視診にバイアスをかけろ!
いわゆるベテランのセラピストが高いと思われる能力の一つに「視診」があります。
例えば私の経験ですがインソールのベテランは私の立位を見ただけで
「先生(私)は左足後足部、体重乗ってないからね〜」っていって確かに荷重テストをしてみるとそちらの方向に荷重できておらず、押さえれると不安定なことがわかりました。
また別の機会では足部の内容で講師の先生が一瞬私の足部を見ただけで、
「先生(私:サカイダ)は距骨がものすごい後方にずれてしまっているね」と、たしかにその後ゴリゴリ引っ張られる形で徒手療法で確かにアライメントを修正されました。
なかなか言葉だけでは伝わらないですが、
どちらも触れる前、講師の先生が指定するような姿勢を取る前にもう見抜かれていました。
一瞬で見抜かれているんですね。
本当に数秒です。
またこれらの話は歩行分析などでもよく聞く話かと思います。
我々のような中堅理学療法士でも、
足部をまず見て「足部の『ここ』が『こうなっている』から『こういう歩行になっている』はずだ!」というふうに考えることや
逆に、
歩行をみて「こういう歩行をしているからここの筋が張るはずだ!!」などと言った経験・推測することは誰しも経験のあることと思います。
これらのことに同時にこうも思ったことがあるはずです。
「ほんとにそんなことおきてるのか?」
ということです。
特に自分にとって馴染みのないことでは怪しく思うことも多いと思います。
はじめのインソールの先生は一瞬の間に私の「姿勢」を見抜いています。
足部アライメントを指導いただいた先生は私の裸足を一瞬だけみて「距骨のアライメント」を見抜きました。
なぜそんなことができるか、というときに考えておきたいのが、
その先生たちが
評価する背景に何を考えているのか?
どんなバックグラウンドをもっているか?
ということです。
インソールの先生はいつも
「どこに荷重して」という点で「姿勢」「歩行」を見ています。
なので私の姿勢を少しみただけでもこれらの相関が頭でパッとつながるのです。
足部の講師の先生の頭の中は配られた資料でこれだけ考えられていることがわかりました。
ものすごい量だとおもいませんか?
私は書き出してここまで整理できる自信はありません。まだこれらのパーツがあっちこっちにある感じになっています。
なにより先生がご自身でここまで整理されていることに感服してしまいました。
つまりここまで足部に関して自分の中で整理できているから「距骨」ひとつのアライメントについて一瞬で見抜けたのと思います。
「足部」という全体像の中で「距骨」がどこにあるのか、逆に他のアライメントも含めて整理できているからこその技(視診)と思います。
(解剖的知識を)整理して、触って、触ったことを目でわかるレベルにする。
考えてみれば当たり前のことしかしてませんが、
改めて徹底的に当たり前のことをするしかないということですね。
徹底的に整理していくことで最後には「視診」のレベルがあそこまでいくのだということを実感しました。
今回は以上になります。
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