ジョージアの子供たちによる物乞いについて
※記事を読む前に注意
現在『ジプシー』は差別用語とされており、『ロマ』『ロマニー』と呼ばれるようになりました。しかし多くの方に目を向けてもらえるように、この記事ではあえて馴染みのある『ジプシー』という言葉を使用いたします。
『ジプシー』という単語に抵抗のある方は記事の閲覧をご控えください。
ジョージアの西海岸に位置するバトゥミ。
この街を歩いていると、周りの人たちとは一風違う雰囲気を漂わせた子供たちと遭遇することがある。
彼ら彼女らと目が合うと、こちらに手を向けて近づいてきます。
そして私たちの足を掴み、ポケットに手を伸ばし、金品や貴重品を奪っていくのです。
そういった行動をしてくる子らを『ジプシー(ロマ)』と呼びます。
私はずっとバトゥミにいるわけではないので事情は詳しく知りませんが、ここ最近でバトゥミでのスリの被害件数がかなり増えているみたいです。
直近でバトゥミへ来られた日本人は必ずジプシーについてツイートするくらい出現頻度は高いです。
観光を楽しみにバトゥミへ来て、何も知らずに歩いているところ、いきなり子供に襲われたりしたら困惑しますよね。
1人でも被害が起きないように、過去10回以上遭遇したことがある飯田が、バトゥミのジプシー事情をまとめました。
ジョージアに在住されている方はTwitterなどで拡散していただければと思います。
ここで記事を読んでくださった方、そして実際に被害に遭われた経験がある方々のツイートを掲載します。
バトゥミだけに限らずジョージア首都のトビリシにジプシーはいるみたい
人は知らないことに対して恐怖を感じる生き物です。
これからバトゥミへ行こうとしている人、もしくは最近バトゥミに来たけどまだ出会ってない人は、ジプシーの存在に恐怖しているかもしれません。
お化けや税金が怖いと感じるのは、正体がわかっていないからです。
それと同じでジプシーの存在や対処法を知っていれば、割となんとかなります。
バトゥミのジプシーの実情
彼ら彼女らは平均5〜12歳くらいだと推測されます。
肌の色は浅黒く、一般的な子供たちより体型が細い傾向にあります。
目の前でパッと見るだけでジプシーだと雰囲気でわかると、遭遇した人はみんな言いますね。
卑劣なのが子供たちの裏には大人の女性がいるということ。
彼女たちはヒシャブを被っており、顔を隠そうとします。
スマホで動画を撮ろうとすると怒ります。後ろめたいことがある証拠ですよね。それで怒るなら、人から物を盗むことを止めてほしいものです。
バトゥミに住んでいる日本人以外の人々も被害を受けている模様です。
バトゥミのFacebookグループにジプシーのことを聞いたところ「1,000ドル盗まれた!」と書き込んでいる人もいました。
ではなぜ彼ら彼女らは泥棒をしているのに捕まらないのか?
被害に遭われた方が警察へ通報したところ、18歳以下の子供たちの犯行だから取り締まることはできないとのこと。
親は裏で指示を出しているだけなので、いくらでも言い訳はできますよね。
生活がかかっているとはいえ、とっても卑劣。
下の写真はバトゥミモールから家電量販店へ行くまでの道。
ジプシーから物が盗まれない対策方法
私が対策していることや、実際にバトゥミへ住まれている方から聞いた情報になります。事前対策と、遭遇してしまってからの対処法を紹介します。
【事前対策】
・貴重品はバッグや内ポケットに入れる
・出現しやすい場所を歩くことを避ける
・できれば2人以上で行動する
・人にくっついて歩く
【遭遇してしまった時の対処法】
・近くのお店へ入る
・周りの大人へ近づく
・道路へ出る
・日本語を叫ぶ(知らない言葉を聞くと怯える傾向にあり)
Facebookグループで対策を相談したところ「目を合わせない」と教えてくださった方がいらっしゃいましたが、どうしてもアジア人は目立つため効果はありません。
おそらくジプシーの中でもバトゥミに来ているアジア人は金を持っているみたいなイメージが強いのかもしれません。
ちなみに殴ってはいけません。子供とはいえ、向こうのほうが数は多いので危険です。ただ、本当にしつこく来た場合は押し倒すくらいならしてもいいかもしれません。
こんな事例もございます。
バトゥミでジプシーが出現しやすい場所
バトゥミのジプシーは大方下記の3カ所に出現しやすい傾向にあるようです。
①バトゥミモール近く
FacebookグループやTwitterを見ていると、ここでの事件発生率が1番高いです。
特に医療センターから家電量販店の通りはたむろしていることが多いため、一本道をずらしてマクドナルド側から歩くことを推奨します。
被害に遭われた方の証言と動画を載せておきます。
②Orbi Tower Block AからBlock Bまでの通路・市役所前
私はここからタクシーに乗ろうと足を踏み込んだ瞬間、片足を引っ張られたことがあります。
生活圏内なので1週間に2回はジプシーに遭遇しますね。
慣れたため、写真を撮るくらいの余裕もあります。
③ヨーロッパスクエア
観光客が集まる場所なので、必然的にジプシーたちも集まりますよね。
Aromi Italianiというバトゥミでも人気のイタリアンレストランがあり、そこのテラス席で食事を楽しんでいるところ、お金をねだられることが何度かあります。
上の二カ所に比べて人が集中している場所なので、しつこい場合は周りに助けを求めましょう。
この動画はヨーロッパスクエア付近で撮られています。
ジプシーに対して私が思うこと
最初に彼ら彼女らに出会った時は、頭にハンマーを叩かれる衝撃でした。
容赦無く私の身体を触り、ポケットに手を入れようとする。
「No money!」と言葉で説得しようと試みても、向こうは聞く耳持たず。むしろどんどん子供が集まるため、逃げ場を失いそうになりました。
なんとか道路へ逃げ、何も取られずに済んだものも、その後も彼らの存在は忘れられませんでした。
バトゥミに住んでいる人たちのFacebookグループで「今日ジプシーにあったんだ。これって普通なの?」と書き込みをしたところ、私以外にも困っている人はいました。
「妻は対策としてペッパースプレーを買ったよ。」
「サングラスをかけて! 目を見ていない動物は、95%の状況であなたと接触しないから。」
「彼らにとってこれは普通のことだよ。全て親の責任だ!」
次第にグループ内でジプシーに対してアツい議論が交わされました。
それだけ市民は問題視している。
政府が介入すれば解決する問題ではある。
けど、「ジプシーとして盗みができなくなった子供はどうなる?行き場をなくして餓死するのでは?」と考えてしまう。
盗みをしている彼ら彼女らの収入はジョージアの平均月収を優に超えているはず。そして1番美味しい思いをしているのは紛れもなく、子供たちを裏で操っている大人だ。
情けない。けど、私たちの常識が違う国では非常識なんてことはザラにある。国によって背景は全く違うのだから。
まだまだ世界は知らないことだらけだよ。
彼ら彼女らのためにも私はお金を渡さないようにしている。
すでに美味い思いをしているかもしれないが、それに私は加担したくない。
能動的にお金を渡す行為は、ジプシーの活動を支援しているようなものだから。
どうか、これからバトゥミへ来られる方はくれぐれもご注意を。
ジプシーに関してさらに詳しく情報を取り入れたい方はこちらの記事も読んでみてください。
https://yojiyanagisawa.com/blog/about-roma/
最後に
バトゥミに対して、ネガティブイメージを植え付けてしまう記事になってしまい申し訳ないです。もしかしたらバトゥミへ行くことを止めようかと思われている方もいらっしゃるかもしれませんよね...。
ただバトゥミへ行くことを決めたからこそ、被害に遭ってからでは遅いのでこのことを知っておいてほしいのです。
そしてこの記事をここまで読んでくださっているようでしたら、すでに免疫が付いているはずなので大丈夫かと。
ちなみに僕はトビリシよりもバトゥミの方が好きです。
メシは美味いし、運動できる環境は多いし、何より海が綺麗。
まだバトゥミへ訪れたことがない方はサクッと遊びに来ませんか?
最後に、今バトゥミの部屋から見えている夕陽をお届けします!
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