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そりゃ、違わないと困るよねぇ!

良い音オヤジとか言いながら、実はあまり音の違いがわからないと言うのが本音。

でも、今朝の聴き比べイベントで明らかな違いを認識したので、ちょっとテンションが上がっている。
イベントといっても、一人でアンプを入れ替えて聴き比べただけ。

知人が真空管アンプの購入選定をする中、初めはMT管の小型アンプを検討し始め、何処かのショールームで聴かせてもらったEL34の18Wも出るプッシュプルに圧倒されて予算を積みますかどうか悩んでいると言う相談を受けた。

私もそれに刺激を受けて、岩村先生の回路で自作したEL34のプッシュプルと、適当に作った12BH7Aのシングルを取り替えて、同じ音源と、同じスピーカーで聴き比べてみた。

音源は、オスカーピーターソンのトリオのレコード。
スピーカーはFE103NVフルレンジのバックロードホーン。このバックロードホーンはブナの無垢材で作成、設計図はフォステクス推奨のものを元に適当にアレンジしたもの。
プリアンプも自作のものをつけていて、ボリュームはこれで調整。

で結果はどうかというと、明らかにEL34プッシュプルのほうが低音のボリューム感があり、それでもってソリッドでスピーカーに負けていないという感じ。従ってボリュームもそれほど上げなくても高音がスッキリと伸びるので、音に煩さを感じずとても心地よい。一つ一つの楽器の音がとてもクリアに聴こえる。何よりも私の好きなベース(低音部)のソリッド感がある響きが心を動かすではないか。
12BH7Aシングルのほうはというと、普段聴いていて良い音だなぁと思っていたはずなのに、全体的に出音が苦しそうに聴こえる。バックロードホーンの開口部から出る低音もこもり気味で、もう少しはっきりさせようとボリュームを上げるものの、今度は高音がうるさくなる。

これはあくまで、この環境(音源、MMのレコードプレーヤー、スピーカー、プリアンプと部屋)下でのダメ耳のジジイの評価なので当てにはならないかもしれない。そんなジジイでも、違いを認識したのだから、これからの真空管アンプ作成に向けた刺激になったのは間違いない。

そして、この環境、特にスピーカーを取り換えるとまた全然違う音に聴こえるのかもしれない。なんとなく感じているのは、このブナの無垢材で作ったバックロードホーンは、実力を発揮するのに少しコツがいるように思っていた。それが、正にこのプッシュプルのパワーによってより良い結果が発揮されたように思うのである。

逆に言えば、12BH7Aのシングルだってきっとある環境下では、十分満足することができる音色を出してくれるのだろう。

良い音というのは、一種類では無いし、その人の感じ方で違うわけなので、その真空管の特徴をうまく活かして、気に入ったシステム(レコードプレーヤーからスピーカーまで)を作っていく事ができれば良いのだろう。

いずれにしても、真空管や真空管アンプ毎に違いがあると言う事を利用して、益々工夫をしてみようと思うのである。