エモい写真③撮り続けること
こんにちは。
Studyプラン、今月は写真の「エモい」について分析しお伝えしています!
今回は「撮り続けること」について。
私は高校生のときにこのStudyプランでもたくさん写真を載せている親友の静夏に出会い、静夏を撮りたくて写真をはじめました。
そこからもう16年以上、今も関係が続き撮り続けています。奇跡のようだなと思います。
都立工芸高校に進学して静夏に出会ってなければ私は写真を撮る道にはいなかったと思います。
そんな高校生時代に撮った静夏の写真(当時学校の暗室で焼いたプリントです)といまの静夏を撮った写真を重ね合わせた作品を高校のOB・OG展で展示します。
「エモい」作品かと思うのでご都合良い方はぜひお越しください◎
「おとなの工芸祭2023」-デザイン科OB・OG作品展-開催のお知らせ
会期:2023年10月30日(月)~11月5日(日)
時 間:11:00~18:00/最終日17:00終了
会 場:市ヶ谷・一口坂ギャラリィ 東京都千代田区九段南4-6-1
いきなりの告知で失礼いたしました。
縁のある人と撮り続けること
縁のある人とさまざまな機会で撮り続けることができ、積み重ねられて時が経って残るところに写真という芸術の素晴らしさがあります。
ずっと関係が続くことは稀で人と人は本当にご縁なので一度きりしか撮らないこともあると思います。
でも自然と合うタイミングで何度も撮る機会が巡ってくる人がいたら、撮り続けることで見えるもの、より撮れるものがあります。
いつか撮ることがだんだんと少なくなったり、なくなっても、だからこそ写真を撮ってその時間があったこと。写真を共に撮れたことはなくならない。それはとても宝物だと思います。
中尾有伽さんとは気づいたら8年間も写真を撮り続けていました。
私がいろいろな方と「19歳最期の日」を撮る作品撮りを重ねていて、中尾さんにもその撮影をお願いして、そこから毎年誕生日の前日に撮ることが恒例になりました。
「19歳最期の日」を撮りたいと思っているのは私自身が20歳になると女の子は振袖を着て、かっちりと写真が撮られてお祝いされるけれど
10代の自分もちゃんと残っていたかったな。という思いが強くありました。そのときにしかないゆらぎ、存在への不安定さ、だからこその美しさを撮りたい。
中尾さんの「19歳最期の日」はとても危うげな存在で現れ、大丈夫ではなさそうだけど、自分たちにとって必要なのは「写真を撮ること」でそれが第一にあるような、それがギリギリなんとか私たちにできること、という意識があったように思います。とても印象的な撮影でした。
自分が大丈夫じゃなくても大丈夫でも
「写真を撮る」というのが中尾さんにとっても私にとっても必要なことで「写真を撮り続ける」ということに繋がっていきました。
撮り続けて、何度撮っても、同じ写真になることはありません。
人は変わり続けていく。
いろんな季節がその人に巡り、いろんなことが周りで起こったなかの、ほんの一瞬を撮らせてもらっている。
私はもともと人が変わっていくことがとても寂しかったです。
変わってしまうから失ってしまう。
そんな恐れが写真を撮る初期衝動にあったと思います。
一緒にいる人もずっと一緒ではない。永遠ではない。
でも撮り続けていくなかで、変わるからこそ、撮るのだと気づきました。
それは変化することへの唯一の抵抗のようでもありながら唯一の受容の仕方でもありました。
縁のある人がいたら、ぜひ撮り続けてみてほしいです。
初めて撮ったときの緊張感、何度か撮り続けて気を許しているとき、あまり調子がよくなかったとき、すごく朗らかに撮ることができたとき、その時々のお互いが影響したものが写り、写真になります。
記憶のかけらがそのうち集まって、宝物になっていく。
人との関係性は変わってしまうけど、たとえ離れてしまってもその写真がそのとき一緒にいたこと。その時間がとても眩しかったことをずっと証明してくれること。
そのことをうんと感じながら撮るのが私の写真が「エモい」と言われることに繋がっているのだと思います。
目の前にあるものはあっけなく失われていく。
だからこそ、取り戻せるものもあるのだと、中尾さんと写真を撮り続けて知りました。
今年撮った中尾さんとの誕生日前日の写真、私はとても好きです。
この日は朝に撮りたい、と私がお願いして早朝に撮りました。
撮り続けて、この笑顔が撮れて幸せです。
全てが変わるわけではなく、全ての孤独がなくなるわけがない。
だからこそ光を撮ることができる。
ほんのすこし、大丈夫になる。
【お知らせ】
中尾有伽さん初の写真展・写真集制作のクラウドファンディング実施中!
10/30までです!
紙の写真集はこのプロジェクトの受注生産のみです。お見逃しなく!
ぜひプロジェクトページをチェックいただけたら幸いです!
中尾有伽"初"写真展&写真集「回生」制作プロジェクト
いただいたサポートは写真活動のために活かします! 応援ありがとうございます