Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band - The Beatles にまつわる話
ビートルズのアルバムにまつわる話というテーマのテキストのシリーズです。
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band にまつわる話
歴史的名盤と言われるSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band(以下Sgt. Pepper's)は、ロック名盤という話題になると真っ先に名前があがるくらい有名なアルバムで、わざわざ私ごときがそのことを殊更に述べるまでもありません。
1967年は私が生まれる6年前ですから、当然当時の空気感などわかりませんが、ロック的にはこんなアルバムが出た年だったんですってよ。
The Velvet Underground / Velvet Underground & Nico
The Jimi Hendrix Experience / Are You Experienced
Pink Floyd / Piper At The Gates Of Dawn
Jefferson Airplane / Surrealistic Pillow
Cream / Disraeli Gears
The Doors / The Doors
David Bowie / David Bowie
書いてて震えますねえ。当時の音楽好きな人はそりゃあハマるだろうなと思います。ひと回りくらい年上の人と音楽の話をすると、熱量に差を感じます。それもわかるなあ、このラインナップを見ると。これらに直撃食ったら人生変わりますよ。
私の世代でも直撃を食ったすごいアルバムとかアーティストがいないわけじゃないですけど、その数がたかが知れてるんですよね。
話をSgt.Pepper'sに戻すと、初めて聴いたのは他のビートルズのアルバムと同様に中学生の頃でした。ずいぶん長いことカセットで聴いてて、CDを買ったのはけっこう後になってからです。
今でもそのCDを持ってますけど、ビートルズデビュー30周年みたいなことが書いてあるので大学生の頃に買ったのかな。
スペシャル感のあるアルバムですからCDもスペッシャル版で、紙箱つき、豪華ブックレットつきという代物です。東芝EMIって、今となっては懐かしい。
すげえアルバムだという事はアホな私でもさすがにわかりますが、一番好きなアルバムって感じでもないです。
With The Beatles , Rubber Soul , Revolver , The Beatles(ホワイト・アルバム)、この辺はその日の気分によって一番好きなアルバムとして入れ替わり立ち替わりしますが、Sgt.Pepper'sはこの中には入ってこないです。いや、相当に贅沢なレベルの話ですよ。
個別の曲にまつわる話
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
ポール・マッカートニーはギターの腕前も相当なもので、この曲のリードギターみたいなハードなプレイもお手の物ですね。ジョン・レノン、ジョージ・ハリスンとは違って、普通のロックギター的です。かと思えば変態的なフレーズで暴れるギターも得意です。
有名な話ですが、今ではしろうとバンドでもやってるドラムの録音方法ってこのアルバムが先駆けになってるんだそうですよ。バスドラムの中に毛布とか入れて、マイクの頭を穴に突っ込んで録るっていうアレ。逆にそれまではエアっぽく録ってたのかっていうのが正直な感想です。
With A Little Help From My Friends
Sgt.Pepper'sがマッカートニー主導で作られたアルバムっていうのは、解散後にレノンとバチバチだった時にレノンが出したHow Do You Sleep?の冒頭の歌詞からもわかりすけど、本当にマッカートニーは張り切ってます。
リンゴ・スターがいい感じで歌う曲ですけど、ベースが良すぎます。音質も今までのバイオリン・ベースらしいもこもこ音じゃなくてシャープでクリアな音で実に気持ちが良いです。
Lucy In The Sky With Diamonds
ドラッグの影響ばかり言われますが、本人たちは否定してるそうです。ウソつけ!
イントロのハープシコードみたいな音、これってオルガンを使って出してるんだって。どうやって?
ハープシコード自体本物は見たことないですけど、鍵盤型のシンセサイザーとか、カシオトーンみたいなキーボードとか、レトロパソコンのFM音源のプリセット音とか、いろんなところにハープシコードって名前の音色が入ってます。私なんかはそのシンセで作られたああいう音をハープシコードって認識してるくらい。
だから何だって話かもしれませんが、まつわる話ってのはそういうことです。
楽器と言えばギューンって鳴ってるインド楽器、これはタンブーラとか言うやつらしいんですが、数あるビートルズのインド楽器使用曲の中でこの曲が一番上手いことハマってると思います。
Getting Better
Sgt.Pepper'sの中では比較的シンプルなロック・バンド編成で演奏されてる曲で、しろうとトリオバンドでカバーしたことがあります。
後期のビートルズの曲ってトリオでは難しいものが多いんですが、歌を音程重視で丁寧に頑張れば案外なんとかなるもんです。そういった意味ではこの曲なんかは下手な初期の曲よりも演奏しやすかったまであります。
When I'm Sixty-Four
森高千里とネタがかぶってるでお馴染みの曲ですが、もう1組ビートルズと日本人歌手のネタかぶり曲があります。「Eight Days A Week」と五月みどりの「一週間に十日来い」
64歳当時のマッカートニーは64歳なりに歳を重ねてましたが、歳とっても老けない、美人だという代表的存在が昭和では五月みどり、平成以降では森高千里です。
ビートルズとネタかぶりする歌手は若々しい説を提唱します。由美かおるもビートルズとネタかぶってる歌とか出してないのかな。
Good Morning Good Morning
ブラスやSEが派手に入ってる曲ですけど、トリオバンドでカバー演奏したことがあります。何度も聴いた曲なんで特に普通に演奏していたんですが、ドラムを叩いてたヤツが言ってたのは変拍子にも程があるってことです。
なるほど、よく聴いてみるとめちゃくちゃですね。めちゃくちゃなのに案外普通に聴けちゃうのが不思議なところです。レノンって何拍子みたいなことは発想からして無いんだと思います。不要な拍は切るし、必要と思えば足すみたいな。
レノンと同じところから語るのもおこがましいですが、私も曲作るときは長いなと思ったら小節の途中だろうがぶった切る方が良くなると感じてます。
話を戻して、カバー演奏となるとネックになるのがマッカートニーの変態リードギターです。調べたわけじゃないけど、この曲のギターソロもマッカートニーですよね、きっと。あれは弾けないです。音符通りコピーしてもあの変態さは出せません。
A Day In The Life
ビートルズも後期になると各人が個別に曲を作るようになってると思うんですが、この曲はこの時期にしちゃあめずらしいレノン=マッカートニー共作って感じでそれがちょっと嬉しくもあります。
何かで読みましたけど、あのオーケストラの大迫力のグワーンはオーケストラの演奏を4回多重録音して作ったんですってよ。
そのオーケストラだったり、目覚まし時計のSEだったりが気になりがちですが、そんなことよりベースとドラムの素晴らしいことよ。特にドラムの、いかにもリンゴの天才が爆発してるプレイはずっと聴いてられます。
これぞバンドの中で曲を活かし、自らのプレイをも活かすというドラムです。
私はドラムの演奏はロクにできませんが、しろうとバンド活動をするにあたって、特に自分の作った曲の場合はドラムの人にちょっと過剰に要求をしてしまいがちです。それはリンゴのドラムに馴染んでるから、もっと曲に入って叩いてくれって思っちゃうんです。
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