが、正直なところしんど過ぎてどうでもよくなってきてます。辞めたらその次の日から向こう1ヶ月くらい、この世で最高のすがすがしい時間を過ごせることを思うと、迷っちゃいますねえ。そのすがすがしさを味わうために働くと言っても過言ではありません。

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