そろそろ、「若手法務」を自称するのは限界なんじゃないか?と悩んでいる話
このnoteを始めたときは、まだ20代で、初めて法務に転職して、毎日知らないことがたくさん出てきて、それに対処していくという感じでした。最近とある雑誌で自分のプロフィールを確認された時に、実は法務5年目になっていることに気づき、年齢的にもそろそろ「若手法務」って自称して良いのかな…という気持ちになってきました。
ということで、最近悩んでいる「若手と中堅の違いってなんだろう」というものについて、今日はnoteに書いてみようと思います。
いつもの簡単な自己紹介
最初に簡単に自己紹介させてください。LAPRASで法務部門の責任者をしています、いいだです。LAPRASでは法務全般にプラスして、働く環境づくり、新入社員オンボーディング、最近はBマーケや新規事業のお手伝い等 興味のある仕事を欲張ってやらせてもらっています。
サメが好きでお調子者な、ひとり法務担当です。毎月noteを書いていて、それが3月に本になりました!(わーい)
「若手」と「中堅」の違いってなんだろう
それなりの規模の法務部にいると、自分より若い人が入ってくることで、自動的に「中堅」になるのかもしれません。5年目とはいえ、ベンチャー企業でずっとひとり法務をしている私は、自称がまだ「若手」で良いのかを最近は悩んでおります。
気づけば自分が法務を始めたての頃に「頼りにして良い中堅」だと思って憧れていた先輩たちと、年齢が近くなってきました。入れ替わりの激しいベンチャーの中では社内でも古株になってきたし、バックオフィスでは一番古いメンバーになってしまいました。
でも先輩たちを見ていると、法務として「やったことのない」案件は何歳になっても出てくるみたいだし、自分のコアな専門分野や今まで関わってきた事業を大きく変えてチャレンジする先輩もたくさんいるし、ずっとチャレンジし続けるとしたら「若手」とか「中堅」とかの区切りってどこでつくんだろうな〜というところがふわふわしています。
一方で、自分がこの5年でどう変わったかという視点でアプローチすると、明確に変わって点があって。それが「未知を既知にするときの過程」に「勉強」以外に「経験」が入ってきたなという点と、既知のその先があることがわかった点です。
5年やってみて、最近できるようになってきたこと
法務を始めたての頃は、右も左も分からず「こんなルールがあるんだ」「こういう解釈をするんだ」「こういうQAがあるんだ」と全てが新鮮でした。知らないことを知るためには、書籍やセミナーや知り合いに聞く等の手段で「勉強する」ことがほぼ全てでした。
ここ1年くらい、勉強する前に「多分、こういうことなんじゃないかな?」「過去の案件ではこうだったから、おそらくこの辺に着地するんじゃないかな」みたいな何となくの土地勘みたいなものが芽生えてきて、もちろんそれだけで進めることはないのですが、意外とその後に勉強してみると当たっていることも多くなってきました。(もちろん外れていることもある)
例えば書籍やガイドラインを引くときも「この辺りに書いてあるはず」とか「今から調べるけど、多分何かそこ面倒な規制があったはず」みたいな、当たりがつく状態が増えてきて、昔よりも「簡単だと思った案件が化けた」ことが減ってきたように思います。これって、おそらくやってきたことがようやく蓄積されて、自分の中の土地勘(暗黙知のようなもの)ができてきたのかなぁと。これは、1,2年目の時には全く感じられなかった感覚だと思います。
あとは、ここ数年、過去の自分の失敗を自分でフォローすることが増えてきました。過去の自分のレビューを見返して頭を抱えたり、当時のSlackでの浅はかな回答を見て数年前の自分に寒気がしたりします。同じ会社で仕事を続けていることで、過去の自分の拙い部分を直視する機会をもらえて、「既知」が浅かったというか、「知っている」だけであって「理解して使いこなせている」んじゃなかったということを、身に沁みて思う最近です。
恥ずかしながら、法務職を目指して転職を繰り返していたこともあり、実は同じ会社に3年以上勤めたのは現職が初めてです。今までは、目の前に案件に浅はかな対応をしても、そのあと問題が起こる時にはすでに退職してしまっていたのだと思います。(その後、多分残っていた誰かがその分を対応していた訳で、対応して下った後任の方本当にごめんなさい&ありがとうございます。)
法務のミスってすぐには顕在化しなくて、数年後にひょこってやってくるんだということも学びました。多分もっと長く在籍すればしただけ、過去のミスが自分の首を絞めてくるんだろうなと思います。でも、他人にそれをカバーしてもらうよりは自分でカバーしたほうが気持ちが良いし、自分のミスをちゃんと自分でカバーできれば、次の未知では同じミスをしないというスキルがついていくんだと信じています。
もちろん、ミス以外からも学べるのがベストですが、転んで立ち上がってを繰り返すことでしか身につかないものが、やっと最近身についてきた自覚はあるなぁと思います。こういう時こそ、大きなミスをやらかすので、気を引き締めないとな…とあえてここに書いておきます。
結局、「若手」という免罪符を自分から外す勇気が持てるかなのかもしれない
とまぁ、うだうだ考えつつも結論が出なくて書くのを止めていたのですが、ふと思ったのが、自分が「若手」か「若手じゃないか」は、覚悟の問題なのかもしれないなということです。
他の人から見て「若手」か「中堅」かは、振る舞いやスキルで判断されるので、それについては経験を積んで「中堅」というラベルを貼ってもらえるように頑張るしかないなと。ここはテクニックというよりは、コツコツ真面目に仕事して、勉強して、積み重ねていくものなのかなと。
それに対して自分自身で「若手法務」という時には、少なからず「まだ経験浅いので」という言い訳も含まれているな〜という、痛いところに気づいてしまいました。若手の免罪符を自分から外して「一人前の法務です。対戦よろしくお願いします。」と言い切れる勇気が持てた時、初めて私は中堅法務になるのかなというのが、今のあまり嬉しくない仮結論です。
そう考えると、まだまだちょっとだけ片足は「若手」に突っ込んでおきたい気もしつつ、ちゃんと覚悟できたら、今度は「みどほう」とかで中堅法務のコミュニティとか作ってわちゃわちゃしたいなという気持ちも芽生えてきました。次のステップに目が向いてきたということも踏まえて、若手の終わりが近いんだろうなと思っています。
最近分かったことなのですが、私はイベント主催が好きなんじゃなくて、法務の仲間に囲まれてるのが好きみたいです。たまに集まって、しょーもない話で笑って、切り替えて時には真剣に法律の議論して勉強会して、辛い時は励まし合って。そうやってみんなと緩やかに歳を取って、べてほうになっちゃったね〜って笑ってたい。
そのためには、まずはみどほうに進化しないとですね。ぼちぼち、覚悟を決めて頑張らないとなと思う最近です。そんなこんなで迷いつつも、来週は自分が主催しない初めての「わかほう」なので、残り少ない若手法務時代も満喫しようと思います。