
オーディオアンプICというもの
しばらくの間、オペアンプなるものを知るべく、色々ネットで調べていた。
真空管アンプに親しんで来たジジイであるが、ふとしたきっかけから、オペアンプというものを理解してみようと思ったからだ。
オーディオでは、音楽の信号を増幅する為に真空管、半導体であるトランジスタ、そして、オペアンプなるものを使うという事までは、わかるのであるが、真空管は、ここ数年でだいぶ理解が進んで来て実用に至っているものの、トランジスタ、はたまた、オペアンプというと、全く我が知識の外側にあった。
トランジスタも真空管と同様に信号を増幅する為に使うわけであるが、きちっとした物にする為には、いくつものトランジスタと周辺に抵抗、コンデンサーなどを配置して適正な構成にして作成する必要がある。(ディスクリートと言うらしい)そして、それらの色々な機能を適正に配置して小さいサーキット(電気回路)にまとめたものが、オペアンプ(IC)になると言う事なのだ。
立ち寄った電子部品屋で、音楽に使えるというので、NJM4558DDというものを10個ほど買ってみた。
色々調べてみると、確かに4558は音楽の増幅で使えるようであるが、作例はヘッドホンアンプやプリアンプが主流のようで、どうやらこのアンプ一つだけでは、スピーカーを鳴らすほどの十分なパワーを得る例が見当たらない。
なるほど、真空管アンプで言うところの、電圧増幅段的な役割には使えるのであろう。
実際に4558をブレッドボードに組み立てて、四苦八苦して漸く音を出してみると、スピーカーからはささやかな響きが聞こえる。
どうやら、このささやかなパワーを持った信号は、次段の電力増幅段へ渡してあげなくてはいけないと言う事なのだろう。つまり、トランジスタを使ってバッファー回路なるものを作ってあげて電力を出力する、または、スピーカーのインピーダンスと揃えてあげるような機能が必要であると言う事らしい。
そして、更にネットで調べていくと、オーディオアンプICなるものを見つけた。M2073というものである。
さて、こちらは、先の4558よりも高度?パワーがある?機能が充実している?というのだろうか?どうやら、このアンプ一つでスピーカーを鳴らす事ができるようである。
早速、この2073なるICを組み立ててスピーカーに繋いでみると、あっけないほど、簡単にスピーカーを鳴らすという事がわかった。

ここ何日か、いや、一週間以上かけて、オペアンプなるものを調べてきたのだが、音が鳴ってしまうと、なんとも味気がない事に気がついた。
ダメ耳のオヤジなので、真空管アンプとICアンプとどっちの方が音が良いとか悪いとかの評価はさておいて、やっぱり、一つ一つの抵抗、コンデンサー、そして、明かりを灯す真空管などの部品を手にしながら、目の前で少しづつ出来上がってゆく過程を楽しむ事ができる、真空管アンプの方が、やっぱりクラフト感があり、ジジイには向いているなぁと、真空管アンプの意味を再認識したというわけである。
オペアンプ(IC)を使う事のメリットは、コンパクトにブレッドボード上でまとめられる事と、とにかく安い材料費で作成できるという事だろう。
今回オペアンプを理解しようと思ったきっかけは、密閉型スピーカーの低域を補完する為にサブウーファーをつける事を考えた事から始まる。
サブウーファーは、左右を合成させて一つのスピーカーボックスにするケースが多いというのだが、その、左右の信号を合成させる為に、オペアンプの機能で加算器という機能がある事がわかり、そこで、オペアンプを理解しようと思った次第である。
さて、この先オペアンプを使ったサブウーファーをどうやって作るかを検討しようと思う。オペアンプの加算器をうまく使えるだろうか少し不安があるけど、また、新たなチャレンジをしてみよう!