オイルコンデンサーにする?
カップリングコンデンサーにオイルコンデンサーを使うと音が変わると言われて、大枚を叩いて数百円のフィルムコンデンサーから数千円のオイルコンデンサーに何台かのアンプで変えたことがある。
変えた当初は、何か違うという期待値とプラセボ効果の混ざった満足感でそのまま使い続けていた。
でも、一週間もすれば、前のフィルムコンデンサーとの比較さえもできなくなり、日常の音になっていた。
勿論、基本にある真空管アンプの音に満足した上での話である。
さて、前回の記事にも書いたが、2A3シングルアンプの右側がまばゆい閃光を放ちお釈迦になった。
原因を追求した結果、その右側のカッリングコンデンサーである、オイルコンデンサーのオイルが漏れていたことが原因で、初段にかかる直流がすり抜けて2A3のグリッドにダイレクトにかかっていたことが原因であるという結論に至った。
この結果を受けて、今一度考えてみた。
私のような、ダメ耳でオイルとフィルムの音の違いもわからないようなものが、大枚を叩いてコンデンサーをオイルに変えるべきなのだろうか?
きっと以下のような管理、体制ができて、それでも尚、自分の耳に期待をかけるのであればGoであるという結論である。
施工時に品質の良いオイルコンデンサーを手に入れたことの確認。勿論新品であることが前提。
施工時に細心の注意を払いリード線の軸に負荷を与えない。
オイルコンデンサーの配置箇所が周りからの熱の影響をを受けにくい配置になっているかの確認。
定期的に設置したオイルコンデンサーが正常であるかの確認をする。せめて、目視でオイルの漏れがない事の確認。
さて、どうしたものだろうか?
ジジイ的には、これからつくる新しいアンプでは、フィルムコンデンサーに留めておくで十分な気がする。
今回、2A3シングルアンプのカップリングは、フィルムコンデンサーに戻したので今後の心配はなくなったが、まだ、確か数台はオイルのままである。特に、300Bが同じ原因でお釈迦になったのでは目も当てられないことになる。現時点の点検では問題はないようだが、徐々に見直すこととしよう。
こういう失敗を繰り返していくうちに、学んでいくのだろうなぁと前向きに捉え、修理した2A3シングルアンプに、ヤフオクで落札したソブテックの2A3を挿し、新しいフィルムコンデンサー経由で、豊潤な音の広がりを堪能している朝である。