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【転売が阻止されたウヰスキー】

10月1日 4年ぶりの新発売商品  「ニッカフロンティア」
連日、トレンドなるほど注目されています。

発売前から大手スーパーやコンビニで大量に陳列されている姿が話題となり、 SNSでもトレンド入りしています。
また、発売時の値引き合戦と豊富な在庫がSNSで拡散され、その結果、転売が効果的に阻止されました。お酒の転売の性質上、初値が失速するとその後
価格が上がらず転売対象商品から外される傾向があります。
もし、上がるとすれば長期欠品が発表されるか終売時になります。ただし、ニッカフロンティアは元々低価格のために転売で利ザヤを稼ぐことが難しいでしょう。

転売は人気の指標であることは否めません。
実際、海外では古くからオークションハウスで、そのブランドの価格を競り合いの価値と人気を決定付けております。しかしながら、消費者にとってはお財布が痛むのでいい事ばかりではありません。
いわゆる「虚栄の市場」です。

2023年、ジャパニーズウイスキーの輸出量は2005年以来初の減少で、11%減少して約1290万ガロン(約501億円)に。海外ウイスキーの輸入は14%増加し、約7160万ガロン(約695億円)に達成しました。
注目すべきは、金額は約1.4倍ですが、量においては約5.5倍も違いがある点です。輸入品が受け入れられ、国外で高額なジャパニーズウイスキーが失速しているのです。

この、失速するプレミアム市場の原因の一つにアメリカや中国市場の影響が大きいと考えられています。日本の買取りを行い、中国に輸出している業者の買取り価格が下落しているのが、この失速を裏付けております。

なお、ジャパニーズウイスキーの定義に従って製品を発売する場合、700mlあたり1万円前後の価格設定が一般的です。 5,000円前後で製品を提供している例もありますが、これは非常に限定されたケースです。
今後、価格競争力を維持しつつ、高品質なジャパニーズウイスキーを提供することが、業界全体の課題となるとこは間違いありません。

別の視点で見ると、ニッカフロンティア(500ml 2,000円税別)は、30万ケース以上の販売実績があるバスカー(700ml、2,400円前後)と比較すると割高に感じる方もいるかも知れませんが、多くの購入者は国産ブランドへの信頼や満足感を重視し、その魅力に惹かれています。

日々ウイスキー市場は変化していますが、日常の1杯で楽しめる魅力は変わりません。
ニッカフロンティアの挑戦は、国内市場に「新たな風」をもたらしました。 これが、日本のウイスキー文化をさらに活性化する大きな一歩になることを期待しています。

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