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最大出力を目指す?

真空管アンプを自作するとき、使う真空管の最大プレート損失ラインを超えない範囲で動作点を見つけてロードラインを引くと言う事が大切である。

それは、何となく理解できるのだけれども、その損失ラインよりも遥かに下回るような、低電圧と低電流になるようなロードラインを引いたらどうなるのだろうか?

つまり、その真空管が持つポテンシャルを最大に引き出すと言うのが普通の考え方かもしれないが、逆に、そのポテンシャルを遥かに下回ったところにロードラインを引いて作った真空管アンプの音は、ダメな音になってしまうのだろうか?

そもそも、できるだけ増幅率を上げる事が目的のアンプという事はわかってはいるのだけれど、、、でも、敢えて増幅率を犠牲にしてみるとどうなるのだろうか?

パワー(W)は、小さくなるかもしれないが、音質が悪くならなければ、そんなアンプを作ってもいいのではないだろうか?と漠然と考えている。

私の場合は、必ずプリアンプを介してからパワーアンプに繋ぐので、前段で増幅しているおかげで、ミニワッターを繋いでも自宅のロフトで聴く分には、パワーに物足りなさは全く無い。

ならば、たとえば、EL34のような、シングルで三結にした場合でも6Wのパワーが得られる真空管を使い、敢えて、ミニワッタークラスの1から2W程度の出力で作ってみたらどんな音になるのだろう?使い勝手は、どうなのだろう?

あまり、そのような制作例を見た事がない。

もし、歪みなども考慮していいところにロードラインが引けるのならば、音質も期待できるのでは無いだろうか?

そうすれば、電圧、電流が低い規格のトランスで、発熱も抑えて、エコなアンプができたりしないだろうか?
真空管の寿命もフルスイングしない分、伸びるのではないだろうか?

単純に、作成コストも下がるかもしれない。

大きい事はいい事だ!の時代を垣間見て、その後、短小軽薄の時代を経験してきた世代である小生は、ケチケチ精神から、いつもできるだけコストを下げる事が頭にこびりついている。

できるだけコストを削って作り、その分余った予算を積み上げて、もう一台余分に作ろうなんて言う魂胆も見え隠れするのである。

時間とお小遣いに余裕ができたら、そんなアンプにチャレンジしてみようと思う。

現在、注文家具の作成中につき、趣味の真空管アンプ作成に時間を回せない。アンプ作成の前に、仕掛り中のレコードプレーヤーを先に完成させなくてはいけない。

そんなわけで、夜、クラシックを聴きながら先輩方のアンプ作成本を片手に、少し先にやりたい夢を画策しているこの時間が、何とも愛おしく感じるこの頃である。