明らかに違いがわかる
EL34の三結プッシュプルで、バイオリンとピアノのソナチネを聞いていた時、バイオリンの音がいつもと違い、耳に刺さるような音で、心地よく聴いていられなかった。
今までこのレコードは、他のアンプで何回かかけているがそのような事は無かった。
もしかすると、このプッシュプルアンプだけがそうなのかもしれないと思い、早速、今、外装製作中の6B4Gに変えて聴いてみたところ、あっという間に寝落ちした。つまり、心地よく聴く事ができた証拠なのだろう。
これは、どう解釈したら良いのだろうか?
アンプの音色の違いがわからないダメ耳の私であると、常々言って来たが、今回ばかりは、寝落ちできないどころか、聴き続ける事もはばかれるるほどの音色だったのだ。
他のレコードであれば、気が付かないかもしれない。
このレコードが特にバイオリンの音色がかなり尖っているのかもしれない。
しかし、明らかに、純粋な三極管である6B4Gをシングルで聴いた時には、その尖った音色も心地よいとさえ思えるようである。
EL34は、パワーがあり、元々5極管を三結にして聴いているもの。
やはり、EL34 の3結では純粋の三極管とは違うのだろうか?
それとも、プッシュプルの歪打消し作用が効きすぎて、二次高調波歪がなくなり、奇数次高調波が目立ったのだろうか?
それとも、パワーのあるEL34が高音を強調しすぎたのだろうか?
いや、もしかして私の気のせい?
このEL34、3結プッシュプルは、真空管アンプ作成本の中の私が尊敬する方の作例回路を倣って作ったものであり、回路上の問題とは言えないだろう。
いずれにしても、そう聴こえた事実が記憶にあるので、ちょっとこのアンプを敬遠してしまいそう。
オーディオというのは、人の五感で感じるものなので、数字をいくら突き付けられても感じなければ仕方がない。そして、感じるという事は、人によって違うわけで、だから、好き好きが分かれていろいろな意見があっていいわけである。
そして、その感じ方、感覚なんてその時の気分、環境、条件で大きく左右されるものである。なので、絶対ということはない。
しかし、私の中では、今までの感覚と知識と重ねてきた経験で、やっぱり、純粋な三極管で作ったシングルアンプを聴くことが一番気持ちが良いというのが今のところの結論のようである。