VOX Stomplab IIG (SL2G)安くて必要十分なマルチエフェクターの使い方
古いマルチエフェクターで、いつ発売だか知りませんけど多分(2024年現在)10年とかそれ以上前の製品かな?私もいつ買ったのか忘れました。
Amazon調べたら今日現在9900円で売られてましたけど、探せば6000円程度で買えると思います。
こんな古くて安いエフェクターについてテキストを書こうと思ったのは、この安さにしちゃあかなり使えると思うんです。それでいて使い方がわかりにくい!
持ってるけど使い方がわかんなくて放置してる人とか、初心者の人とかで安くて便利なマルチが欲しいなんて人のために一肌脱いだというわけです。
▼SL2Gでできること
プリセットのエフェクトが100個以上、最初から入ってるのでとりあえずすぐに色んな音を楽しめます。
ただ、その100個のうちの多くが鬼ノイズだったりピヨピヨUFOみたいな音だったり、ふざけたものが多いんで、プリセットオンリーで使う気にはならんです。
それでも私が使ってる理由は、色んなエフェクトを組み合わせて自由な音作りができて、作ったセッティングは10個まで本体に保存できて便利っていうところ。これが良いです。ナイスです。
ただ、そのやり方がわかりにくくてややこしい、そしてオリジナルエフェクトのセッティングをするにあたって決して操作性が良くないというのが欠点ですが、その分安いってことです。
▼SL2Gの使い方
とりあえず本体の画像と、よく使うスイッチの位置と名称。ちなみに大きさはこんな感じ、重さ900グラムです。
プリセットエフェクトを使いたい場合は、カテゴリーセレクターで音色タイプを選んで(ジャズ、ロックンロール、メタルとか名前がつけられてます)、それぞれのカテゴリーに10個ずつくらいプリセットエフェクトが入ってるので、アップダウンペダルで使いたい音を選ぶだけ。
ただし、先に書いた通りこれだけだったら使い道のない機械と言わざるを得ません。
このエフェクターの価値は、エフェクトのエディット機能とその保存ができて、それなりにいい音が出る、それでいて安いというところにあります。
▼SL2Gのエディットモードの仕様
ここからが本テキストの本題です。まず、本機種の基本仕様に関わる部分なんですが、マルチエフェクターなのでいろんな機材をいっぱい繋いだ状態をシミュレートできるってこと。ただし、繋ぎ順の設定はできません。
順番はこれで固定
PEDAL(ワウにしたりボリュームにしたりエフェクト具合の調整にしたり)
↓
AMP/DRIVE(アンプモデリング?とか歪み、イコライザ、音量など)
↓
CABINET
↓
NOISE REDUCTION
↓
MODULATION(揺れ系とかのエフェクト)
↓
DELAY
↓
REVERB(リバーブとかエコー)
使いたくない機能とか、よくわかんないものはオフにできます。たとえば音量の操作(ブースト)に使いたいなんて場合は、AMP/DRIVEで音量だけ設定したクリアトーンを2通りの音量で用意して保存、歪みはアンプでかけて、演奏中に切り替えてブースターとして使うみたいな。
▼SL2Gのエディットモードの具体的操作方法
さて、具体的な操作方法ですが、音作りをするにはエディットボタンを押してエディットモードに入ります。
そして、カテゴリーセレクターでエフェクトカテゴリーを選んで、VALUE1、VALUE2のノブを回して数値やエフェクトタイプなどを設定、それをそれぞれのカテゴリーについて行うという作業になります。
プリセット音色を選ぶカテゴリーセレクターと同じノブを操作しますが、プリセットカテゴリー名の下にカッコつきで書いてあるのがエディットカテゴリーです。
エディットモードで「PDL」にノブを合わせると、今はペダルについて設定してますよってことです。
ペダルについての具体的な設定方法は、これが説明書を見るしかないんです。なんせSL2Gのモニターは7セグ2桁デジタルしかありませんから。ここが使いづらい最大の原因です。
ちなみに説明書はこっからダウンロードできます。
https://voxamps.com/wp-content/uploads/2019/12/SL_IIG_OM_EFGSJ1.pdf
付属の紙の説明書はハガキサイズの冊子で、正直老眼の私には厳しいです。必要なページを拡大コピーして使ってます。
例として、ペダルカテゴリーについてのところを見てみます
エディットモードで、カテゴリー選択を「PDL」にした状態で、上下キーを押すとエフェクトタイプを選択できます。ペダルを使いたくない場合は上下キー同時押しでオフにもできます。(モニターにOFと表示される)
この図の通り、ペダルにはコンプ、ワウ、オクターブなど、8種類の機能の中からひとつ選んで設定することができます。
上下キーで機能を選んで、VALUEノブの1と2で内容を設定する、これがエディットモードの使い方の基本となります。
例えばコンプだったらVALUE1で感度を、VALUE2でかかり具合を設定、ということを説明書で確認しつつ設定するんです。
その設定の内容が、液晶モニターのないこの機械では説明書を見ないとわからないんです。これが最大の欠点。ただし、そこを割り切って低価格にしてあるっていう機械なんです。我慢しましょう。
この要領で、各カテゴリーについて説明書とにらめっこしながら設定を繰り返します。とんでもなく面倒な作業な感じがしますが、慣れてくると案外大丈夫。
よく使う項目に関してはやってるうちに自然と覚えますし、細かいことは忘れても、設定中にギターを鳴らせば音は確認できるんで、面倒なことは確かですが、そこまで恐れることはありません。
▼SL2Gのオリジナルエフェクト保存方法と使用方法
それぞれの項目について設定、あるいはいらないエフェクトについてはオフにするなどして、とりあえず気に入った音ができたとしましょう。最後にそれを保存したら完了です。
保存のやり方はこうです↓
・カテゴリーノブを右一杯(WRITE)に合わせる
・保存したい場所をアップダウンペダルで踏んで選ぶ
(7セグに表示されるu0~u9の10箇所のうち好きなところ)
・上下ボタン長押し、7セグにCPと表示されたら保存完了
保存したオリジナルエフェクトは、電源を切っても消えないので次回から好きな時に呼び出して使うことができます。
使い方は、通常モード(非エディットモード)でカテゴリーセレクターを右一杯(USER)に合わせます。(エディットモード時のWRITEと同じ位置です。)
その状態でアップダウンペダルの左右を踏むと、u0~u9を切り替えることができるので、使いたいエフェクトを保存してあるところに合わせて、後は演奏するだけ。
私がよくやる使い方は、こんな具合。
u0にワウペダルを使った激しいソロ用の音色
u1にバッキング用の音色
u2にバッキング用の音色の音量を上げたもの
バッキング時はu1を使って、ソロの時にu0かu2に切り替えるって具合です。数字が隣り合ってれば、セレクターペダルひと踏みで切り替えられるのでやりやすいです。
ライブとかで足元が暗くても一発踏むだけなんでとても使い勝手が良いです。
◆
というわけで、安いけどモニターがしょぼすぎて決して使いやすくはない、でも演奏中の操作性は抜群だし、そこそこいい音が出るというなかなか悪くないマルチエフェクターの話でしたが、もう少し補足。
電源は普通の9ボルト電源でもOKですが、単3電池4本でもイケるというのが嬉しいところ。電池駆動って、屋外とかステージがやたら広い場合なんかに助かるんです。
右側についてるちっちゃいペダルですが、案外ライブでも使える程度の踏み心地ではあります。強度の問題もありません。
強度と言えば、筐体全体もプラスチックですが案外しっかりしていて、足で操作していて不安な感じはないです。いたって普通。
ついでに、チューナー機能もついてます。あんまり使ったことないけど。
ガッツリとボードを組んでるような人にとっては無視されるような存在の機械ではありますけど、私のように荷物を少なくしたいとか、そもそもエフェクター沼にハマるのしんどいっていう人にはおすすめの機械ですよ。
とりあえずこれ1個あればだいたい大丈夫。エディットの使い方を覚えるのが大変なことが難点ですが、慣れれば値段の安さからするとじゅうぶん満足な機械です。
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