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vol.3 10kmを走ってRTA

2024/01/12

この日は、休みの日でもない。単なる平日。
ただ、学校が変則日課で、12時頃に終わった。
せっかくなら、どこかの駅へ訪問したい!
私はこの近辺で行きたかった駅、門島駅を、今回の駅訪問旅の目的地に決めた。

以前の記述で、私の通う高校の最寄り駅は伊那上郷駅だと書いたが、
そこから門島駅へ行くために、どうしようかと考えた。
普通なら電車一本で行くのだが、
ほんの気分で行こうとしたため、十分なお金がない。
いつも財布には数百円程度のお金しか入れていないので、
門島駅まで電車で行けたところで、帰る分のお金がない。

そこで、私は意味不明な沿線徒歩を実行する。
まず、学校から飯田駅まで歩き、そこで「川路〜門島」の切符を買う。
そしたら飯田駅から川路駅まで歩き、そこで電車を捕まえる。
その電車で目的の門島駅へ行く、と言うものだ。

赤線が飯田線。ちょっと見にくいかもしれません…

上の地図だといくつかの駅の表示が消えてしまっているが、
伊那上郷〜川路までは駅数にして10駅分、
営業キロにしておよそ10kmある。

しかし、時刻は13時半くらい。
川路駅で目的の列車に乗るためには、15時には川路駅についていないといけない。
わずか1時間半で、10kmかぁ…
いけるかなぁ、なんて迷っている暇はない。
俺はとりあえず飯田駅で「川路→門島」の硬券を購入し、
そのまま急いで川路駅へ向かった。
(例え240円とはいえ)切符を買ってしまったので、
これを使わずに捨てることになるのは勿体無い。
その上、この電車に間に合わなかったら今回の駅訪問旅は中止せざるを得ない。
これはプレッシャーだ…

飯田駅からダッシュで南下し、
マップでは「ほぼ平坦」と表示されていた急な坂道を駆け上がる(笑)。
鼎〜時又までの各駅に立ち寄りながら川路駅まで歩くのは完全に断念し、
とにかく最短ルートを選び走った。

毛賀駅付近くらいまで来て、ようやく「制限時間」が「所要時間」よりも長くなったのを確認。
とはいえ乗り遅れてはなるまいと、早歩きで進んだ。
車通りが多いにも関わらず歩道が狭すぎる国道を通り、
ようやく余裕が出てきた。

そしてそのときに、走っている際マップを頻繁に見ていたため
スマホの充電が残り少ないこと、
そして足の裏が靴に擦れて痛みがはしっていることに気がついた。
既に疲れが溜まっている。
くぅぅ…駅訪問はこれからだと言うのに…


急いだ甲斐があって、川路駅には予定より10分ほど早く到着した。
10kmを1時間ほどで走った。
平均の速度は、南向きにおよそ10km/hくらいかな。
電車まで20分ほどある。

ここでひとまず昼食を食べようと
(3時に食べるご飯は果たして昼食と言えるのかは不明だが)、
持ってきた白米を開けるが…絶望した。
なんと、箸がない。もう、どうしようもないと思った。
足が痛くて歩く気も失せ、スマホも充電を保持させることを優先として使用できず、
楽しみだった昼飯も食べられない…
もう何もできないのではないか?
せっかく川路まで来たにも関わらず、ここできて、楽しむ気が失せてしまった。

まぁいいや、行こう。
やってきた目的の電車に乗り込むと、徐々に楽しむ気力も復活してきた。

近代的な佇まいの川路駅にはやっぱり313系が似合う。

しかしその313系も、隣の天竜峡駅で乗り換え。
すぐに出発し、飯田線の誇る「秘境区間」へ突入した。

電車に揺られる中で、門島駅の一駅手前の唐笠駅を観察した。
唐笠駅は、秘境駅の一つとして注目していた。
しかし駅周囲は意外とひらけているような印象だった。
この駅にはまたいずれ訪れよう。


唐笠〜門島間は、意外と駅間距離が長かった。
頭上は空とトンネルが瞬く間に交互に繰り返され、
やがて泰阜ダム発電所施設が見えるくらいから列車が減速。
門島駅の2番線に停車した。

門島駅に到着!
電車はすぐに行ってしまった。
サージタンクの前を通過する、373系特急伊那路
日本一遅い特急のくせに、写真で撮ろうとするとブレちゃったじゃないか。笑
ホーム上の待合室。
この駅は駅舎がない。

駅から数分ほど歩くと、泰阜ダムの堤体が見える。
その迫力と美しさには、ダムマニアではない私でも感動を覚える。

泰阜ダム

それにしても、あんな小さな赤いゲート程度で、よく
あれだけの量の水を抑えられるなと感じた。
かつての人間は雄大な自然にも立ち向かおうとしたのだろう。

飯田線沿線には、他にもダムがある。
いつかは平岡ダムや佐久間ダムも訪れてみたい。
もちろん駅訪問とセットで(笑)。

写真左から順に、
泰阜ダム堤体 泰阜変電所 泰阜発電所 サージタンク そして飯田線の架線

泰阜ダムに関してもっと知りたいのなら、
「まるがりくん」さんのページをご覧いただければと思う。


この駅には駅ノートがあるが、なんと管理人さんが
旅人たちのコメントに返信しているのである。
これは心が温まるなぁ。

自分も書き込みをすると、そろそろ帰りの列車の時刻になった。

もう薄暗いな…
迎えの213系
こちらはその対向列車
島式の交換駅です

私はこの電車で、毛賀駅まで北上。
本当なら自宅最寄りの切石駅で降りたかったのだが、
そこまで電車に乗るお金がなかった。仕方がない。

今回の記事ではあまり触れてこなかったが、1月の中旬の駅訪問である。
このような寒さの中、長距離を歩き続けるとさすがに疲れる。

お財布には20円だけ余っていたので、駄菓子屋に寄って
その20円で干タラを買いました。

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