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呉屋大翔とG大阪

こんにちわ。
Jリーグのストーブリーグが徐々に過熱してきました。

https://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2019/12/06/kiji/20191205s00002180421000c.html

J1昇格を決めた柏レイソルが、J2長崎FW呉屋大翔選手の獲得に迫っています。あくまでクラブから正式リリースされるまでは「決定ではない」という注釈付きですが、今回は僕が担当するG大阪側の視点から考察したいと思います。

呉屋選手は今季、G大阪から長崎に期限付き移籍。J2リーグで得点ランキング3位の22得点を挙げました。普通の考え方ならば来年はG大阪に復帰。
でもG大阪は彼を引き留めるべきではない、と判断しました。




数字だけでは計れない様々な事情が、移籍市場には絡みます。




呉屋選手は、一言でいえば〝点で合わせるストライカー〟。長崎でもヘディングシュートが多かったように、BOX内でのスペースの作り方、シュートを打ちやすいポジションを見つけることに長けた選手です。日本サッカー界では稀な「フィニッシュ」に特化した選手でしょう。

一方、G大阪のFW陣は〝線〟も要求されます。宇佐美選手とアデミウソン選手は技術を活かし、中盤からのビルドアップにも参加します。パトリック選手と渡辺選手はフィジカルを活かしてタメを作り、中盤の選手が前を向いてプレーするような働きを求められています。

さらに来季の陣容とタイミング。
現状ではG大阪はFW4人とも残ることが濃厚です。広島から期限付き移籍してきているパトリック選手に関してはウン億円という移籍金での来季買い取りオプションが義務づけられています。渡辺選手も契約が残っており、残留の線が有力。当然、宇佐美選手とアデミウソン選手も残留が濃厚です。

もしも上記の4人の誰かが移籍するとなれば、呉屋選手を復帰させるという選択肢があったかもしれません。また今後、誰かが動き出す可能性もあるかもしれません。
ただ4人に具体的な動きがない現時点、G大阪が呉屋選手を戻すタイミングではなかったのです。逆に柏は欲しいタイミングだったのです。

ほとんどのチームに当てはまりますが、チームを編成する上で「4」という数字は大事になります。2トップ採用クラブならばFWは4人。4バックならばセンターバックも4人、両サイドバックも4人。1枠しかないGKでも4人置いているチームが多いですね。有事に備えて、計算できる選手は4人置いておきたいというのが通常の考え方です。

G大阪の宮本恒靖監督は来季も3-3-2-2システムをベースに考えていると明言しています。そう考えると、呉屋選手はFW枠の5人目になってしまう可能性があります。もちろん、J2で結果を残した選手。G大阪フロントも復帰させたいのはやまやまですが、そうなると彼のキャリアを停滞させることにもなるでしょう。
プロクラブは自チームの強化・補強は当然、預かった選手の将来も考えなければいけません。
天秤に掛けた上での決断だったと思います。
柏側の思惑は分かりませんが、呉屋選手にとってはネルシーニョ監督の堅守速攻型サッカーは、より特徴を活かせて、より出場チャンスを得られる環境ではないかとも感じます。

ちなみに有名な話ですが、大卒1年目だった16年ルヴァン杯決勝・浦和戦。彼はPKキッカーに名乗り出て失敗しました。ですが、当時の長谷川健太監督を始め「気持ちの強さ」は称賛されました。本人も顔を下げずに、胸を張って取材に答えていたのが印象的です。
そして「フィジカルの強い槙野選手をいつか超えたい」と口にしました。
その〝いつか…〟は、もう間もなくではないでしょうか。


ご精読ありがとうございました。
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