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トランスがいらない真空管アンプ
数年前に真空管アンプというモノを知り、プリ、メインと合わせて20台ほど作成してきて、最近、トランスがいらない、低電圧のハイブリッドアンプなるモノに出会った。
トランスを使い200Vから300Vの高い電圧で作る普通の真空管アンプに比べて、電圧が低いので安全性が高い、小型化できる、そして、製作費が安く済むというメリットがある。
音を追求する諸先輩は、目もくれないだろうけど、ダメ耳なワタシのような者で、作ることの楽しみが十分満足できるのであれば、このトランスの無いアンプは、試してみる価値がありそうである。と考えた。
もちろん、トランスを持った高電圧のアンプがメインにあり、それらの傍で、ちょっと浮気心で作ってみたいというモノだとも思う。
トランスを使わない代わりに、トランジスタや、DC-DCコンバータ、スイッチング電源などを使う事にはなるので、ハイブリッドという表現が使われるらしい。
私の場合、トランスを使い2A3とか6V6GCとかを作成するような回路を真空管アンプの回路だと学んできたわけであるので、トランジスタ云々を使用する回路は、敬遠がちであった。というか、トランジスタの事を良く知らなかったし、そういう小さくて高度のように思える部品は使わない方向を好んでいた。
以前より真空管アンプの記事をnoteに投稿されているMitsuharu.Aさんが「真空管アンプ作成、12Vの低電圧で真空管アンプの情感ある音を生み出す」という本を出版された事を知り、早速取り寄せて、その中の作例で6AK5x2球の回路を元に作成した。(この作成記事は、私のnoteで投稿済み)スピーカーを一体型にしたBGMシステムが上手くできた。
なるほど、低電圧でも真空管アンプが鳴るという事を体験した上で、更に色々ネットで調べてみると、YAHAアンプという言葉が目についた。
どうやら、2005年頃、ドイツのフランクさんという方が「Yet Another Hybrid Amp」(YAHA)という物を考案し、その後、日本でも流行り、雑誌の記事にも結構載ったようである。
私は、メルカリでエレキジャックという電子工作雑誌の18号を手に入れて、白ケーブルさんや、木村哲さんの記事を読んでコンセプトを理解した。
これらの低電圧アンプは、費用をかけず、コンパクトにできるので、ちょっとしたお遊びには面白いと思う。2005年頃流行ったYahaアンプだと、音の品質については評価は高く無いが、Mitsuharu.Aさんの低電圧アンプだとLTSpiceを使ったシミュレーションをした上での回路なので音質も考慮されているようである。
実際、私の耳には十分満足できる音質である。
そんなわけで、この低電圧真空管アンプというコンセプトに惹かれて、また、木工を取り混ぜたミニシステムを作ってみようというアイデアが浮かんできた。
自宅のメインシステムで、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲を聴きながら、次の作品の構想を練っているこのひと時が至福の時である。