自作60年代風ステレオセット作成-フォノイコの実験
レコードプレーヤーまでは、完成している事を既に書いた。
60年代風ステレオセットを組み立てるにあたって、次に必要なのは、このプレーヤーから出た信号をRIAA方式でイコライジングする事。
以前、NFB型を作成して、今、我家のメインシステムのプリアンプに使っているので、今回は、CR型を作成することにした。
ネットや、作成本で、回路図を探してみた所、アメブロ/Hiroちゃんさんの6AU6と6AK5を使った回路図を見つけたので、それを参考に、前段を6AU6で、そして、後段を手持ちに沢山ある6FQ7(6CG7)を使ってSRPP回路を使って自作回路を書いてみた。
なんか、SRPPとか書いて、知ったかぶりをしているけれど、ペルケさんのSRPPの説明を何回も繰り返し読んでみるが、まだしっかり腑に落ちていない。インピーダンスをロー出しできるので良い回路のようだ。
なので、Hiroちゃんさんの前半部(6AU6+CR型フォノイコ部)の後に、ただ、6FQ7のSRPPの回路を何処からか持ってきてくっつけただけ!
まずは、モノラルで組んでみて、片側だけどちゃんと低音部を増幅してバランスよく音を出してくれるか?、そして、その後のミニワッターのメインアンプに繋いで、スピーカーから適度な音が出るか?というのを確認してみた。
電源トランスは、東栄変成器の100Vを240Vに変換してくれるものと、ヒーター用に6.3V用を別々とした。
写真左側のブレッドボードは、ヒーター用の電源の平滑回路、真ん中は、240Vの平滑回路、そして、右側が、フォノイコの心臓部回路になる。
RCAジャックが赤、赤なのは、モノラルのインとアウトだから。
さて、実験は如何に⁈
結線をよーく確認して、間違えがない事を確認して、電源を入れる。そして、各所の電圧を測るのだが、6FQ7側はほぼOK、しかし、6AU6側が、おかしい。
何がおかしいかと言うと、カソードの電圧が上がらず、これだと電流は、本来1mA程度のところ、0.1mA程しか出ていないことになる。
したがって、途中の抵抗では、電流が流れないので電圧を下げてくれないし、負荷抵抗の役割もしてくれていないようである。
結構あちこち確認したが、結線状態は問題なさそう。そこで、テスターで導通試験してみたところ、導通してはいけないところ同士で、ピーと鳴り、どこかで繋がってしまっている事がわかった。結果、ブレッドボードの不良で裏側で繋がっているところがある事がわかった。
本来ならば、そんなブレッドボードは廃棄して、ちゃんとしたものに差し替えればいいのだが、とりあえず、おかしくない穴を探して差し替えたところ、うまく電圧が出てくれて、ほぼ期待値になった。
そこで、実際の音出し!
レコードプレーヤーから信号を入力して、メインアンプへ出力してみた。
これがまた何かおかしい。
音が出ない。
まぁ、いつもそんな簡単にうまくいかない事はわかっているので、じっくりと回路と、実機を睨めっこ。
わかった!最後の最後につけるRCA出力の手前のカップリングコンデンサーが付いていない事に気がついた。
コンデンサーを取り付けて、気を取り直しレコードプレーヤーを回すと、出たー。音が出たー。
モノラルで、雑音バリバリなのでこのままでは使えないけど、実験の目的である、高域と低域のイコライジングと増幅についてはほぼ達成できていることを確認した。
一番の難関であるフォノイコ回路を何とかクリアしたので、この後は、その後のメインアンプを検討し、全体の構成を考えることとしよう。
モノラルで作ったことからヒントを得て、モノラルでフォノイコ+メインアンプを2つ作り、それを物理的に両脇のスピーカーに沿うように左右分離して配置してもいいかもしれない。そして、真ん中に電源トランスを置き平滑回路を置く。
そうすると、片側3本の真空管の配置が、左右対称におけるので見た目もいい感じになるのではないか?と考えている。
いずれにしても、メインアンプを作り、フォノイコ+メインアンプ+スピーカーを実機へ実装して雑音性能を改善して聴くに堪えるようなシステムを目指すこととしよう。