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朝飯前

今日は、朝飯前にサッサと昨日から思い描いていた作業をこなしてしまった。
なんだか、一日得をした気分。

注文頂いた椅子の作成も終了し、ようやく作成中の無垢材(ブナ材)バックロードホーンの塗装作業に入っている。

まずは、鉋で仕上げた面をサンドペーパーで仕上げた後、砥の粉を塗る。
そして、着色は昔ながらの、オイルステイン。
その上から、ギターやバイオリンを塗装するシェラックを塗っていく。
途中で、木の表面の具合によってオイルステインの色むらができている所を、水性塗料で細かくタッチアップして全体の色味を整える。

シェラックも、まずは無色の脱蝋したものを塗り、その後、シェラックガーネットを何回も塗り重ねていく。
昨晩は、無色一回、ガーネット4回ほど塗った。今朝、またその上から一回塗って来た。
このガーネットを塗り重ねる事によって、オイルステインの地の色が変化して、黄金色の膜がかかり、色艶が出て高級感を増す。

シェラック塗装中

このシェラックの塗装を丁寧に、時間をかける事によって、仕上がりの艶が違い、仕上がり具合も違う。
シェラックは刷毛塗りで、重ねるごとに塗膜を作るので角など塗装が縦横ではみ出たりすると、後ではみ出た所の重なり部分だけ厚くなり、色が濃くなってしまうので、この際(きわ)の部分の塗りを気をつけないといけない。

これを何十回と塗って磨く事によりフレンチポリッシュになるのだろう。
そこまでは、やらないが、塗装後乾拭きをして使い始めると、表面が透き通った膜になり、だんだん愛着が湧いてくる。

また、バイオリンや楽器にも使われることからも分かるように、音の響きの邪魔をしないと言われている。スピーカーも楽器なのだから、シェラックで塗装することは理にかなっている。
ウレタン塗装やラッカー塗装で仕上げてしまうと、きっと音は変わってしまうのだろう。

今朝は、その他に先日完成した6B4Gの無垢のカバーに、シェラックを塗り増しをして、更なる艶を出そうとした。

塗装をする時は、アンコール溶剤の匂いがきついので、防毒マスクと手袋をするようにしている。アルコール溶剤は、安全を考えてエチルアルコールを使うようにしている。

塗装には欠かせない

また、棚板を作るために、先日製材しておいた部材の鉋がけも、ササッとやってしまった。
鉋の刃を研ぐ際に手先が真っ黒になり、週末の客商売に影響が出るので、今までは、月曜日など、次の営業日までに時間がある時にしかできなかったが、写真の手袋をしながら、鉋の刃研ぎができる事を知り、手が汚れないのでいつでもできる事ががわかった。

と言うわけで、今朝は、朝飯前にササッと作業をやってしまったので、この後は、また、真空管アンプの回路のことなど、いい音を聴きながら考えてみようかと考えている。