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良いGKとは…

こんにちわ。

G大阪のGK谷晃生くんが東京五輪を目指すU-22日本代表合宿に参加してます。

この世代は広島でレギュラーを張る大迫敬介くんがいて、近年稀に見る、それこそ川口能活VS楢崎正剛のようなハイレベルな争いになりそうです。

なぜなら谷くんは、JFA(日本サッカー協会)からの強化指定選手でも最高級の「Sランキング」を付けられたという逸話があるほどの期待をされているGKだから。

でも良いGKの定義って何だろう?

そこでG大阪でGKコーチを務めている松代さんに聞いてみました。

知らない人のために少しプロフィールを説明します。

【松代直樹】1974年4月9日、奈良県出身。天理大学を経てG大阪入団。2009年に現役引退。翌年からG大阪のアカデミーで指導者としてのキャリアを歩み始め、18年からトップチームのGKコーチに就任。

最初に言われたのがGKの原理原則でした。

まずGKはキャッチングすることがファーストチョイスに置くべき、と。パンチングは相手の攻撃を受ける可能性があるが、キャッチすることで、次は必ず自軍の攻撃ターンになる。そこはファーストチョイスとして持っておくことが原則。キャッチできないのであれば次にパンチングという選択肢です。

ふむふむ。これは何となく理解していました。

次に言われたのが「予測」です。松代さんいわく「それは勘ではなく、確率」ということ。

例えばGKから見て左サイドから攻められていたとします。ゴール前にはニアとファーに相手選手がポジションを取っていたとします。この場合、GKはニアに比重を置きながら、ファーも見えるポジションを取ることが大事になります。逆にニアにしか相手選手が走り込んでいない場合はニアを100%防ぐポジション取り。つまりシチュエーションによって、とるべきポジションがあり、どれだけ正確にポジションを取れるかが失点を防ぐカギになると言います。

松代GKコーチ、そこでポソリと言いました。

「GKコーチが至近距離でシュート打って、それを止める練習。ボクはあまり好きじゃないんですよね」

ボクも小さい頃からサッカーやってましたが、確かにそういう練習してるGKが多かった!!至近距離のシュートをガンガン止めるヤツを見ながら「すげえ!!」と感心してました。

でも、そんなシチュエーションって1試合に1度あるかないか。キャッチングがベースにはなるとはいえ、より実践的な状況をトレーニング中から作り、総合的にブラッシュアップすべきなんでしょうね。

谷くんの話に戻る前に、もう少しGK論(by松代GKコーチ)を続けます。

この「キャッチングorパンチング」「ポジション獲り」のベースにあるのが「判断」。やはり、そこのレベルが図抜けているのは東口順昭選手と言います。

「今年は特にヒガシ(東口)の目立ったプレーが少ないでしょ?」

松代GKコーチは笑いながら問いかけてきました。そうなんです。先日10日の大分戦では1対1を止めるシーンがありましたが、今季の東口選手は〝地味〟。でも、GKコーチの目から見れば、それは大きな成長の証しのようです。

「先に相手のシュートがどこに飛んでくるのか予測ができている。だから準備できているし、先回りできるんです」

どこが危険かを「予測」して、その危険なエリアをケアする「準備」。そして「先回り」という点で面白かったのは、ステップワークです。東口選手の優れている点は「足を運ぶ」ことで、だから実は難しいシュートも体の真ん中で止めていることが多いとのことです。だから派手に見えないのです。

確かにド派手なジャンプしてセーブするシーンは、見ている側にとっては盛り上がりますよね。僕もそれが良いGK(身体能力の高い)のスキルの一つかと今の今まで勘違いしていました。

もちろん「予測」と「準備」ができているGKでも派手にジャンプすることはあるらしいです。それは筋肉の質の違いも関係するそうです。足を上手く運べないGKもいるようで、そうなるとバネを生かしたセーブの方が有効になる時もあるようです。

で、谷くん。

松代GKコーチいわく

「彼は全ての部分で判断スキルが磨かれている過程にある」

その言葉には「まだまだ」という思いと「上がってきている」という両方の側面が隠されていると思います。
「予測」の部分でも「準備」の部分でも「判断」は求められます。全てコンマ何秒の間で、正しく選択していかなければなりません。そこを磨くのは、試合をこなすだけではなく、いかに練習から試合を想定して取り組めるかです。

谷くんの「判断スキル」がどう上がっていくのか。

今度のU-22代表戦で出番があるかは分かりませんが、今後の試合で谷くんを見るときは、その点を重視したいと思います。

ご精読ありがとうございます。

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