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ファクシミリをやめようと思う

最初に留守電ファクシミリを買ったのは、いつだったろう?
確か1990年代後半で、不動産分譲の会社から物件情報をファクシミリで受け取って、それと国土地理院の1/10000地形図を突き合わせて、物件撮影のルートを組み立てていた(仕事)。
NECの製品だったが、インクはHP。プリンタ部分がモノクロインクジェット式になっていて、感熱紙や(高価な)インクシートを買わずに普通紙に印刷が出来るので、その機種を選んだ。
湯河原に来てからもしばらく使っていたが、さすがに10年くらいで調子が悪くなり、ブラザーのインクジェット式留守電ファクシミリに買い換えた。

しかし2020年となった今、ファクシミリを「廃止」する会社が現れた。それもスタートアップのベンチャーではなく、創業50年以上の「昭和な会社」。理由は「置き場所がない」。と同時に、ファクシミリで受発注をする相手先がもうない、と。そういえばうちも、その会社以外でファクシミリを使うことってあったっけ?ない。その会社のベテラン60代社員さん、「パソコン分かりませんデジタル苦手」と言っていたけれど、今はスマホでLINEを使っている。
で、うち。今、机を大きく占拠しているファクシミリ、これ、本当に必要?このファクシミリ、インクジェット式の弱点として、ヘッドの目詰まりを予防するために、毎日午前11時になると、自動的にインクの「空吹き」を行う。そのため、使っていないのに少しずつインクが減る。「持っているだけでコストがかかる」。

という訳で、近いうち、ファクシミリを廃止しようと思う。プリンタとしても留守電としても使えるので、値段のつくうちに売ってしまおうと。値段も何も、未だ現行機種として売っている製品なんですが、だからこそ「今、売ろう」と。あと10年たったら誰も買ってくれないよ、ファクシミリ。

もしかしたら、いわゆる在宅勤務の普及も、ファクシミリの衰退に一役買っている側面はあるかもしれない。会社にファクシミリがあっても、家庭にあるとは限らない。連絡はメールかチャット、電話。単身赴任で固定電話を引かず、携帯電話だけで済ませている人など、ファクシミリ買わない。「二次元の画像」を送受信したければ「スマホのカメラで撮ってメール」で済んでしまう。そういえば世界で最初に「携帯電話機にカメラを付けた会社」って、覚えてます?答え:「目の付けどころ」のSHARP、2000年(ただしPHSでは1999年に京セラがカメラ付き端末を作っていたらしい)。あの時私は断言したんです「携帯電話にカメラなど邪道だ!何が『写メール』か!『邪メール』である!」と。多分私の人生で最大級の、見通しの誤り。こういう人は投資なんて手を出しちゃいけません。今となってはカメラの付いていない携帯電話なんて売ってない。

そういえばメタル配線の電話をやめてもう10年以上経っているかもしれない。NTTのメタル配線アナログ固定電話は距離制。湯河原から東京、横浜、結構高い。IP(光)電話なら全国均一税込3分8.8円。

さようなら、ファクシミリ。

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