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言葉の体操-Match(マッチ棒)

現代において、火を着けるという事はなかなか機会が無くなっていると思う。ましてや、ライターなど使わず、マッチ棒で火を着けるとなると稀なことか?
もしかすると、若者たちは、マッチ棒という物さえも知らないかも。

私は、冬になると毎日マッチ棒を使う。自宅の暖房は、薪ストーブを使っているので、必ず着火しなくてはいけない。最近では、着火剤とライターとか、バーナーなどを使い、いとも簡単に着火する事ができる様になった。
そんな時代でも、私はマッチ一本の威力で火起こしを試みている。
薪ストーブには、広葉樹が向いているが、いきなり太い紅葉樹に着けようとしても、マッチを何本使っても着火する事はできない。ましてや、ひとシーズン寝かしていない生乾きの木などもってのほかである。

まずは、新聞紙を2、3枚ほどを丸めて、その上によく乾燥した針葉樹の小枝などを隙間を空けながら縦に組む。その小枝を潰さない様に、乾燥した針葉樹または、広葉樹の細めの薪を上に覆い被せる。
この状態で、マッチ一本で着火させるのがコツで、上手く行った時は、誇らしげになる。
新聞紙から細い針葉樹へ、そして、ある程度火力がついてくると、いよいよ本命の広葉樹へと徐々に延焼を広げてゆく。数十分もすればストーブの庫内も熱くなって、続いて投入する薪も暫くすると赤い火に包まれる。

電源スイッチ一つで温風が出る暖房器具もいいけれども、昔ながらの薪で暖を取る事ができる事が、日々の生活を心豊かにしてくれる。
面倒くさい事を楽しめる様になると、心に余裕が出てくる様だ。