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中級者なら誰でも知ってる、ローコードとハイコードの話
ギターコードの押さえ方についてのテキストですけど「中級者なら誰でも知ってる」なので初心者向けです。
最初にギターでコードの押さえ方を覚える場合、だいたい1~3フレットあたりを押さえて解放弦も鳴らす(例外あり)押さえ方から覚えるもんだと思います。そういう押さえ方をローコードって呼びます。
ローコードは解放弦を使いがちですが、それに対してハイコードは鳴らす弦全部を押さえます。ということは、その押さえ方のまま押さえる場所(フレット)をズラせば別のコードも弾けるということです。
ですから、ハイコードについてはローコードみたいにコードごとに個別に押さえ方を覚える必要がないんです。ちなみにパワーコードもハイコードのコードフォームの一種で、ハイコードの省略の押さえ方ですね。
たとえばEのハイコードっていっても色んな押さえ方があるんですが、押さえる位置をズラすという感覚で考えれば、わざわざコードブックを見たりして押さえ方を調べなくても大丈夫っていう話です。
今回はメジャーコードについてのみの話にしときますが、ハイコードの押さえ方は3つのコードフォームを押さえとけばだいたいオッケーです。
Eのローコードからズラす形
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ローコードからズラすって?と思った人もいるかもですけど、0フレットを上駒(ナット)でセーハしていると考えてズラすとこのフォームになります。
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0フレットのナットでのセーハ(?)の代わりに人差し指でセーハすれば、後はコードに応じてズラすだけ。ちなみに画像の位置だとGのハイコードということになります。
このフォームの場合、セーハしてるフレットの6弦と1弦の音がルート音となり、この位置だと6弦(1弦)3フレットで鳴る音はGなのでGのハイコードってこと。
気付いた人も多いでしょうが、初心者のハードルになりがちと言われてるFの押さえ方と同じフォームです。Fの場合は0フレットセーハを1つズラして1フレットセーハにしてるってこと。
このフォームを省略して5、6弦だけ弾く押さえ方が、6弦をルート音とするパワーコードのフォーム。
ついでに、1~3弦だけを鳴らして他は弾かないようにすればこういう省略ハイコードも。割と使います。
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Aのローコードからズラす形
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さっきのEのローコードからズラす形と同じ理屈で、0フレットセーハを人差し指セーハに変えてズラしたのがこの形。
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このフォームの場合は5弦で鳴ってる音がルート音なので、この位置だとCのハイコードとなります。
押さえ方は、この図の場合の5フレットのところ、指3本使って押さえる人もいるようですが、私の場合は薬指の腹で3本いっぺんに押さえた方が断然楽です。人によるでしょうが。
ちなみに、5フレットをルート音とするパワーコードをこの押さえ方で代用すると、音が厚くなってパワフルな響きが得られます。
1~3弦だけ弾く省略形は、わざわざ図を貼る必要もないでしょうがこの形。ただ、そんなに良い響きが得られない印象があるのであんま使わないかな。
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Cのローコードからズラす形
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これも同じ理屈で、0フレットセーハを人差し指セーハに置き換えてズラすだけですが、6弦は鳴らさないようにすれば、セーハを効かせる必要があるのが1~3弦だけで済むのでこの押さえ方になります。
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5弦で鳴ってる音がルート音なので、この位置までズラすとEのハイコードということになります。こっから2フレット下にズラすと当然Dということになりますが、Dのローコードの押さえ方のフォームと1~3弦は全く同じ形で同じ位置。
Dのローコードは4、5弦解放がたまたまDのコードの構成音なので4~5弦を押さえなくても大丈夫っていうこと。
1~3弦だけ鳴らす省略の押さえ方はこれ。高フレットで鳴らすと特に美しく響きやすいので良く使います。
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ハイコードの使い道
弾き語りする場合とか、ひとりで弾く場合はそんなにハイコードは使わないかもですけど、例えばバンドで弾く場合なんかはアンサンブル上、高めの音が欲しいとか違った響きが欲しい場合があるので、必要に応じてハイコードを使うと良き。
そのハイコードのフォームも、どの形を使うとより欲しい響きが鳴らせるかを試してみて、適宜選択するととても良き。
また、ハイコードをアルペジオっぽくちょっとバラして弾いてみたりすると、ちょっとしたオブリとかリフ的に使えたりもします。
響きやフレーズ的なこと以外でも、コードチェンジの時に遠いフレットに一気に飛ぶと大変なので、左手の移動が楽なように手近なところのハイコードを使うなんていうのもアリです。
また、ハイコードの押さえ方はギタリストの癖が出る部分だったりします。ジョンレノンがEをこんな押さえ方で弾いてるのを見たことがあります。
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要するに、ちゃんとコードの構成音が鳴ってて、鳴っちゃいけない音が鳴ってなければOKなわけで、今回図で示した押さえ方じゃなくても、自分が押さえやすいとか、好きな響きが出るとか、そういう発想で自分なりの押さえ方を編み出してしまうくらいの考え方で良いんです。