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かなりショッキングな密閉型ができた!
まさか良い意味でこんなに期待を裏切るとは思っていなかった。
バックロードホーン作成に比べたら、いとも簡単で、二日+αで作ってしまったフォステクスのP1000Kを使った密閉型スピーカーボックスをここ数日聴いている。
概要は、およそ6リットルの容量の縦横高さの違う箱を無垢材で作り、手持ちであった厚めの吸音材を背面、横面に入れたというとてもシンプルなものである。ブックシェルフサイズという点もありがたい。
初めは、使った音源が悪かったり、まだ、エージングされてなかったせいなのか?、はたまた、吸音材が足りなかったのかもしれないのだが、中高域が張り出しすぎて、低域が不十分で、やっぱりユニットの値段相応の音なのだろうか?と半分諦めていた。
しかし、吸音材を補充して、さまざまな音源で聴いているうちに、少しずつ音が変化してきた。具体的にいうのであれば、低域が主張し始めて、中高域とバランスし始めたのである。元々密閉型は、バスレフやバックロードホーンのように裏から出てくる音との混ざり合いを気にすることがなく、ユニットからの前面に押し出される音の波で聴く事になるのだろうから、音自体はとてもクリアに聴こえる。
つまり、オーケストラの個々の楽器の音色がとても綺麗に聴こえるわけである。それで持って、低域から高域までバランスの良い音が出るようになるのだから申し分がない。
今までバックロードホーンから出る豊かな低音に魅了し満足していたのに、今、目の前でこの小さな密閉型スピーカーが、トータルバランスでそれを凌駕しようとしている。
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後ろに見えるのがFE166NV BH
私の中では、そんなことがあってはいけないと言う思いがまだ半分残っているのだけれど、事実を認めなくてはいけないという気持ちと戦っている。
以前にも書いたけど、心のエージングもあるのかもしれない。聴いているうちにこのスピーカーに愛着が湧いてきて、良い音だなぁなんて思い始めているのかもしれない。
先程、サン=サーンスの交響曲第3番オルガン付きを聴いてみた。絶対バックロードホーンの方がいいに決まっているという気持ちで、スピーカーセレクターを切り替えながら密閉型と比べてみた。
流石に低域の音圧はバックロードホーンに分があるのだが、密閉型でもしっかりとオルガンの低い音を聴かせてくれて、かつ、楽器単体の音色をハッキリと聴き取れるように感じたのである。
今、私は密閉型スピーカーという新しいジャンルに目覚めてしまったように思う。