Netflix「ネクスト イン ファッション」に見る、”正しい”お金の掛け方(2020.2.10)
今日のテーマ:現場に”正しく”お金かけてるものって、いいですね。
サラリーマンのみなさん、月曜出勤おつかれさまでした!
明日は祝日♪ 明日お休みの方はごゆっくり。休みじゃない方、ほどほどにがんばりましょう。
さて・・・Netflix「ネクスト イン ファッション」という番組を見始めてしまった。
(この番組のMCの1人は、ゲイ5人組がフツーの人の人生を改良しちゃうリアリティ番組「クィア・アイ」のファッション担当、タン・フランス♡ タンのイギリス英語がたまらない♡)
すでに実力のあるファッションデザイナーたちが2人1組でチームを組み、制限時間内に「課題服」をデザインし縫製。このガチンコ勝負を10戦繰り返す(10話あるのでたぶんそうだと思う)。毎回、脱落者が出て・・・最終勝者の賞金は25万ドル!!!! スポンサー太っ腹!!!!
言うなれば、「TVチャンピオン」のファッションデザイナー版。
もっと言うと「ソーイング・ビー」の、プロ&めちゃくちゃお金かけてる版です。
え? 「ソーイング・ビー」をご存じない? 嗚呼!(©坂口安吾)
「ブリティッシュ ベイクオフ」の、お裁縫版ですね。
え? 「ブリティッシュ ベイクオフ」をご存知ない? 嗚呼!!(©坂口安吾)
【忙しい現代人に説明しよう!①】
「ブリティッシュ ベイクオフ」
BBC制作。イギリス全土?から集まったお菓子作り大好きなアマチュア(ベイカー)が集まって課題ケーキを焼き、優勝を決める。
課題ごとに1人ずつ脱落、最後に優勝が決まる。
審査員は、どちらも料理のプロで、ジョージ・クルーニーみたいなダンディ紳士と、ご意見番的な英国レディ。なかなか辛口です。
家族や近隣ではそれなりに自慢できる腕前と推察されるものの、シロウトさんのお菓子づくりのドキュメンタリーがそんな面白くなるのか?(しかもイギリス料理……以下自粛)という私の貧しい予想を裏切り、意外と楽しい。意外と見れる。
ふつうの主婦とかおじさんが、一生懸命オリジナルなケーキを焼いては、審査員に「くどい」「膨らみが足りない」などと言われ、シュンとしてるのを見ると、頑張れと思う(笑) シーズン7まで制作されたようです。合言葉は「レッツ・ベイク!」。Dlifeでたまに観てた。
【忙しい現代人に説明しよう!②】
「ソーイング・ビー」
ブリティッシュ ベイクオフに味をしめた、もとい、人気に気を良くした(←言い方)らしいBBCがスピンオフで制作。ケーキの次はなぜ裁縫? おそらく共感できる人が多い分野だからだろうか。イギリスでは、誰しもが一度はケーキを焼き、服を手作りするのだろうか・・・。
イギリスのアマチュア裁縫自慢(娘の服は全部手作りしたわ!みたいな主婦とか。もちろん男性も)が集まって、課題の洋服を作る。ハロウィンの子供用コスチューム、とか、プロムパーティのドレス、とか、課題がいちいちニクい(死語)。
縫ってる最中のシロウトさんのところに行っては、「その生地縫いにくそうだね」とか声をかける審査員。縫物がめちゃくちゃ苦手な私は、もし話しかけられたらキレちゃうよ(笑) NHK Eテレで放送されてたやつをたまたま観てた。
※実際、Netflix「ネクスト イン ファッション」(2020年)がBBCの「ソーイング・ビー」(2013年~)を、参考にしたのか・していないのかは、私はわかりません。・・・たぶん、Netflixとしては「知ってはいるが全く意識してない」というところだと妄想いたします。
とにかく「ネクスト イン ファッション」は、TVチャンピオンの、超お金をかけたファッションデザイナー版なのです。TVチャンピオンを知らないお若い方はお父さんお母さんに聞いてください!!!
挑戦者たちは、自分のブランドをすでに持っていたり、ビヨンセとか超セレブのステージ衣装を実際に作ったりした、すごい経歴の人たちばかり。ただ、まだ自分の名前が世界のファッション界に轟くというほどではない(らしい)。若くて野心溢れまくりの様々な国籍・人種、LGBTもいる。
そんなプロたちを存分に競わせようと、制作側も、金に糸目をつけない! スタジオに揃えられた、大量の生地、糸、小物(スワロフスキーのクリスタルとか)。「なければ取り寄せることもできる」という。そしてピカピカのミシンと裁縫用具!
挑戦者たちは、毎回出される課題に沿って、新作オリジナル服を「1日目+2日目の数時間」という、どう考えても過酷な日程でデザインし、縫いあげ、スタジオに用意されたランウェイで披露。着ているのはおそらくプロのモデルでもちろんヘアメイクつき(メイク用品はM・A・C!)まるで本物のファッションショー!(本物見たことないけど)
みんなアーティストとしてのプライドに満ち満ちており、デザインがトンガリまくり(笑) 私が「ヘンなの」と思うものが、審査員に絶賛されたり、私が「カワイー!」と思ったものは、ことごとく審査員からNOを食らう。。。 自らのセンスのなさを改めて思い知らされる(笑) (審査員は名のあるデザイナーとかスタイリストだそうです)
まあ、たぶんそれコミで面白がっていいと思うんです。
「私はこれがいい」
「えー! あれはない!」
ファッション界と無関係な一般人はツッコミながら見ていい番組だと思う。
あと、モデルたちはプロ意識が高く、どんなにヘンに見えるドレスもちゃんと着こなす!! これがモデルの凄さ…。脚本の出来があまり良くなくても、俳優が上手くて芝居として成立しちゃうことがあるのと一緒か・・・(例えが分かりづらいわ!!)
で、言いたいことは冒頭に書いた通りです。
金かけるならこういうところにトコトンかけるのが面白いなーということ。
もちろん、BBCのアマチュアベイカーが野原に立てられた牧歌的なテントの下でケーキ焼く、という企画は(ほんとに野原の真ん中でやってる)、アマチュアがやるから共感を得たのだし、あれはあえて「アマチュア同士で競う」ことで成立させていた。(※アマチュア=ケーキを焼くことを生業にしていない人という意味です)
そのへん、もしかしたら、イギリスとアメリカの国民性の違いなのかもしれない(笑)
フツーの人同士が野原で戦う光景に胸アツなイギリス。
ピカピカの最先端のスタジオでプロ同士が激突するのが見たい!というアメリカ。
ちょっと単純化しすぎかもしれませんが(笑)
とにかく、金に糸目をつけないって、こういうところでやるもんですよね。(どこかの国の桜のナントカとかじゃなくてね・・・。)
これ書いてる時点で、まだ課題ドレス1つ目しか見てないんですが、早くも、寝不足の予感です。。。
というか、
課題ドレス10着ある(=10戦ある)のに、
最初の1戦だけで2800字も書く自分がちょっと怖い。
そのくらいNetflixの企画力、本気度、情熱が凄いんだ、ということですかねー(๑´ڡ`๑) ・・・ちなみに1話目のお題は「レッドカーペットで着るドレス」でした。この後、「スーツ」「ストリートファッション」「下着」などの回があるようです。攻めた下着なんだろうな・・・。
気になった方は、是非Netflixで一緒に観ましょう!