The Beatles(ホワイト・アルバム)- The Beatles にまつわる話
ビートルズのアルバムについて、それにまつわる話を書くというテキストのシリーズです。
The Beatles(ホワイト・アルバム)にまつわる話
真っ白なジャケットの通称ホワイト・アルバムですが、私が初めてこのジャケットを見たのは中学生の頃、友達のお父さんがビートルズのLPを全部持っていて、カセットにダビングしてもらっていた時分のことです。
ホワイト・アルバムはアナログ盤もCD盤も何通りかバージョンがあるんですが、その時初めて見たのはTHE BEATLESの文字が斜めじゃなくて水平で、印刷じゃなくて文字部分が立体的に盛り上がっている加工がされているものでした。
最初に見たのがそれなので、本来のホワイト・アルバムのジャケットは字が盛り上がってるヤツだと思ってたんですが実際はどうなんでしょ。
他のバージョンのLPジャケットはTHE BEATLESの文字が普通にグレーで印刷されているもの、文字が斜めになってるもの、みたいなものを見たことがあります。
CD盤は80年代後半にビートルズのアルバムが一気にCD化された時に出たのがプラスチックケースに入ったやつで、記憶が定かなら文字水平、グレー印刷のものだったと思います。
今私が手元に持ってるCDは中古で買った日本版紙ジャケバージョンで、これは斜め文字・浮き上がりバージョンです。昔見たLPの文字浮き上がりバージョンは、これよりもうちょっと太いゴシック体だった気がします。
ホワイト・アルバムにはオマケで4人のポートレート写真みたいなものが封入されてるんですが、中古で買ったCDには写真が入ってませんでした。
そのポートレートの存在を知ってた私は、それ欲しさにUS版のLPを中古で買いました。こうして無事にポートレートをゲットすることに成功しました。
いや、ちょっと待てよ。このポートレートは紙ジャケCDに入ってたやつの気もします。どっちだっけ?ちょっと忘れました。
最初の日本版CD、紙ジャケCD、US版LPと、なんだかんだで私はホワイト・アルバムを3度買ったことになります。
いい加減音楽の話をしろと言われそうですが、これが「まつわる話」ってものです。
さてアルバムの中身についての話ですが、ご存知の通り豪華2枚組30曲入りのボリュームです。
アルバムとしてのまとまりのなさはよく言われることです。
ビートルズの現場に小野洋子さんが現れるようになったとか、ゴタゴタとかバチバチが発生していた時期でもあるようで、アルバムがまとまってないというよりバンドがまとまってなくって、解散に向かって進んでしまっているっていう状況で録音されたようです。
しかし普通にいい曲が多いのでビートルズ・アルバム人気投票をしたら必ず上位に入るアルバムでもあります。リリース時期はMagical Mystery Tourの次らしいですが、録音時期はYellow Submarineの録音や映画製作のちょっと後なんですってよ。
個別の曲にまつわる話
Dear Prudence
イントロからずっと聞ける美しいギターのアルペジオは音の深さとか低音部の音色から、アコースティックギターとエレキギターが同時に鳴ってるように聞こえます。
これってもしかしたら、J-160Eにマイクを立てて、同時にアンプにも通してその2つの音をミックスしてるのかも。
このアルペジオ、学生の時に練習したけどどうしても弾けなくて諦めたんですが、どうやらオープンDのチューニングらしいという話を聞いて、試してみたら超簡単でした。その辺の話は昔テキストにしてあります。タブ譜(手書きで汚いけど)っぽいものも載せてあります。
Glass Onion
オリジナルも良い曲ですけど、出た時はびっくりしたリミックス・アルバムの「Love」に入ってる短いバージョンも面白くて良いです。
ちなみに、バッドフィンガーってグラスオニオンっていうバンド名になる予定だったとか。これはけっこう有名な話か。
Ob-La-Di, Ob-La-Da
しろうとバンドでカバー演奏したことがあります。楽しい曲ではありますが、バンドで演奏しようとはなかなか思わない曲です。というのも、ピアノとかラッパ系があった方が良さそうなので、メンバー集め的に大変だから。
友達の結婚式の二次会で演奏したんですが、その時の新婦がサックス奏者で、その友達がピアノが上手いっていうことで、せっかくなのでピアノやサックスを使う曲を何曲か演奏したんです。
The Continuing Story Of Bungalow Bill
昔なにかで読んだ話によると、イントロの速弾きスパニッシュ・ギターはメロトロンのテープに入ってた音源を使ったものらしいですよ。
高校生の時に買ったバンド・スコアにはこのスパニッシュ・ギターのフレーズもちゃんとTAB譜にしてくれて掲載してありました。
弾けるかどうかチャレンジしてみましたが、速すぎて無理でした。でも、スパニッシュスケールみたいなものを少し覚えることができました。
While My Guitar Gently Weeps
超有名曲で、ジョージ・ハリスンの曲の中でもかなり人気のある曲ですが、個人的には別に好きでもなんでもないです。
リード・ギターでエリック・クラプトンが参加しているってことも有名な話で、彼のギターがおおいに泣いとります。
60年代当時ですからまだクリームとかやってた頃だと思うんですが、クリームでのギター・プレイとは全然違った感じがします。だいぶビートルズに寄せて弾いてるのかな?って感じます。音色もビートルズっぽいです。
Happiness Is A Warm Gun
メンバー同士のまとまりもクソもない時期だった割には各パートの音色も演奏も素晴らしくて、ビートルズのバンドとしての底力を感じる大作だと思います。
ラスト近くの掛け合いコーラス(ここはジョン・レノンがダビングでやってるようです)の盛り上がりがけっこうすげえことになってます。完璧っていうのはこういうのを言うんです。
この3部構成の超大作、あくまで私の推測ですがレノンの作ったこの曲に対してポール・マッカートニーはやられた!みたいに思ったんじゃないかと思います。
マッカートニーのBand On The RunとかUncle Albert/Admiral Halseyなんて、Warm Gunの影響を受けてるように感じるんですけどどうでしょうか。この辺の2人の関係については以前にテキストにしました。
Martha My Dear
先に書いたように、学生時代にホワイト・アルバムのバンドスコアを買ったので、この曲はウチにあったカシオトーンで練習しました。
そんなにいっぺんにたくさん鍵盤を押さえるところがないので、しろうとでも練習すればソコソコ弾けるようになるので、楽しくキーボード練習するのにおすすめの曲だったりします。
それはさておき、曲が始まって1分ほど経ったところからのエレキギターとか入ってロック・サウンドになるところがカッコ良すぎて気絶しそうです。
Rocky Raccoon
冒頭の早口のところ、ネイティブ日本人の我々にとっては真似して歌うのが至難の業です。英語の歌詞を見ちゃうと余計歌えなくなります。
Now somewhere in the black mountain hills of Dakota there lived a young boy named Rocky Raccoon
こんだけの単語数をあの短い間に言うのは無理です。でも、学生自体の友達がライブでこの曲を披露しているのを見て感心しました。英語ネイティブじゃなくて九州弁ネイティブのはずなのに。
よく歌えるようになったねと褒め称えたら、聞こえる通りカタカナで紙に書いてそれを覚えたって言ってました。いい方法です。そして多分それ以外に方法はないです。
Why Don't We Do It In The Road
ものすごく単純な曲で、歌詞も曲名と同じフレーズとNo one will be~くらいしか出てこないです。でも実にカッコいい曲でもあります。
ということて、昔やってたトリオバンドで演奏することが多かったです。普通のセットリストの一部として演奏するんじゃなくて「客席から飛び入りで一緒に演奏しましょうコーナー」みたいなところでよく演奏しました。誰でも参加できる曲ですからね。
Julia
レノンによる弾き語り曲で、これもバンド・スコアを参考にして練習してよく弾いてました。この曲を演奏したいがために、初めてカポタストなるものを買いました。
Birthday
こっからディスク2なんですが、ディスク2はとてつもないカッコいいロックンロールで始まります。普通の裏打ち8ビートと頭打ちが繰り返すっていう忙しいリズムですがそれが実に効果的です。カッコいい!
トリオバンドでも演奏したことがありますが、イントロとかのリフ、ギターとベースが実はユニゾンじゃないです。よく聞くとわかります。でも私も一聴して気付いたわけじゃなくて、バンドスコア見てあれ?って思って気付いたんです。
Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey
ロックバンドで演奏したくなる曲なんでカバーバージョンもいっぱいあると思いますが、カバーっていうよりコピーみたいな感じで演ってるのが我らが森高千里です。よくぞ演ろうと思ったものです。
楽しい曲で確かに演奏したくなるんですが、ギターがひとりだとちょっとキツイかな。ビートルズの曲はトリオバンドをやってた時によく演奏してたんですが、ギター不足ということでこの曲は演奏したことないです。
もしギターを2人調達できて演奏するっていうのであれば、カンカン鳴ってるベルっぽい音もぜひ再現したいところなんで、ドラムの人は頑張ってシンバルの真ん中辺を叩いてカンカンやると良いです。
Sexy Sadie
鍵盤がいるバンドで演奏したことがありますし、トリオバンドでも演奏したことがあります。
エンディングのあたり、She made a fool of everyoneとかのところ、ギターでオブリを引きながら歌うっていうのはちょっと練習が必要なんですが、えらいもんで繰り返し練習すると手と口は別々に制御できるようになるもんです。
トリオバンドでギターボーカルをやると、リード・ギター弾きながら歌うっていう場合も多いのでその辺は鍛えられます。
Helter Skelter
ビートルズ流のハード・ロックですけど、相当乱暴な演奏です。まとまってはいるけど荒いですねえ。良い意味で。低いところでゴンゴン鳴ってるギターなんて、強くピッキングしすぎて音程がグイングインしちゃってます。だがそれが良いです。
高校生くらいのとき、この曲のサビのリフが弾けなくて苦労しました。弦をまたいで移動する上下(オルタイネイト)ピッキングができなかったんです。何度練習してもダメで、弾けるようになる雰囲気すらありませんでした。
ところがある日朝起きたら急に弾けるようになってました。ギターって繰り返し練習すると徐々に弾けるようになるっていうパターンとは別に、ある日突然弾けるようになるっていうこともあります。
Honey Pie
これなんかは、コードを覚えてサラっと演奏したりすると渋いねえと言ってもらえそうな曲です。
ジャジーな感じのコード進行もさることながら、イントロとか間奏のリード・ギターも渋いですねえ。ビートルズって懐が深いっていうのかなあ、色んなネタ持ってますね。
Savoy Truffle
ジョージ・ハリスンの最高傑作と私の中で話題の大変な曲です。とてつもなくカッコいい。
学生の時にこの曲をどうしても演奏したくて、ジャズサークルからラッパ隊に3人くらい来てもらって演奏したってことがありました。その節はありがとうございました。
歪んだ歯切れの良いバッキング・ギターのサウンドはこのアルバムを通してジョージのギターの特徴的なものになっています。
もう全編を通してカッコいいのですが、サビのリフの気持ちよさと言ったら。多分こんな感じ。ギター持ってる人は弾いてみましょう。
途中、このリフの間にリード・ギターのチョーキングが入るところがあるんですが、合いの手みたいに入るので頑張ればキュ・ギャ・キュ・ギャという具合にひとりでも演奏できます。
これを歌いながら弾いてたっていうんだから、学生時代の私はなかなかのもんです。今となってはポンコツですが。
他のアルバムにまつわる話は目次ページから・・・