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Abbey Road - The Beatles にまつわる話

ビートルズのアルバムについて、それにまつわる話を書いていくっていうテキストのシリーズです。


Abbey Road にまつわる話

ロック史上に残る名盤と言われてますが、いったい何枚ロック史上に残る名盤を出してるんだ、ビートルズって。

発売タイミング的には最後のアルバムとなるLet It Beより前ですが、製作されたのはこのアルバムがラスト、こっちが正真正銘の最後の1枚っていうのは周知のところです。

Let It Beのセッション(ゲット・バック・セッション)がうまいこといかなくてもう解散まったなしという状態ですが、そんな中でいったいどうやってこんなクオリティのアルバムを作れたんだろうっていうのはビートルズの謎のひとつです。

有名な横断歩道のジャケット写真ですけど、何カットも撮って良いのを選んだのか、それとも適当に撮ったのかは知りませんが、4人の足の開き具合とかポーズがビシっと決まり過ぎにも程があります。

動き感もあるのでちゃんと歩いている状態を撮ったもので、静止して撮ったとは思えないんですが、このビシっと具合。

この横断歩道、Googleが存在する現在では簡単にパソコンとかスマホで景色を見ることができます。この当時とあんまり変わってないのは多分文化的な価値があるので景観を変えないようにしてるっぽいです。

ちなみに「Abbey road studios」で検索するとストリートビューで見れます。

最後にシャレで入れたようなHer Majestyも入れると17曲っていうボリュームも嬉しいアルバムです。

個別の曲にまつわる話

Come Together

チャック・ベリー大先生がYou Can't Catch Meの盗作だって怒ってきたので後々ジョン・レノンがソロアルバムにその曲を入れることで和解みたいな話は割と知られてると思います。

確かに似てないことはないけど、大先生がなんでそんなことを?って思ってましたが、「Hail! Hail! Rock 'N' Roll」のDVD見たらなんだか納得。そういう人だったみたいです。残念な感じ。

ちなみにレノンのカバーしたYou Can't Catch Meはアレンジとか歌い方をCome Togetherに寄せてるっていう。皮肉屋だなあ。

Something

ジョージ・ハリスンの曲で一番好きなのはOld Brown ShoeかSavoy Truffleですが、客観的に見ると最高傑作はやっぱりこの曲ってことになると思います。

レイ・チャールズ御大もカバーしている名曲なんですが、後で知ったのはジョージはレイ・チャールズが歌うみたいな曲をってことで作ったらしいです。ちなみにレイ・チャールズのカバーバージョンはダルくて、ビートルズのオリジナルの方が100倍良いです。

ジョージの曲で演奏張り切るポール・マッカートニーというのはビートルズあるあるですが、この曲のベースもすごいです。歌いに歌いまくっているフレーズですが、邪魔になってないし素晴らしい演奏です。

Maxwell's Silver Hammer

マッカートニーらしいポップで牧歌的な楽しい曲調なのに気狂い殺人鬼の歌っていう恐ろしい曲です。小説ソングですが、日本で言うと江戸川乱歩みたいな猟奇的な世界観です。

誰が作ったのか知らないけど面白いアニメ動画を見つけました。

Oh! Darling

この渾身のロッカ・バラードを歌いこなすためにマッカートニーが声のコンディションを整えて録音に臨んだみたいな話を聞いたことがありますが、コンディション整えずに歌ったバージョンはAnthologyのCDで聴けます。

この曲に限らず、後期ビートルズの曲はAnthologyに入ってるデモみたいなバージョンと併せて聴くと面白いものが多くなっています。

Octopus's Garden

リンゴ・スターがジョージと一緒にピアノ弾いてこの曲を作ってる様子(?)の映像が印象的です。最後の最後にいい曲を出したものです。

演奏的には極めて普通ですが、アルペジオで弾くバッキングにしてもリード・ギターにしてもギターの音が良いです。

I Want You (She'S So Heavy)

歌と同じようなメロディのオブリを弾いてるのは確認してませんけど多分ジョン・レノンです。ジョージのプレイとは味が違います。上手いとかなんとかじゃなくて、このノリがレノンのギターです。世界一過小評価されているギタリストです。

7人編成の大所帯のバンドでカバー演奏したことがあります。かなり緊張を強いられる演奏になるんですが、難しくて大変なばっかりで演奏していてそんなに面白くはなかったです。

他のメンバーは気に入ってたみたいで何度かライブで演奏しましたけど、私はいつもイヤだなあと思ってました。

Here Comes The Sun

アコースティック・ギターを持ってる人は弾いてみると良いです。そんなに難しいことはないのに気持ち良くなれるので。

7フレットにカポタストをつけて、D、A7、Gのローコードのフォームで小指とか開放弦でメロディを足す感じの弾き方で簡単に弾けます。

You Never Give Me Your Money

ビートルズを知る前からこの曲は聴いたことがありました。車のテレビCMで流れてた記憶があります。

この曲をはじめメドレーみたいな構成の曲は、ホワイト・アルバムのテキストでも書きましたがレノンのWarm Gunを聴いてやられた!と思ったマッカートニーが以降よく作るようになった説。

Sun King

ビートルズのコーラスのナイスさは、多分メンバーの声質の相性が抜群なんだと思います。ビートルズと音痴な私を同じラインで語るのはおこがましいにもほどがありますが、私も今まで色んな人とバンドでコーラスをやりました。

そんな中でこの人とはいい具合にハーモニーになるっていう人もいれば、どんなに音程に気をつけてもどうもパっとしないっていう人もいると感じました。ハーモニーにおける声の相性ってあると思います。

2曲目のBecauseとこのSun Kingはハーモニー綺麗つながりで対になってて、初期のThis BoyとYes It Isとの対の感じと同じに感じます。

Mean Mr. Mustard

パンっていう人名は当初シャーリーだったそうですが、シャーリーバージョンはAnthologyで聴けます。

そのバージョンと完成バージョンを聴き比べると、レノンの曲の作り方が見えてきます。発想ひとつで作ってしまって、バンドで演奏しながらアレンジを詰めていくって感じ。

それに対してマッカートニーは発想の時点でアレンジまで大体できてるんじゃないかと推測しています。

The End

曲名もThe Endですが、録音で4人が集まったのもこの曲が最後の最後だったって話です。

リンゴのドラム・ソロから他の3人のギターバトルっていう、今までのビートルズではおよそ考えられないことをやっています。

最初で最後のリンゴのドラム・ソロはなかなかカッコいいのですが、彼はドラムというパートの役割にそういうところは求めておらず、ドラム・ソロが大嫌いだったそうですよ。

レノン、マッカートニー、ジョージのギター・ソロはそれぞれの個性が出たプレイで面白いと思います。順番はマッカートニー、ジョージ、レノンの順で3周しています。

マッカートニーは王道ハード・ロック・ギターっていう感じ。ジョージはブルース系、スロウハンドって感じ。レノンはこれまでのビートルズの曲でも見られる和音でギャンギャンやるワイルド・ギター。

ギターバトルが終わったらピアノの刻みからエンディングに入ります。美しいコーラスといい渋いギターのフレーズといい、完璧な締めくくりになってます。

・・・と思ったら隠しトラック的にHer Majestyっていうオマケがついて、ビートルズはこれでおしまい!となりました。

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