死ぬ前に最期に見たいもの
さきほど、祖母が亡くなった。
母から連絡をもらって、病院に駆けつけた時には、すでに息をひきとっていた。
真っ白で血の気のない祖母の顔や体。すっかり痩せこけていた。
まだ生温かかったけれど、そこにはもう命はなくて、魂も感じられない。
今世の体を残して、旅立って行った。
電車に乗った帰り道、そこにはたくさんの”動く人間たち”が居た。
ここにいる人間たち、わたしも含めて、いつか動かなくなる。つまり死んでいく。
死に向かって生きている。
なぜ生きているのだろう。
なんで私の体やあなたの体は動いているのだろう。
なんだかとても、不思議な世界にいる気がした。
“どんな風に最期の時を迎えるか”は、”どんな風に生きるか”だから
願わくば、今世を終える最期の時に
澄んだ空気に包まれ、広くて青い空が見たい。
夕刻ならば、夕日。
夜ならば、星空が見たい。
大地に還って、循環の輪の一部になりたい。