倉敷市+寄島・宇野|路線バス・臨鉄無料デーの旅
2022/9/23(金)〜9/25(日) にかけて,岡山市周辺を旅してきました.この note では,2日目の様子を紹介します.
1日目の様子は以下記事を参照.
路線バス・臨鉄無料デー
前提として,倉敷市の「路線バス・臨鉄無料デー」をご紹介.
「路線バス・臨鉄無料デー」は,倉敷市内を運行する路線バス(一部路線を除く)と水島臨海鉄道が終日無料となる取り組みです.また一部路線では市外の運行区間も無料となります.
この取り組みは2022年に計4回行われる予定となっており,その1回目である 2022/09/24(土) に合わせて,倉敷を訪問したのでした.
移動経路
下図の経路で移動しました.無料デーは倉敷市の催しですが,寄島(浅口市)・宇野(玉野市)にも訪れました.
図中①〜⑭の番号が振ってあり,この順に移動しました.それぞれ具体的には下記の通りです.
① JR 倉敷駅→里庄駅(山陽本線)
② 徒歩 里庄→寄島
③ 井笠バス 寄島総合支所前→新倉敷駅前(寄島~新倉敷線)
④ 両備バス 新倉敷駅前→倉敷芸術科学大学(新倉敷・芸科大線)
⑤ 両備バス 倉敷芸術科学大学→倉敷駅前(倉敷小溝線)
⑥ 下電バス 倉敷駅前→児島駅前(天城線)
⑦ 下電バス 児島駅前→宇野駅前(児島宇野線)
⑧ JR 宇野駅→児島駅(宇野線・本四備讃線)
⑨ 下電バス 児島駅前→下津井港前(とこはい号)
⑩ 下電バス 下津井三丁目→鷲羽山第二展望台(とこはい号)
⑪ 下電バス 鷲羽山第二展望台→児島駅前(とこはい号)
⑫ 下電バス 児島駅前→倉敷駅前(塩生線)
⑬ 下電バス 倉敷駅前→茶屋町駅(茶屋町・倉敷成人病センター線)
⑭ JR 茶屋町駅→岡山駅(宇野線)
観光を楽しむことを念頭に置きつつ,いろんな路線を乗り継ぐことを意識して旅程を組みました.
本当は臨鉄にも乗りたかったのですが,無料デーの威力を最大限に引き出すために,泣く泣く断念しました.
無料デーでいくら得するのか?
上記①〜⑭それぞれについて,通常運賃と,当日の支払額を比較してみます.<>で囲った項目は無料デー対象外です.
<① JR山陽本線 420円>
<② 徒歩 0円(参考:平日運行のバスは運賃200円)>
③ 寄島~新倉敷線 通常670円,当日0円
④ 新倉敷・芸科大線 通常260円,当日0円
⑤ 倉敷小溝線 通常460円,当日0円
⑥ 天城線 通常730円,当日0円
⑦ 児島宇野線 通常700円,当日0円
<⑧ JR 宇野線・本四備讃線 590円>
⑨ とこはい号 通常260円,当日0円
⑩ とこはい号 通常260円,当日0円
⑪ とこはい号 通常220円,当日0円
⑫ 塩生線 通常730円,当日0円
⑬ 茶屋町・倉敷成人病センター線 通常340円,当日0円
<⑭ JR宇野線 240円>
合計すると,
通常 5880円
当日 1250円
ということになります.無料デーのおかげで,4630円も得する計算になります.倉敷市様,どうもありがとうございます!
① JR 倉敷駅→里庄駅(山陽本線)
まずは,寄島発の朝のバスの時刻に合わせて,倉敷駅を早朝に出発します.JRは無料デー対象外なので,課金します.倉敷駅にはこの後2回戻ってきます.
クロスシート窓側席をゲット.景色を眺めます.高梁川を西へ渡ります.
里庄駅で降ります.2面3線,思ったより立派です.
② 徒歩 里庄→寄島
里庄→寄島 のバス路線は存在するのですが,なんと土日運休です.他の駅から寄島へ行く路線も,寄島~新倉敷線を除き,土曜日は運休です.地方交通の厳しい現実です.
バスがないので,田舎道を1時間以上,ひたすら歩きます.
途中で巨大な構造物が出現します.玉島笠岡道路という大きな道路が,ここを通るようになるそうです.
何故こんなものを紹介しているかというと,道路脇に建てられた壁に描かれた内容が面白くて,橋台の工事の過程とか,定期的に内容が更新されるクイズとか,そういったものが掲出されていたのでした.
歩き続けると浅口市に入ります.
まだまだ田舎道を歩きます.
歩き続けること50分,遥か彼方に海が見えるようになりました.
さらに進みます.突き当たりを左に曲がると寄島総合支所前の停留所の方面ですが,その前に行くところがあるので,右へ曲がり,さらに20分以上歩きます.
寄島
寄島町は寄島園地西側に広大な平地がありますが,これは干拓地です.昔の地形図を現在のものと比較すると面白いですね.
寄島には(個人的)主要な見どころが2つあります.その1つ目がこちら.アッケシソウ自生地です.アッケシソウは日本では自生している地域が限られている珍しい草です.
あと1ヶ月ほどで綺麗に色づくらしいのですが,このときはまだ青々としています.
2つ目の見どころがこちら,三ツ山です.海岸から近いところに,3つの岩が仲良く並んでいる,ちょっと珍妙な光景です.
近くでは老夫婦?がキャンプっぽい感じのことをしていました.他にもライダーっぽい若者の組とかカップルとかがいました.チェックポイント的な扱いを受けているのかも?
思ったより人が沢山いたので,長居せずに他へ移動します.
ついでなので,寄島園地も見ていきます.長い階段を苦労して登ります.
途中,雑草に勢いのある場所を通る必要があり,また蜘蛛の巣にも注意が必要です.
しばらく歩くと畑地に出ます.園地と名が付くだけあります.そのあたりで「つゆ姫之碑」なるものが現れますが,「つゆ姫」が何者なのか,ググっても情報が得られませんでした.情報求む!
寄島園地から北側へ抜け,寄島総合支所前を目指して移動します.
③ 井笠バス 寄島総合支所前→新倉敷駅前(寄島~新倉敷線)
寄島園地で時間を使いすぎたため,バスの出発ギリギリになってしまいましたが,なんとか時間に間に合いました.
バスで寄島から新倉敷へ向かいます.途中ではいい感じの山道も走ります.
本当は海側の席のほうが景色が良いのですが,バス停まで走ってしまったので,直射日光を避けて山側の席を陣取りました.
寄島からの乗客は自分を含めて2名でしたが,終点が近付くにつれて人をたくさん吸収していきます.
お客をたくさん乗せた割には,ほぼ定刻通りに新倉敷駅前に到着.
④ 両備バス 新倉敷駅前→倉敷芸術科学大学(新倉敷・芸科大線)
新倉敷駅と倉敷駅との間は,直線距離でも約9km離れています.この間を直通するバス路線は存在せず,倉敷芸術科学大学(芸科大)を経由する必要があります.
駅前ロータリーを東側へ進むと,芸科大行きのバスが停まっていました.最初は乗降口が閉められていたので,しばらく駅前を見て回ってから戻ってきました.
自分を含めて乗客2人の状態でバスは出発.しばらくして高梁川を東へ渡ります.
山道を登ったバスは芸科大に到着.到着時も乗客は二人.もう1人の乗客は大学構内へと吸い込まれていきました.
芸科大は高台にあるため,門の目の前にある駐輪場からは,南方の工業地帯を一望できます.
⑤ 両備バス 倉敷芸術科学大学→倉敷駅前(倉敷小溝線)
芸科大から倉敷駅へのバスは,2つの系統が存在します.今回は倉敷小溝線で移動します.出発時点では乗客は2人.
途中,不思議な名前のバス停がいくつかあります.そのうちの1つがこれ.「ドンドン」.川を流れる水の音に由来するとか.
他にも,「ヤットコ」「ヘラ取神社」「穴場神社」などなど,どうしてそんな名前になったんだと,そう思う停留所がたくさん.
倉敷市街が近づくに連れて,乗客もかなり増えてきました.道路の流れも微妙に悪いのか,かなり遅延しています.
倉敷駅前には,定刻から15分ほど遅れて到着.バスターミナルではテレビカメラが回っていました.この日2度目の倉敷駅です.
このあと,乗継が間に合えば乗ろうと思っていたバスがあったのですが,間に合わなかったので,サブプランに切り替えます.次のバスまで時間があるので,駅前の天満屋で飲み物を仕入れます.
⑥ 下電バス 倉敷駅前→児島駅前(天城線)
倉敷駅前と児島駅前を結ぶバスには3つの系統があります.このうち2つの系統は本数も多く,普段からそれなりの利用があるようです.バスターミナルには待機列ができていました.暫く待つとバスがやってきました.
倉敷駅から児島駅を目指します.道中で出会ったこれ,全然知らなかったんですが,凄いですねぇ.
こちらのバスも途中で沢山の乗降があり,児島駅前には15分ほど延着.児島駅構内には,観光マップが掲出されています.
⑦ 下電バス 児島駅前→宇野駅前(児島宇野駅線)
児島駅からは,バスで宇野駅へ行きます.この区間を直通するバスは1日1往復のみです.それを片道分だけ使います.多くのバスは「王子ヶ岳登山口」が終点で,そこから別のバスに乗り継ぐという風になっています.
王子が岳はこんな感じ.岩肌が露出していて面白いです.奇岩を眺めながら瀬戸内海を一望できるスポットなので,時間がある方は登ってみると良いでしょう.実は裏手から車でも頂上付近まで行けるらしいですが.
そんなこんなで,数分遅れで宇野駅前に到着.
十数分後に児島駅前行きの折返しバスが出発しますが,宇野駅周辺を見て回りたいので,その折返しバスは利用しません.
宇野駅周辺
宇野駅周辺には見るものがいくつかありますが,まず目を引くのは海沿いに設置された芸術作品たちです.
が,しかし,個人的メイン目的はこれ,「宇高連絡船の遺構」です.
瀬戸大橋ができる前,本州と四国を結ぶ動脈として活躍した船の係留時に使っていた設備が,一部のみ残されています.
そして,これに関連して,すぐ近くの「玉野産業振興ビル」では,連絡船のジオラマが展示されています.ちゃんと作られているので見ておくと良いです.
先程見た遺構は,「第二バース(岸壁)現存部分」と解説されています.
時間があれば,宇野駅周辺で玉野グルメも食べたかったのですが,電車の時間が近づいていたため,断念しました.(補足:翌日に再度,宇野駅にやってきてグルメを食べます.)
⑧ JR 宇野駅→児島駅(宇野線・本四備讃線)
宇野駅から児島駅まで抜けるバスは,このあと夕方までありません.時間の都合で,宇野駅→茶屋町駅→児島駅,とJRで移動します.JRは無料デー対象外なので課金します.
四国連絡のメインルートから外れた宇野駅はローカル線な雰囲気ですが,設備はしっかりしている印象です.
茶屋町駅で黄色い電車に乗り換えます.
定刻通り,児島駅に到着.この日2度目の児島駅到着です.
駅前をよく見ると,梁にジーンズがぶら下がっています.さすがジーンズの街です.
⑨ 下電バス 児島駅前→下津井港前(とこはい号)
下津井まで,循環バスで移動します.めちゃくちゃ混んでいました.
始発時点で立ち席が発生していましたが,鷲羽山ハイランドでさらに大勢の若者を詰め込んで,バスは超満員です.後ろの扉から降車するお客さんもいました.
下津井港前で,乗客をかき分けてバスを降ります.
下津井
下津井の一番の見どころは「下津井駅跡」です.
かつてここまで鉄道が通っていたのですが,瀬戸大橋の工事で道路が整備され,お役御免となったようです.しかし有志によって多くの車両が大切に保存されています.
この日は保存会の方が車両の整備作業(塗装?)をしており,その横で,車両内部の公開も行っていました.
鉄道車両といっても,バスのような,こぢんまりとした感じです.可愛らしいですね.
駅跡のすぐ横には「下津井小さなてつどう館」という資料館があったので,覗いてきました.
展示物は順次拡充されているようで,事前情報よりも展示物が増えていました.模型を見て,なるほどこういう経路で走ってたのかー,と納得したりしていました.
写真や時刻表,ダイヤグラムなんかも展示されています.
他にも絵画とか,車両の屋根の木製部品とか,様々な展示物があります.
さて,駅跡の北側,かつての線路跡は遊歩道になっています.ここを少し歩いてみます.電灯など整備されていますが,当時のものと思しき設備もちらほら残されており,いい雰囲気です.地元民が犬の散歩をしたりもしていました.
⑩ 下電バス 下津井三丁目→鷲羽山第二展望台(とこはい号)
遊歩道に沿って北へ少し歩いたので,下津井港ではなく下津井三丁目からバスに乗ります.
とこはい号は,相変わらず満員です.これでも先程の便よりはだいぶ余裕があります.
鷲羽山第二展望台に到着.10人くらい降ろしたバスは,代わりに10人くらい吸い込んでいきました.
鷲羽山
この日最後の目的地は鷲羽山です.展望台から瀬戸大橋を一望できます.景色を楽しみつつ山頂まで行きました.
山頂付近まで登ってくると,瀬戸大橋がこんなに近くまで迫ってきます.
山頂からの眺めは木が邪魔なので,展望台や途中の開けた場所からの眺めのほうがオススメです.
夕日が綺麗とのことなので,終バスまで粘ります.
よいものを見られました.
展望台でもう少し粘りたかったのですが,終バスの時間が近づいていたため,日没ギリギリの時間までは滞在できませんでした.
夕日をちゃんと鑑賞したい場合,たとえ無料デー期間中でも「鷲羽山夕景鑑賞バス」に課金したほうがよいです.たったの520円ですから.時期に合わせて適切な時間に運行されています.
⑪ 下電バス 鷲羽山第二展望台→児島駅前(とこはい号)
鷲羽山を後にします.
そんなこんなで,この日3度目の児島駅到着です.この夕焼けを鷲羽山から見たかったですね.
⑫ 下電バス 児島駅前→倉敷駅前(塩生線)
再び倉敷駅へ戻ります.倉敷駅からやってきたときとは別の路線を使います.
もう外は真っ暗です.写真には上手く写せない夜景をぼーっと眺めながら移動します.国道430号・県道274号に沿って北上します.
この日3度目の倉敷駅です.
⑬ 下電バス 倉敷駅前→茶屋町駅(茶屋町・倉敷成人病センター線)
この日最後のバスで,茶屋町駅を目指します.
道中,バスの運転手の方が車内アナウンスで「明日は岡山市のバス・路面電車無料デーですので,ぜひご利用ください」との案内をしてくださいました.親切でありがたいです.
というわけで,茶屋町駅に着きました.この日2度目の茶屋町駅です.
⑭ JR 茶屋町駅→岡山駅(宇野線)
この日最後の移動です.快速マリンライナーで岡山駅まで移動します.
程なく,岡山駅に到着.
以上,倉敷市バス無料デーの旅でした.