世代を超えて、10年後も20年後も愛され、使われるファブリックを。kakapoが届けるものづくりへのこだわり
ー作り手
今回ご紹介するのは、パッと目を引く色味や個性的なデザインが魅力のテキスタイルブランド、kakapo(カカポ)さんです。テキスタイルデザイナーのカネイチヨウコさんがkakapoのデザイン全てを手がけています。
日本国内での生産にこだわったオリジナルデザインの生地を始め、その生地を使ったシャツ、バッグ、小物などのテキスタイルプロダクトを販売するkakapoさん。特にシャツはブランド設立から型を変えずに、年齢や性別問わず、kakapoを代表するプロダクトとして位置付けされています。
カネイチさんが生み出すデザインは「トショカン」「フルイマチ」「シバフ」「カナガワ」など遊び心が感じられるものばかり。「散歩している時に見る日常の風景」「旅行などちょっと遠くへお出かけした時に見る建物や景色」など、日々の生活の中で実際に見たものを頭の中にためておきデザインへ落とし込んでいるのだそうです。
2012年のブランド設立から今年で10周年を迎えたkakapoさん。これまでの物語や、ものづくりに対する想いについて伺いました。
ーものがたり
学生時代からテキスタイルに興味を持ち学んでいたカネイチさん。kakapoがスタートする直前は、パリコレで発表するデザイナーに生地を提案し制作する仕事などを手掛けていました。
短い期間で消費されるものではなく、10年後も20年後も愛されるデザインを生み出していく。そんな想いから「kakapo」ブランドが設立されました。
当初は友人の事務所を間借りし、百貨店やギャラリーでのポップアップ販売をスタート。2016年、アトリエのある物件に出会ったのを機に、金・土曜日のみのショップをオープンしました。しかし2020年、コロナ禍となりイベントの中止が相次ぐ中「現場の動きを止めてはいけない!」と自分自身を奮い立たせ、これまでは敬遠しがちだったオンライン販売を始めることになったのです。
ー想い
日本のものづくりを大切に、ずっと使い続けていきたいと思われるプロダクトを生み出しているkakapoさんの姿勢は、下記のような素材選びからも伝わってきます。
①浜松の工場で、細い糸を高密度で織ったクオリティの高い綿
②京都の老舗ハンドプリント工場でオリジナルの柄をプリントした生地
③桐生にある工場で、昭和初期の刺繍機を用い刺繍を施した生地
さらに、生産過程で出る失敗した生地や、縫製工場での裁断後のハギレを全て回収して新たに小物などを生産しています。廃棄を少なくすることは求めやすい価格として反映されることにも繋がり、ここにもkakapoさんの誠実さ、真面目さが感じられます。
日本は世界に誇れる技術を持った工場や職人さんが多くいる中、繊維業界の衰退が進んでいるのが現状です。日本のものづくりが途絶えないために、kakapoさんは自分にできることを考え続けています。
流行がどう変わろうとも、自分たちの信念に向かって突き進む強い覚悟と願い。そこに真っ直ぐ向き合う姿勢に、私たちは惹きつけられるのではないでしょうか。長く大切にしていきたいお気に入りの洋服を探しに、ぜひkakapoさんのアイテムをご覧ください。