喜ぶべきか?嘆くべきか?
仕事前の朝から、メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲をレコードで聴いている。
なんとなく手が伸びて、神棚のように祭り上げている300Bのスイッチをオンにしてへ聴き始めた。
するといつもとは違う、なんだか鮮明な音色と、躍動感を覚え、バイオリンの音色にいきなりメロメロになってなってしまった。
え、やっぱり、300Bは凄いのかもしれないと期待が高まった。
この期待というのは、我が耳がきちんとアンプによる音色の違いを聴き分けていることに対する期待である。
それを実証すべく、棚にも置けず床に配置され配線されている、6FQ7二本だけで構成されているミニワッターにスイッチを切り替えてみた。
確かに迫力が違うし、音の鮮明さが違うという印象を持ち、全然300Bの方がいい音だぁと、更に自身の聴き分け能力に自信をつけた。
、、、のもつかの間、ミニワッターの音量が低すぎることに気づき、ボリュームを少しずつ上げていった。
300Bだと300B自身のボリュームも十分下げてかつ、プリアンプも10時ぐらいで聴いていて十分いい音で聴けるのだが、ミニワッターの場合は、ミニワッター自身はMAXで、プリアンプを徐々に上げて2時ぐらいの位置まで上げて丁度釣り合いが取れるくらいである。
そこまでボリュームを上げると、なんとミニワッターも十分鮮明で、躍動感を感じることができるではないか!という事に気がついた。
いつも、ミニワッターのボリュームをそこまで上げずに聴いていた。特に夜は、カミさんに気を使ってボリュームを下げていたので、迫力にかけていたのだろう。
どの真空管アンプでも、自身の耳では十分堪能できることを再認識したので良かったなぁという喜びがある反面、やっぱり、自身の耳では、真空管による音の違いを聴き分ける能力はないのかもしれないという、嘆きを感じるのである。
ある一定のレベルにある真空管アンプであれば、きっと個性はあるのだろうけど(聴き分けられない私にとって)、どれも皆十分音楽を堪能させてくれる能力があるのだなぁという結論に至るのであった。
そんな真空管アンプを何台作っても、また、新しい真空管アンプを作る構想が、ムクムクと頭の中に湧き上がってくるのだから、呆れたものである。