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【駅訪問】信濃大町駅(長野県・大糸線)

大雨の中の信濃大町駅
駅舎はけっこう新しくて綺麗。
改札口

信濃大町data
路線:JR東日本・大糸線
所在地:長野県大町市大町
駅構造:2面3線(他に側線あり)


大雨の中…

本当ならこの信濃大町駅には、訪れるどころか
駅の前を通りすがることすら無い予定だった…

時は2023年06月02日。
高校生であり登山部に所属している自分は、登山の長野県大会のために大町市を訪れていた。
大町市の山「鍬ノ峰」に登るのだ。

2日間に及ぶ日程は、1日目に知識審査や調理の審査が、2日目には登山がある。
「え…登山の大会って、そもそも何するの?」と感じたそこのあなた、
それについてはまたいつか、noteに書こうと思う。
楽しみにしていただければ嬉しい。

しかし、大会の1日目の審査が終わり、夕食を食べ、テント泊をしていると…
いきなり雨が降ってきた。しかも強い。

夜中に先生から、「明日の行程は変更になるかもしれない」との情報が入ってきた。

翌朝には雨がすこしマシになったが、それでも傘をささないといけないほどだ。

先生から、「山歩きは3年生の正規チームのみ、それ以外(当時の私は1年生)の人は街歩き」という情報が入る。
なんと、雨が酷いため私たちは登山をせず、大町市の街を歩くという行程に変更されたのだ。

しかし、先発の審判が登山道の確認に行った結果、山を歩くことは不可能との情報が。
3年生たちの最後の大会は、ついに山を歩くことなく終わってしまった。
それと同時に、私たち1年生が街を歩くというのも消滅した。

丸2日間だったはずの行程は、2日目の朝で早くも終了してしまったのだ。


閉会式で、審判の先生が言っていた言葉が、今でも心に残っている。

プライオリティ。わかるか?
“優先順位”だ。登山は命懸けなんだ。
今回の大会では、みんなたちの命を“優先し”、登山は行わないことに決めた。

全国大会、北信越大会に出場できなかった3年生のみんな、
本当に惜しいけどこれで、登山部としての活動は終了だ。

事前にこの山に“下見”に行った人たちだっているだろう。
地図を読む練習を積み重ねた人たちだっているだろう。
でも、大雨で登山することすらできず、今まで準備してきたものを発揮できなかった…

君たちだけじゃない。
俺たち、先生も本当に辛い。
頑張ってきた君たちを常に応援し続け、大会の安全のために事前に準備を念入りにしてきた。

それが、大雨という“天候”によって、終わってしまった。

俺は泣きたい。みんなも泣こう。

でも、誰も怪我なく大会を終われたのは本当にすごいことだ。
みんな、よく頑張った。みんなに拍手!

この悔しい気持ちを、登山を楽しむ気持ちに替えて、
引退しても、登山に親しみ続けてほしい。」


私の学校では、このあと顧問の先生が銭湯に連れて行ってくださった。
しかも先生の奢りである。

昨日の夜の大雨で冷え切った体を温め、体力も戻ってきたような気がした。

未だ大雨が止まない中、露天風呂には当然のように雨粒が落ちてきた。
でも、風呂はそんなものを気にもさせないほどに素晴らしかった…

そのあとは、予定外となる大町市街自由散策の時間となった。
もちろん、大雨の中で、だが。

前置きが非常に長くなってしまったが、
こうして図らずとも、信濃大町駅への訪問が叶ったのである。


大町市の中心駅となっている当駅は有人駅であり、構内に立ち入ることはできない。
改札外からの“視察”にとどまった。

駅舎内の駅名標。
味があるけど、ちょっと難読かなー笑
発車案内には、列車の運休を伝える文章が…

この日の昼食は、信濃大町駅前の「ぶたのさんぽ」という飲食店にて
北アルプス名物・黒部ダムカレーを食べた。

黒部ダムカレー

この駅訪問において、信濃大町駅へは改札内にも入らず、
しかもごくわずかな時間の訪問だったため、駅自体について語れることは多くない。

しかし、ひとつだけ、ちゃんと言えることがある。
これほど雨が強くて大会が中止となってしまい 身も心も傷ついていた私を、
この信濃大町駅は、励ましてくれた。

来年の大会は、自分も正規チームとして出場することになる。
先輩たちが悔しい思いをした分、自分が頑張らないと、と決意を新たにしたのであった。

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