私はプリアンプ派
レコードをメインで聴く私は、当たり前の様にいつもプリアンプを通して、パワーアンプ経由でバックロードホーンを鳴らして聴いていた。
このデジタルの時代、プリアンプ不要論もあるようで、人それぞれ聴く環境が違うので、その環境ごとにいい音のためのパターンがあるのだと思う。
ところで、私の環境で、フォノイコ内蔵MMレコードプレーヤーからダイレクトにいくつかのパワーアンプに繋いで聴いた時と、プリアンプ経由で聴いた時の音を比べてみたところ、圧倒的にプリアンプ経由で聴いた方が、私の感性に合っている事がわかった。
表現が難しいのだが、個々の楽器の音色がハッキリとしている割に、落ち着いている。また、ボヤけていなくてクリアであると表現すべきか。とにかく、落ち着いて安心して聴ける気がする。
もしかすると、プレーヤー内蔵フォノイコの音とブリ内蔵のフォノイコの違いかもしれない。
プリアンプは、12AX7の4球で、NFB型フォノイコを採用している。1977年に清水源一氏が設計したプリアンプを私流に自作したモノである。
更なるプリアンプの良い点は、色々なソースを集めてきて、いくつかのパワーアンプに切り替えて使える事である。
私の場合は、ソースとしてMMプレーヤー、MCプレーヤー、そして、CDプレーヤーの選択ができる。アウト側は、300Bシングル、エレキットのTU-8200(三結)、そして、ミニワッターやPP類を取っ替え引っ替えできるラインで3択できる。これがあるとスイッチ一つで色々な聴き方に変えられるので便利である。
そして、パワーアンプを切り替える時に一番大事なのは、どれを聴いても一定の音量に保つ事ができる事である。300Bとミニワッターでは、パワーに雲泥の差があるので、その音量調整にプリアンプは欠かせない。
プリアンプのおかげで、どの接続(3ソース x 3アンプ)の場合でも自分に合った音量で、いい音を聴く事ができる。
(実は、セイデン社のセレクターを使ったオーディオデザインのHAS-33Sを使っているので、それらのパターンx 3スピーカーの切り替えができる。)
と言うわけで、一つの音源を色々なパターンで聴くことができるのだが、私のダメ耳では、スピーカーによる違いはわかるのだが、アンプの違いによる音質の大きな差がわからない。
どのアンプでも皆いい音に聴こえる。
色々なパターンをスイッチで切り替えて聴いてみて、パワーアンプの大きな違いがわからないと言う事実を発見するために、私にはプリアンプが欠かせなかった。
きっと、ダメ耳で違いがあまりわからないのに、懲りずにまた、新しい真空管アンプを作って、プリアンプに繋いで聴いて悦に入るのだろう。
追伸:
次回、プリアンプを作る機会があるときは、CR型フォノイコ内蔵の真空管アンプを作ってみたい。そして、その時お小遣いが溜まっていたら、MC昇圧トランス、HM-3を使って、MC、MMの切り替えもできる様にしたい。