プロダクトを通じた、to-teのきっかけ作り
ー 作り手
人との繋がりや会話のきっかけ作りを提案するプロダクトファッションブランド「to-te」。
「“らしさ” をつくる」 をコンセプトとし、シンプルな構造ながらも使い手自身が自由にアレンジができるアイテムを制作しています。
ブランド名「to-te」には、「to - 手(て)」手から手へと受け渡されていくその瞬間を大切にしたいという想い。そして、 “言伝(旧読み仮名:ことつて)” や “伝手を頼り” の「つて」という言葉の意味が込められています。
ー ものがたり
「to-te」のデザイナーである鈴木さんは、大学時代にプロダクトデザインを学びながら、独学で服作りを行なっていました。
卒業後、カバンや革製品のデザイナーとして活動していましたが、大学時代に熱を入れて取り組んでいた服作りを仕事にしたい、という気持ちから退職。
本格的に洋裁・パターンを学ぶために、東京へと上京されました。
服作りを自分の仕事にしたい。
新たな場所で、ものづくりを通してたくさんの人とコミュニケーションを取りたい。
プロダクトデザインを行なってきた中で培った「物」の特性や機能性に重視したデザインをファッションという分野で表現してみたい。
そんな3つの想いが重なり、2018年にスタートしたのがブランド「to-te」です。
to-teさんの洋服やアクセサリーの特徴は、プロダクトデザインの視点を取り入れているところ。
使い手が自由にアレンジを楽しむことができるボタンホールを用いた洋服や、パーツの角度を調節し印象をガラリと変えることができるアクセサリーなど機能性とデザインが共存するアイテムを展開しています。
ボタンホールを用いた洋服は、ボタンでポケットを付け替えることができ、さらにベルトを通せば形を変えアレンジができるなど遊び心をくすぐる1着。
ボタンホールの部分は、専門の職人さんが一つずつ専用のミシンで丁寧に加工し、仕上げているそう。
また、使用される生地の基準は、自宅で気軽にお洗濯ができるかどうか。
シワになりにくく、そして誰でもお手入れがしやすい素材を使うことによって、使い手の日々の暮らしに寄り添った洋服を提案されています。
また、パーツの角度を調節しながら楽しむことができるアクセサリー“TOOLS”シリーズは、レーザーカッターという機材を利用して一つの素材からさまざまな形にカット。切り出したパーツの細部を手仕事で仕上げ、そこからパーツ同士をネジ金具で留めています。
使い手は、ネジを緩めてお好みの角度にパーツを調整し、雰囲気を変えることが可能。ネジを外してパーツの順番を入れ替えることによって、さらに変化が楽しめる仕組みとなっています。
一般的な洋服やアクセサリーのアレンジは2wayから3wayが主流ですが、to-teさんのアイテムのアレンジ方法は多数。
使い手一人ひとりの個性が表現できるものづくりを大切にされているのです。
素材、そしてデザインと機能性、すべてが共存し、使い手のことを第一に考えたプロダクト。
その考え方が「to-te」のスタートでもあり、今の形でもあります。
ー 想い
初めての方と会話をする時、洋服やアクセサリーが会話の種になった経験はありませんか?
to-teさんは、ファッションは相手を知るための大切な “情報” のひとつだと考えています。
身につけているアイテムが会話のきっかけを与えてくれ、そこからお互いを知り、そして人の手と手が繋がる瞬間が生まれる。
その人の暮らしに寄り添い、人の手と手が繋がるきっかけ作り。
そんなプロダクトを、to-teさんはこれからも目指します。
ー作り手情報
to-te(ツテ)
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