立脚後期から再考する「VMSetting」
Setting動作というと膝の基本的なリハビリとして、選択されることの多い運動です。
SNSを見ていても実に様々な種類の形で紹介されているのをみますね。
皆さんはどのような形で、またどのような目的を持ってVMSettingをされていますか?
膝を床に押し付けて力が入り、膝に力が入ればいいのでしょうか?
意外とSettingって難しいと思っています。ちゃんと内側広筋に入れられているか怪しいものをよく見ます。
先日こういう記事をだしました。
ここで「立脚後期が作れているとは具体的に」
①股関節が伸展され
②膝が伸ばされ
③踵が坐骨と一番遠い
と書きました。
もしよければ記事をご一読頂きたいのですが、記事の中で②で膝が完全に伸ばされてVMがSettingされていること、③が足関節が背屈されていること、と書きました。
Settingを行う上で重要なこととしてそのままといえばそのままなのですが、
・Passiveでの膝伸展可動域が獲得されていること。
・足関節背屈動作を同時に行うこと。
です。
OAや術後、いろんな理由で膝の伸展可動域が制限されている症例もいると思いますが、まずは膝の伸展可動域の確保が前提なのは言うまでもないと思います。
そして意外と見逃されているのが足関節の背屈です。
膝をSettingしようとするときに、足関節の背屈も同時に行うことが重要と考えています。下腿三頭筋がしっかりとストレッチされることによって、更に膝の伸展が誘導されるからですね。
声掛けや、徒手療法のかけ方として、「踵を遠くに押して」と臨床中に言っています。
さて改めてSetting動作で獲得したい重要なことってなんだと思いますか?
当然VMに筋収縮が入ることですが、それ以上に私が重要だと思っているのは「大腿直筋ができるだけキャンセルされること」だと思っています。
このキャンセルという言葉は何も専門性もない言葉なのであまり気にしすぎないでほしいのですが、内側広筋に力を入れるにしても、できるだけ大腿直筋が入ってない状態を目指したい意味を含んでいます。もちろん0にはならないと思っています。
なのでベッド上でのSetting動作を行うときにはしっかりと股関節の屈曲位を作るようにしています。できるだけ大腿直筋が緩み、緊張が最初にはいらないようにするためですね。ここはよくいろんな教科書にも載っているところではないでしょうか。
また股関節の屈曲をすることによってハムストリングスのストレッチも期待されます。足関節の背屈と同時に行うことによって、これも膝の伸展誘導が期待されますね。
勘のいい読者は「立脚後期では股関節伸展+Settingと言っていたじゃないか!」と言われると思います。それはこのあとに書くつもりの記事の「立脚後期から考える片脚立位」という記事を書くつもりでいますので良かったらお待ち下さい。
まとめますとVMSettingを行うために重要なことは
VM、内側広筋に収縮を入れるために
・大腿直筋をできる限りキャンセルすること
・つまり股関節屈曲位をつくること(直近を緩めようとすること)
・膝の伸展を誘導するのに足関節背屈をすること
(踵を遠くに押すイメージを持つこと)
といったところでしょうか。
あとは下腿の内旋を少し狙ったりします。
さて、いかがだったでしょうか。
VMのSetting動作は基本的なリハビリとして知られる一方で、結構いい加減に行われている場面に遭遇します。
ちゃんと運動療法を行う以上、しっかりと意味を確認したいですよね。
今回は以上です。