CMポリス出動!! ~Amaz〇n CMの違和感~
今回の「CMポリス」のターゲットは
伏字が伏字の役割を果たせない巨大企業です。
(我ながら「CMポリス」って昭和レトロなネーミングだ。)
1:プロロオグ
2:前田司郎さんに共感
3:シリーズのブレない路線
4:違和感の正体
5:さらに探る違和感の正体
6:結局のところ
7:エピロオグ
1:プロロオグ
最初に言っておきますが
私はA社の普通程度のユーザーです。
1ヶ月に1度くらい、買い物します。
だいたい本です。自分のか、人に贈る本を買います。
プライムは入ってません。
いつもありがとうございます(←チキン)。
どっちかというと好きな企業だと思います。
だからこそ。
「あんなCM流したら、逆に企業の評価下げません?」
と言いたい・・・。
2:前田司郎さんのツイート
先日、劇作家・前田司郎さんの
ツイートが目に止まった。
A社のCMについての感想である。
前田司郎(@maeda1977)
批判じゃなくて、あの肉じゃが作ろうとして母親にテレビ電話して、結果カレーになっちゃって、彼女が来るから電話切ってデートの音楽かけるCM何回見ても安定して気持ち悪いから、逆にすごいと思う。2019年6月11日
わが意を得たり、と思った私は、下記コメントをつけて引用リツイートした。
委員長(Keiko Funahashi)@theateruna
私も見る度にゲンナリします。
なぜ、彼女になろうとしている女性に「母親の味つけの肉じゃが」を作ろうとしているのかもこわいです。AmazonのCMこわい。
日本向けに日本じゃないところで作っているのかな。もしやAI?!Alexaが作ってるのか?!「こういうのが好きなんでしょ」っていう。6月11日
・・・すると、ご本人からこんなお返事をいただいた!
大先輩は懐が深い。
(実は一度だけ直接お話したことはあるものの、
先方は覚えてらっしゃらないはず…)
前田司郎 @maeda1977
わざと気味の悪いものを作って印象に残そうとしてるのかなと思いました。良かれと思って作ってたらかなり危ないですよね。6月11日
「わざと気味の悪いものを」・・・その発想はなかった・・・。
そしてそのツイートのやり取りをご覧になった
別の方からさらにお言葉をいただく。
ふみ @hltCrF96q5APoLA
…自分が美味しいと思った物を食べてもらおうと思って作ってるのかと思ってました…。6月12日
その発想もなかった・・・!!!!!
(一瞬だけ、自分の「ひねくれ心眼」を恥じた。)
3:シリーズのブレない路線
私が見たことある同社のCMシリーズ。。。
〇赤ちゃんが愛犬(レトリバー)を
怖がって泣くので、一計を案じた「新米パパ」。
ライオンのたてがみコスプレグッズを購入し、
愛犬につけてみると、赤ちゃんが泣かなくなった。
〇若い頃のおばあちゃんがバイク二人乗りを楽しんでいた写真を見つけた「男孫」が、翌朝便でヘルメットを購入、
菜の花(ひまわり?)畑を2人でツーリング。
〇「夫」が脱サラ、夫婦で田舎に引っ越した。
都会暮らしに未練のある妻のため、
夫がガラス瓶を購入、その瓶に自家製スイーツを詰めて
妻に贈り、妻は大感激。
〇「若い男性」が、
一人暮らしの自宅で女友達をもてなそうと、
本格的に肉じゃがを作っている。
母の味にならない、と、アレクサで母にSOS。
母親はそのままカレーにするレシピを伝授するも、
女友達が来たため、母との通話は切られ、
アレクサから「デート用の音楽」が流れる。
何か感じませんか!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ふつうにいい話じゃないですか?」
という方もいらっしゃるのかもしれないが・・・!
4:違和感の正体
これら4本以外にもあるようですが、私が2回以上見たのはこの4本。
これら4本に共通するのは
プレゼントするのは「男性」!
テーマは「家族」!
「家族愛って、こうでしょ!」というストーリー!
A社の仕組み(配送)とA社製品(AIスピ-カー)は
そのお手伝いをします、という心憎い(?)出し方。
ストーリーも撮影方法(編集?カット割り?)も、なんとなく日本離れしてる。
日本人向けに、日本のことを徹底的にリサーチしたけど
細かい心情まではさすがに拾い切れなかった・・・というような。
「肉じゃが編」が気持ち悪いのは、
「料理をする」という「いまどき風な男子」が
「母の味の肉じゃが」という
昭和の価値観を引きずっているからだ。
そのギャップは、かわいくない。ただ気持ち悪い。
肉じゃがは、日本人にとっては「母親の愛情」の象徴だ。
どの家庭でも作られていて、
味付けが違い、みんなが味に一家言ある。
そして、記憶の中では必ず「お母さんが作ってくれた料理」だ。
だから、日本の文化とか慣習の中で育った人なら
あのCMのあのシチュエーションで
肉じゃがはないな、となるはずなのだ。
これから親交を深めようという女性に対して
「自身の母の味」を食べさせるなんて、マイナス以外の何物でもない。
「これ、ボクの母の味なんだ(こういうごはんが毎日食べたい)」
「おいしい! お母さまの味に近づけるようがんばる(いい嫁になります)」
なんていう会話が21世紀の日本の女性に通じるはずがない。
せいぜい
「これ、ボクの母の味なんだ」
「あ、そう! 私たち、味の好み合うみたいだね。料理任せた」
でしょ(笑)
5:さらに探る違和感の正体
犬のCMも、私は、犬が可哀そうだと思う。
犬は、赤ちゃんより(そして、おそらく嫁より)
あの男性と長くいたのに
赤ちゃんが生まれたら、
それに合わせてライオンの格好をさせられる。
何が悲しくて、レトリバーがライオンにならねばならんのか。
ひたすら「犬って忠実でかわいそやなあ」と思わされる。
脱サラのCMは、
ストーリーがあからさま過ぎて気持ち悪いし、
妻が安易に妥協しすぎ。
自家製のスイーツくらいで
田舎暮らしの不安が払しょくされるか…?
何より私が思ったのは「覚悟決めてないのに、一緒に移住してくるな」だ。
脱サラした夫もちゃんと説得してから連れてこい。
あの夫婦、周りを巻き込んで、最後は自己完結するタイプと見た。
例外は、「バイクでばあちゃんと2ケツ」で、
これだけは気持ち悪さは感じない。
「孫と年寄り」は、私のひねくれ心眼をも、はねかえすのだろうか。
たぶん、あの孫とおばあちゃんの間には
「いやらしいかんじ」がないからだと思う。
「飼い主と犬」「夫と妻」「男女」・・・
「意図、利害関係、上下関係」が消えない。
でも、あの男孫と祖母の間には
「ただ、相手のことを思ってする」が成立すると思う。
6:結局のところ
違和感の正体は
・「現代的」に見える「優しい男性」が
・「家族」に対して「旧来的価値観での“良いこと”」を
・「してあげている」
というギャップによるものだ。
おそろしいのは、最初見たときには違和感には気づかないのだ。
でも何度も見ているうちに「ハツ!」と気づく。
前田さんの言うように
「良かれと思って作ってたらかなり危ない」
のであるが、A社ほどの世界的企業だ。「意図的」に作ってるんだろうな。
そう考えると
若い女性に人気の雑誌使って
モデルに自党の印象操作させる
わが国の現在の与党って
まだわかりやすい。
もちろんフェイクニュースはダメだが、
政党の「印象操作=プロモーション」自体は
禁止できないだろう。
メディアリテラシーがますます必要だ。
7:エピロオグ
これを書くために
【アマゾン CM 嫌い】
でググったところ、
世間(=ネット界隈)でも「いやだー」と
声を上げておられる方もちらほらおられました。
CMにおけるジェンダーや家族観というのは
ウォッチしがいのある分野ですね。