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男子三日会わざれば刮目せよー食野亮太郎

たくましくなっていた。「男子、三日会わざれば刮目(かつもく)して見よ」。この言葉は本当だ。
胸板を触らせてもらったが、ほんの3カ月前とは別人のような体つきになっていた。

食野亮太郎、である。

この日から広島で行われているU-22代表合宿の取材に参戦。練習後、彼に話を聞く機会に恵まれた。「ガンバにいた時よりも一回りでかくなってない?」と聞くと、ニヤリと笑いながら充実した日々について語ってくれた。

「試合の強度、練習の強度が高い。そこで筋肉が付いている。それに向こうは筋トレをガッシャンガッシャンやるんで。ブリティッシュサッカーは体が強くないとアカンのです」

8月中旬、G大阪からマンチェスターCに電撃移籍した。そして、そのままハーツ(スコットランド)に期限付き移籍。チームの調子が上がらない中、食野はリーグ9試合2得点を挙げている。10月20日の強豪レンジャースとの1戦では鮮烈なボレーシュート。敵将で元イングランド代表のレジェンドであるジェラード監督からも絶賛された。10月にはアンダーカテゴリーですら招集されたことがなかった〝日の丸〟の舞台にも初招集。着実なステップを踏む食野だが、3カ月ぶりに見て、理由が少し分かったような気がする。

「こっち(日本)ではファウルを取ってもらえたプレーでも、向こうでは取ってもらえない。それがスタンダードになりました。やから当たられてもコケない、むしろ跳ね返す。そんな体作りをしている。あとはピッチが日本に比べると柔らかい。ケツ回りも筋肉が付いている。自分の中のフィジカルスタンダードは確実に上がっています」

郷には入れば郷に従え。これは海外で成功するために大事なことだ。だが、それで本来の持ち味を失っては元も子もない。食野は言う。

「チャンスが来たときには仕掛けられるようにキレを落とさないようにしている。そのための個人練習もしています」

欧州では居残り練習や個人練習をタブーとするクラブもあるが、ハーツはフィジカルコーチの了承を得れば問題ないとのこと。個人的にお世話になっているトレーナーにアジリティー用のメニューを組んでもらい、〝コソ練〟に励んでいるようだ。

「やっていて楽しいですよ」

かつて本田圭佑は「成り上がるときは一気に成り上がらないと」と口にしたことがある。まさに食野を見ていると、在りし日の本田圭佑を見ているような錯覚に陥る。

若者がどう変化していくのか。これはアンダー世代を見る醍醐味である。まずは17日のU-22コロンビア代表との親善試合。

「自分のポジションは得点を取るポジション。チームの勝利を最優先にしつつ、自分の特徴も出す。結果を出して、また呼ばれる。そんなサイクルを作っていきたい」

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