激古MTRで録音というお役立たない情報
20年くらい前に買って、ちょっとだけ使ってしまってあったMTRを引っ張り出してきて、久々に宅録しました。懐かしい体験ではありましたが、情報としての価値は無に等しい体験談です。無駄に文字数多いことですし、暇で暇で仕方ない人だけお付き合いのほど。
その前にMTRってなんだ的な話から。
MTRのよもやま話
MTRってのはマルチ・トラック・レコーダーのことで、多重録音装置です。オーバーダビングができるので、バンドでいっせーのーせっ!で録音しなくても、1パートずつ録音していけるというヤツです。
私が初めてMTRを買ったのは25年以上前で、タスカムの4トラック・カセットMTRでした。記録媒体がカセットテープだけど4トラック録れるってどういうこと?これが天才的発想。カセットテープのAB面×左右チャンネルで、2かける2で4トラック。すげー。
だた、4トラックしかないので常に1トラックは開けておいて、足りなくなったらミックスして空いたトラックにダビング、ミックスが終わったトラックに新たな音を上書き録音(この作業をバウンスとか、ピンポンって言います)という繰り返しになるので、最初に録ったドラムなんかは気づいたら音がひどいことに。
なんてのもいい思い出・・・なワケはなくって、デジタル化されて本当に良かったとつくづく思います。何を言ってるのかサッパリわからないというヤングメェンは御父上にでも聞いてくれたまえ。
デジタル式のMTRが出現して、そこそこ買えちゃう値段になったというのはとても画期的なできごとでした。
ピンポンによる音やせの心配がなくなりましたし、そもそも8トラックとか16トラックとか、しろうとが録音するにはじゅうぶんすぎるトラック数の機種もそこまでバカ高いわけじゃなかったですから、そもそもピンポンを必要とする場面自体が激減しました。
超小型デジタルMTR、ZOOM MRS-4参上
さて、今回引っ張り出してきたヤツはZOOM MRS-4という機種。名前の通り4トラックのデジタルMTRです。
2002年くらいに出たやつらしいです。私が手にしたデジタルMTRとしては人生2機種目。買った当時で既にちょっと古めの機種でした。メインで使っていたのはフォステクスの8トラック、ハードディスクタイプのヤツでしたが、小っちゃくて持ち運びに便利そうだったのでMRS-4も買ってみたものの、結局あまり使わず今日に至ったという次第。
今やってるしろうとバンドのメンバーに、作った曲のデモ音源を渡したくて、宅録せねばならぬ・・・というわけで、今現在はMTRはコイツしか家にないので仕方なく使ってみたという具合。
ちっちゃい、軽い、じゅうぶん使える!だがしかし
久々に引っ張り出してみたら、ちゃんと電源コードも説明書も箱に入ってました。電源コードは使わず、取り回しやすいように単三電池4本入れて電源入れたらちゃんと動くようでひと安心。
それにしても小さい、軽い。ハカリに乗せてみたら700グラムでした。大きさはこんな感じ。CD2つ分ないくらいかな。
機能的にも最低限のものは一応搭載されてる感じ。ゲイン上げすぎて歪んじゃうのを軽減するとか、入力レベルに応じて自動的に効くようになってるコンプレッサー、ギターにマイク立てた時にいい具合にするやつ、みたいな感じで数種類のインサートエフェクトや、トラックダウン時のエフェクトもいつくかアリ。めんどくさいんで使いませんけど。
パンチイン、パンチアウト(こっから録音、ここまで録音という操作を楽にする機能)や、裏トラックなど、デジタルMTRの便利機能もちゃんと搭載されており、全力で頑張ればまずまず作品レベルのものまで対応できそうです。そこまで苦労するくらいだったらスマホやパソコンのオーディオインターフェースを買った方が早いと言ってしまえば身も蓋もなし。
とにかく小さくて軽いんで持ち運びが超便利で、楽器のギグバッグのポケットにも入っちゃう。
かように素晴らしい機械なんですが、記録メディアがスマートメディアというところが懐かしいというか、今となっては入手が大変そうというか。正直これはしんどい。
ジジイにとっては非常に使いやすい一品
さて、デモ音源なんですけど1分ほどのものでしたが、小一時間で完成しました。
ドラムはパソコンの「てきとーシーケンサー」っていうフリーソフトで打ち込み、ステレオミニプラグ→モノラル標準っていう変換ケーブルで、パソコンのイヤホン端子からMTRにぶっ刺しで録音。
ギター1は直結ぶっ刺し、ギター2はアンプシミュレーター的なマルチ噛ませてぶっ刺し、ベースも直結ぶっ刺し。これで4トラック使っちゃったのですが、ピンポンはしません。
MTRをスピーカーに繋いで出来上がったオケを流しながら直声で歌って、それをiPhoneでエア録音という荒技。これでサクっと完成です。メンバーに渡すデモならこれでじゅうぶん。
短時間で完成したのは手順が荒っぽかったこともありますが、MTRの使いやすさが大きいです。
使う前に説明書を開いてみましたが、その必要がないくらい直感的に操作できちゃう。フェーダーの上のランプ、消灯でミュート、緑だと鳴る、赤だと録音できるという、見りゃわかるよ具合。
PLAY押すと再生、REC押してPLAYで録音、REWで巻き戻し、ついでに頭まで戻せるZEROボタン。この辺の操作は子供の頃から慣れ親しんだテープレコーダー感覚。
パソコンのマウスやタブレットやスマホのタッチパネルと違って、全部ハードキーでポチっと押せるという安心感。オジイにとってこの感じってとても心地よいです。
良い機械だけど、いまさらおすすめはしません
というわけで、久々に触ってみてなんて愛しい機械なんだろうと感じたんでありますが、ジジイの手に馴染むという部分が大きく、人様にこれはおススメだよ!なんてとても言えません。媒体がスマートメディアだし。
宅録だのDTMだの、始めてみたいなという人がいたら、スマホ用のオーディオインターフェースとか、けっこう安く買えるのでソッチをおススメしたいです。
ある程度本格的にやりたい人だったら、トラック数が最低でも16くらいあって、ツマミがいっぱいついてるデッカイやつをおすすめしたいです。細かい調整って、パソコンとかタブレット、スマホでやるより、アナログ操作のフェーダーとかツマミの方が断然楽ですからね。
というわけで、ちょいレトロのデジタルMTRのZOOM MRS-4、おすすめはとてもできませんが、使いやすい機械であることは間違いなし。超安く買えるんだったら買ってもいいと思いますが、スマートメディアの入手に苦労する覚悟だけはお忘れなく。